レプリカって何のために作るの?
博物館資料で「レプリカ」とは原資料に忠実な複製品を指します。
「模造品」ではなく精緻な複製品です。原資料の代替品として展示さ
れます。考古資料の場合は原品から型を取って作られるため、大きさ
は寸分違わないものができます。かなり精巧にできているので、その
まま展示しても、レプリカだとわかる来館者は十人に一人いるかどう
かだと思います。原品と並べた場合に判別がつくのは、考古関係の業
界人だけでしょう。そのぐらい精巧に作られています。
さて、なぜレプリカを作るのかという話です。井戸尻考古館にはこ
れまで3点のレプリカがありました。藤内遺跡の神像筒形土器、曽利
遺跡の水煙渦巻文深鉢、坂上遺跡の始祖女神像です。これらのレプリ
カを作成した目的は、「他館に貸し出されることが多いから」です。
特に水煙渦巻文深鉢は毎年どこかの博物館や美術館へ行きます。
「あの土器を見に来たのに貸し出し中だってさ・・・。」ということ
はよくあることなのですが、すこしでもその土器の造形や雰囲気を感
じていただくためにも、その土器が不在の際はレプリカを展示してい
ます。つまり原資料の代替資料として展示するのです。
しかし、昨年度作成した2点のレプリカはちょっと目的が違います。
目的が違うとともに作り方も全く違うので、それぞれの項目でお話し
します。