標準TTLだけ(!)でCPUをつくろう!(組立てキットです!)
(ホントは74HC、CMOSなんだけど…)
[第318回]

☆☆☆組立説明書の続きです。
組立作業は今回で完了です。
説明書の上では組立作業は完了しましたけれど、実際の組立作業にはまだ入れません。
十分に充電してからでないと、途中で息切れしてしまいます☆☆☆

●[13]TK80回路
13−1. ICの取付け

下の表にしたがってICを取付けてハンダ付けをします。
ICには、向きがあります。 間違えないようによく注意しながら作業してください。

部品番号 部品名 ピン数
IC250 74 14
IC251-2 74 14
IC253 126 14
IC254 04 14
IC255 LS145 16
IC256 191 16
IC257 373 20
IC258 244 20
IC259 175 16
IC263 138 16
IC264 244 20
IC265 32 14
IC266 373 20
IC267 373 20
IC268 244 20
IC269 02 14


●13−2.ICソケットの取付け

下の表にしたがってICソケットを取付けます。
切り欠きの向きを合わせるように取付けて、ICと同じ要領でハンダ付けをします(2−13.の説明図参照)。
全部のピンが折れ曲がったりしないで基板の裏まできちんと出ていることを確認してから、ハンダ付けをしてください。
まだICソケットにROM27C256およびPIC16F88は取付けないでください。

部品番号 部品名 摘要
IC260 28Pソケット 27C256
IC270 18Pソケット PIC16F88


●13−3.集合抵抗の取付け

下の表にしたがって集合抵抗を取付けてハンダ付けをします。
集合抵抗には向きがあります。
向きを間違えないように注意してください。

部品番号 部品名 表示、形状
B42 10Kx8 9pin,103
B45 10Kx8 9pin,103
B46 10Kx8 9pin,103


●13−4.抵抗の取付け

下の表にしたがって抵抗を取付けてハンダ付けをします。
抵抗の色コード表示については、T部品表のところで説明していますので、適宜参照してください。

部品番号 部品名 表示、形状
R100 200K 赤黒黄金
R101 100K 茶黒黄金
R103 1K 茶黒赤金
R104 100K 茶黒黄金
R105 330Ω 橙橙茶金
R106 330Ω 橙橙茶金
R107 330Ω 橙橙茶金
R108 330Ω 橙橙茶金
R109 330Ω 橙橙茶金
R110 330Ω 橙橙茶金
R111 330Ω 橙橙茶金
R112 330Ω 橙橙茶金
R113 2.2K 赤赤赤金
R114 2.2K 赤赤赤金
R123 10K 茶黒橙金


●13−5.コンデンサの取り付け

下の表にしたがってコンデンサを取付けてハンダ付けをします。
セラミックコンデンサには極性はありませんが、電解コンデンサには極性があります。
向きを間違えないように取付けてください。

部品番号 部品名 表示
C23 56pセラミック 56
C23-2 56pセラミック 56
C23-3 0.01μ 103
C24 33μアルミ電解 33μF
C25 0.1μ 104
C26 100μアルミ電解 100μF


●13−6.ダイオードの取り付け

D29〜D33にダイオード1SS133を取り付けてハンダ付けをします。
ダイオードには向きがあります。
向きを間違えないように取り付けてください。

[注意]1SS133はガラス製で壊れやすいので、余り根元で無理にリード線を折り曲げたりしないように注意してください。

部品番号 部品名
D29 1ss133
D30 1ss133
D31 1ss133
D32 1ss133
D33 1ss133


●13−7.発光ダイオードの取付け

288 ERRORに赤色LED(発光ダイオード)を取付けてハンダ付けをします。
発光ダイオードには向きがあります。向きを間違えないように十分注意して取付けてください。

部品番号 信号名
288 ERROR R


●13−8. 7セグメントLEDの取り付け

SL0〜SL7に7セグメントLEDを取り付けてハンダ付けをします。
7セグメントLEDには向きがあります。
図をよく見て間違えないように取り付けてください。

部品番号 部品名
SL0 C551SR
SL1 C551SR
SL2 C551SR
SL3 C551SR
SL4 C551SR
SL5 C551SR
SL6 C551SR
SL7 C551SR



SL7、SL6…という文字が図の向きになるように基板を置いたとき、7セグメントLEDのドット(ピリオド)の丸が右下になるように取り付けます。

●13−9.トランジスタの取り付け

下の表にしたがってトランジスタを取り付けます。
トランジスタは2種類あります。
表をよく見て間違えないように取り付けてください。
またトランジスタには向きがあります。向きを間違えないように注意してください。

部品番号 部品名
T3 A1015
T4 C1815


●13−10. 4Pショートストラップの取り付け

SP2に4Pショートストラップを取り付けてハンダ付けをします。

部品番号 部品名
SP2 4Pショートストラップ


●13−11.小型プッシュスイッチの取り付け

下の表にしたがって、小型PUSHスイッチを取り付けてハンダ付けをします。
PUSHスイッチは、仕入れの関係で、いろいろな色のものがはいっています。色が異なるだけで同じキースイッチですから、色にはこだわらないで取付けてください。
PUSHスイッチには天地、左右はありませんが、端子の間隔がタテとヨコとで異なっています。
プリント基板の取付穴に合う向きに取付けてください(下図参照)。

部品番号 部品名
0 PUSHSW(小型)
1 PUSHSW(小型)
2 PUSHSW(小型)
3 PUSHSW(小型)
4 PUSHSW(小型)
5 PUSHSW(小型)
6 PUSHSW(小型)
7 PUSHSW(小型)
8 PUSHSW(小型)
9 PUSHSW(小型)
A PUSHSW(小型)
B PUSHSW(小型)
C PUSHSW(小型)
D PUSHSW(小型)
E PUSHSW(小型)
F PUSHSW(小型)
RET PUSHSW(小型)
RUN PUSHSW(小型)
STORE PUSHSW(小型)
LOAD PUSHSW(小型)
RESET PUSHSW(小型)
ADRSSET PUSHSW(小型)
RDINC PUSHSW(小型)
RDDEC PUSHSW(小型)
WRINC PUSHSW(小型)




●13−12. 10Pストレートコネクタの取り付け

下の表にしたがって、10Pストレートコネクタを取り付けて、ハンダ付けをします。

部品番号 部品名
CN3 10Pストレート
CN4 10Pストレート


●13−13.USB基板の取り付け

上で取り付けた10PストレートコネクタCN3の近くにある3.2Φの取付穴に、基板裏から3×8mmボルトを通し、基板表からナット、スペーサーの順に固定します。
次にUSB基板をCN4に取り付けます。
このとき10本のピンが全てUSB基板のコネクタに納まっていることをよく確認してください(ずれていると、USB基板を固定できません。またUSB通信ができません)。
最後に、USB基板の上から3×5mmボルトを通して、USB基板とスペーサーを固定します

部品名
3×8mmボルト
ナット
スペーサー
USB基板
3×5mmボルト




●13−14. PIC16F88の実装

IC270の18pinICソケットに、PIC16F88を取り付けます。
図をよく見て、向きを間違えないように取り付けてください。
ICをICソケットに取り付けるときの注意については、2−13.RAMの実装の項を参照してください。

部品番号 部品名
IC270 PIC16F88(232C送受信)




●13−15. TK80モニタROMの実装

MYCPU80はTK80モニタROMを実装しなくても、トグルスイッチからプログラムをRAMに書き込むことで、プログラムを実行することができます。
また簡単なブートローダープログラムを先にRAMに書いておくことで、TK80モニタプログラムをUSB経由でRAMにロードして実行することもできます。
ですからMYCPU80にとっては、TK80モニタROMは実装しなければならないものではありませんが、モニタROMを実装することで、MYCPU80の応用範囲がうんと広がることは間違いありません。

TK80モニタROMを実装する場合には、IC260の28pinソケットに取り付けます。
図をよく見て、向きを間違えないように取り付けてください。
ICをICソケットに取り付けるときの注意については、2−13.RAMの実装の項を参照してください。

部品番号 部品名
IC260 TK80モニタROM(27C256)




●13−16.ジャンパーピンの設定とディップスイッチの設定

1) ROM/RAMの選択
 ROMとRAMを両方とも実装してアドレス0000〜7FFFをROMに、8000〜FFFFをRAMに割り当てるには、SP1に図のように、ジャンパーピンを2個取り付けます。



RAMのみを選択するには、ジャンパーピンを2個とも外します。
 この場合RAMは0000〜7FFFと8000〜FFFFのどちらのアドレスでもアクセスされます(0000〜7FFFと8000〜FFFFがイメージになります)。ROMは実装されていても選択されません。

2) TK80回路の7セグメント表示
 TK80モニタプログラムROMを実装して、TK80の機能を有効にするためには、ディップスイッチDS3の設定とショートピンSP2の設定が必要です。
 SP2は図のようにジャンパーピンを2個取り付けます。DS3は全部OFFにします。
 このように設定することで、7セグメントLEDにDMA表示が行われるようになります。



●13−17.スピーカーの取り付け

TK80の応用プログラムの中にはスピーカーから音を出すものもあります。
といってもいまどきのパソコンのようなオーディオ機能とは比べ物にはなりません。
パソコンに内臓している、警告音用のビープ程度のものです。
それでもプログラムの作り方によっては、十分メロディとして認識できる程度の出力を得ることも可能です。

MYCPU80を使ううえでは、スピーカーは必須のものではありません。
しかし、もしスピーカー出力も使ってみたい、という場合には、スピーカーは図の要領でMYCPU80基板に取り付けます。



スピーカーを取り付けるには、まずビニール被覆線の両端の皮むきをして、それをスピーカーにハンダ付けしたうえで、反対側をMYCPU80基板に取り付けてハンダ付けをします。
ビニール被覆線の皮むきについては下の図を参考にしてください。



[図の説明]
被覆線を曲げて、背の部分に軽く切り目を入れます。
するとビニールの被覆が「曲げ」のためにひっぱられて切り目に自然に口が開いて、切り目が広がる感じになります。
この状態で少しずつ刃を深く入れながら切っていくと、芯線が見えてくるので、そこで切るのを止めます。
ビニール被覆線を少し回して、まだ切り目を入れていない部分に、同じようにして切り目を入れていきます。
それを繰り返して、被覆線の周り360度の全部に、芯線が見えるまで切り目を入れます。

あとは、被覆線の先端を指でつまんで引き抜くと、被覆の先が抜けるので、芯線を傷つけることなく、きれいに皮むきができます。



被覆をむいた線の、スピーカーにハンダ付けする側は、先にハンダをしっかりとつけておきます(これを「ハンダあげ」といいます)。
本当はMYCPU80に取り付ける側も「ハンダあげ」をしておくとよいのですが、基板の取付穴径がやや小さいので、余りハンダがのってしまうと、穴に通すことができません。
基板側はハンダあげはしないで、穴に通してから、しっかりとハンダ付けをした方がよいでしょう。
なお、被覆線をハンダ付けする場合には、ヒゲが出ていたりして、回路のほかの部分や他方の線とショートすることがありますから、そのようなことがないように注意しながら丁寧にハンダ付けをしてください。

●13−18.動作テスト

MYCPU80組立キットに付属しているACアダプタ型+5V電源のDCプラグを、MYCPU80基板の電源ジャック(J1)に接続して、電源本体のACプラグをACコンセントに差してください。

[注記]編集の都合で、動作テストの仕方については、「MYCPU80操作説明書」に記載していますので、そちらを参照してください。

●13−19.うまく動作しないときは

今回の作業でハンダ付けを行った個所のどこかに、ハンダ付けの不良、シヨート、ハンダの付け忘れ、あるいは部品の取付けミス(部品違い、逆差し)などがあると考えられます。
もう一度よく確認をしてみてください。
それでも解決しなかった場合は、どのような異常なのかをメールにて当社にご連絡ください。
メールを見させていただいた上で、さらにチェックしていただきたいポイントなどを、ご返事いたします。

●13−20.実装されていない部品について

以上[1]〜[13]までの組立作業で全ての部品の実装が完了します。
プリント基板図作成後の検証によって、使われなくなった部品があります。
抵抗のR9−2とR60−2です。
この2つには部品を実装しません。そのままにしておいてください。
なお、作図の都合などで、欠番になった部品番号があります。
逆に枝番をつけて追加した部品番号もあります。
部品番号が飛んでいるものがあっても、それは説明書のミスではありません。
次ページ以降(*注)に部品番号順の部品リストを掲載していますので、参考にしてください。

☆☆☆以上が組立説明書からのコピーです☆☆☆

*注 次回に掲載いたします。

●組立作業をした部分の回路図です

今回の[13]TK80回路の組立作業に関系する部分の回路図です。
リンクをクリックしてご覧ください。

MYCPU80回路図bQ9
MYCPU80回路図bR0
MYCPU80回路図bR1
MYCPU80回路図bR2

それぞれの回路図で、濃い青色で着色した部分が今回実装したところです。

回路図の着色について
[第308回]の[注記2]をお読みください。

●シルク図にも色をつけました

組付けが済んだ部分が一目でわかるように、シルク図にも着色しました。
今回の作業部分は濃い青色で着色しています。
前回までの作業部分は灰色にしてあります。

シルク図をクリックすると、拡大画像を見られます。
拡大画像はサイズが大きい(約1.7MB)ので、インターネットの低速接続環境ではダウンロードに時間がかかります。ご注意ください。


●過去記事へのリンク

今回組立を完了した、[13]TK80回路について説明をしている過去記事へのリンクをつけるようにしました。
回路図をご覧いただいて、「なんでこんな回路になっているんだ?」と思われたときなどには、ぜひご再読を。

08/12/1  [第120回]●「TK80」の回路です●まずは7segLEDの説明から●TTLロジックではLEDドライブには74LS47を使います●7segLEDの表示を8ビットデータでおこなう
08/12/3  [第121回]●7segLED表示回路はダイナミックドライブです●7seg表示回路はDMAを利用します
08/12/5  [第122回]●7segLED表示回路を手直ししました●74HC373と74HC374、見かけは同じ、ですが中身は大きく違います●74HC373のデータシート(部分)です●74HC374のデータシート(部分)です●74HC373の場合のタイミングチャートです●74HC374の場合のタイミングチャートです●そこで、今回の回路図になりました●74LS145のデータシート(部分)です
08/12/8  [第123回]●キーマトリクス回路の説明です●74HC138のデータシート(部分)です
08/12/10 [第124回]●7segLED表示回路の更なる改良です●改良後の7segLED表示回路です●74HC191のデータシート(部分)です
08/12/13 [第125回]●TK80の資料をいただいてしまいました!●TK80の7segLED表示回路●「つくるCPU」のLED表示回路の説明です
08/12/15 [第126回]●RC発振回路の動作の説明です●インバータの入力が+2.5Vを越えると、とんでもないことがおきてしまいます!●コンデンサが2階に?●放電し終わって、C1の電圧が0Vになったら、そこで止まる?●インバータの入力が+2.5V以下になると、ふたたび、とんでもないことが…●今度は、コンデンサが地下に?
08/12/17 [第127回]●RC発振回路の動作の説明(その2)です●CMOSゲートの入力端子に電気は流れないはずだった、のですが…●クランプダイオード●それなら、安心だ…●74HCシリーズの「絶対最大定格」●でも、参考までに…。なにごとも実験です
08/12/20 [第129回]●追加した回路部分です。さてこれは何でしょう?●そこのところの、回路図です●シリアル変換にはPICを使います●余談ですが…
08/12/22 [第130回]●メモリ(ROMとRAM)と入力スイッチの回路図です●ROMのアドレスとRAMのアドレス●プログラム&データ入力スイッチ●せっかくなので、RAMはバックアップしておきたい…●RAMのバックアップはCEの禁止が必要●プロテクトスイッチの代わりに、トランジスタを使います
09/1/9   [第138回]●メモリ回路について●RAMとROMのアドレス選択●アドレス、データ入力スイッチの件●アドレス、データ入力スイッチとメモリ(RAM)を実装したところの写真(スキャナ利用)です●RAMセレクト用のショートピンです●追加変更後の回路図です●トランジスタとダイオードが直列に…
09/2/28  [第173回]●ついに、完成してしまいましたよー!●ああ堂々の、DMA、7segLEDのダイナミックドライブ表示ですよ!●実行中のプログラムです●プログラムの実行時間を計算してみましょう
09/5/29  [第235回]●「TK80」が動きました!●キー入力とLED表示の様子です
09/5/31  [第236回]●「TK80モニタプログラム」の移植作業●「つくるCPU版」TK80モニタプログラムのリストです
09/6/1   [第237回]●ブートプログラムを変更しました●かくして新しいブートプログラムが「ブート」されました
09/6/2   [第238回]●あれ?ブートプログラムが違ってる?●説明のために、もう一度ブートプログラムのリストです
09/6/3   [第239回]●朝になって読み直してみましたら、また…!●TK80のRETキー
09/6/4   [第240回]●話の順序として、まずはTK80のKEYレイアウトです●「つくるCPU」のKEYの写真です●「TK80」の回路図です
09/6/5   [第241回]●HTML便利なタグを教えていただきました●最新版「TK80モニタプログラムリスト」です●ステップ動作のためのサンプルプログラムです●[LOAD DATA]キー●[RUN]キー●ステップ動作(RETキーの働き)●割込みプログラム
09/6/12  [第248回]●TK80のステップ動作●ステップ動作のための割込み回路にもフリップフロップが使われています●ステップ動作の割り込みのタイミングです
09/6/13  [第249回]●TK80のステップ動作(モニタプログラム)の説明です●割込み処理(RST7)プログラムです
09/6/15  [第250回]●TK80のステップ動作(モニタプログラム)の説明(続き)です
09/6/16  [第251回]●TK80のモニタプログラム(スタートルーチン)の説明です●TK80のキーコード表●数字入力処理●命令キーの入力処理●RETキーの動作の説明です
09/6/17  [第252回]●RETキーがおかしい?
09/6/18  [第253回]●MOV H,Mが誤動作している?●MOV r,Mのタイミングチャート●なぜRETはダメで、RUNはよかったのか?●たまたまRETルーチンの上位アドレスが01だったから●ところで、MOV H,Mはどうするの?
09/6/19  [第254回]●前回の説明に追記しました●試作基板も変更しました
09/6/21  [第255回]●ステップ回路の回路図が間違っていました●「最終版」TK80のステップ動作を追加したINT回路図です

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