特別企画6 井戸尻考古館 電脳展示室
「おらが村の遺跡〜旧落合村編〜」5/6

蛇込遺跡〜縄文中期中葉の拠点的集落〜



    

 蛇込遺跡は富士見台集落の南側、乙貝川と立場川によって形成され た舌状台地の付け根、瀬沢区内に立地しています。昭和40(1965)年 刊行の『井戸尻』でも「(前略)この遺跡は縄文時代中期中葉から末 にかけて相当大規模に発達した集落址で、今後の発掘調査に大きな期 待がもたれるわけである。」と書かれており、当時から富士見町内で も数少ない大規模集落として認識されていましたが、令和元年まで一 度も発掘調査が行われたことはありませんでした。  令和元年に蛇込遺跡の範囲内で太陽光発電所建設計画が持ち上がり、 この遺跡で初めて発掘調査が実施されました。調査では縄文時代中期 後葉の竪穴住居址4軒と、墓壙(墓穴)と思われる小竪穴77基が発見 されました。また、集落が営まれていた当時、大きな地震で生じたと 考えられる地割れ痕も見つかっています。この開発事業では全面的に 盛土層を設けて遺跡を保護することになったため、小竪穴については 一部しか調査せず、将来の発掘調査へと持ち越しになりました。  この調査では多量の石器や土器が出土しています。現在整理作業を 進めており、来年度『蛇込遺跡発掘調査報告書』を刊行する予定です。



◆「深鉢」 4号住居址埋甕 縄文時代中期後葉(唐草文系) "唐草文土器" と呼ばれる、松本盆地や伊那谷などで作られる、富士見町ではあまりみられないタイプの土器です。



◆「縄文土器 破片」 1号住居址 縄文時代中期後葉 発掘調査によって1号住居址の中から発見された土器の破片です。 これから分類して、同一の個体は接着剤で接合していきます。








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