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最近見た映画の感想

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2004年6月 ハリーポッター3 スカラ座 13歳になったハリーを待ちうけるのは、かつてない危機と驚愕の事実。謎の脱獄囚がハリーを狙い、不吉な死の予言が告げられる。ついに明かされる両親の死の真相。相変わらずのハリー・ポッターのファンタジーの世界。今回は時間をさかのぼる、というSFのテクニックまでも駆使する。ポッターの世界は変わらないのに、役者は成長する。子役が大きくなると次は早くしないと大変。
クリムゾンリバー2 アルパークシネマ フランス北東部、由緒ある修道院で、キリストの像を掲げた壁から血が流れ出す怪奇な事件が起る。キリストを自称する正体不明の男。「黙示録の天使たち」の巨大な陰謀。外の世界は中世のヨーロッパを思わせる。ビルの中だけは近代の社会。会社、警察署、病院。内と外とのギャップを感じさせる。それが事件をより怪奇にさせる要因。
21グラム 松竹名画座 交通事故で心臓移植を受けた男性が、元の心臓の持ち主に引かれる。まるで心臓に魂が宿っているように。事故で人生が大きく変わってしまう。県警の事故防止のビデオのようである。「人が死んだら、21グラム軽くなる。それが魂の重さであることを暗示させる。」
永遠のマリア・カラス 映画サークル304回例会 02年、伊、仏、英映画。15才でプロデビューを果たし、瞬く間にオペラ界の頂点に登りつめた天才歌手、マリア・カラス。彼女は神に祝福されたソプラノの歌声と、オペラに革命をもたらしたといわれる豊かな表現力で世界を魅了する。本作はフィクションの形を借りて、カラスの実像に迫った情熱の感動ドラマになっている。
2004年5月 レディ・キラーズ スカラ座 カジノの金庫に入る泥棒の物語。普通の民家の地下室からトンネルを掘る。「金庫の扉は頑丈だが、壁は脆い。」という発想。今回は喜劇である。盗みは成功するが、これを民家のおばあさんに見られてしまうところから、悲劇が始まる。笑いの種類はブラック・ユーモア。吉本を代表するような明るい笑いは、日本の方が面白い。
トロイ ワーナーマイカル トロイは神話にもなり、良く知っている話。脚本では新しい物語を作ることが出来る。英雄を演じるブラッド・ピット。アキレスは例のアキレス腱で知られる。この逸話、最後に何気なく、申し訳なさそうに挿入されている。それと例のトロイの木馬。もう少し立派にして欲しかった。あの木馬じゃあ、みすぼらしくて、誰も騙されない気がする。最初からの戦闘シーン。長い映画も飽きることなく引きつけられる良さがあった。
ビッグ・フィッシュ ワーナーマイカル 釣師のほら話。昔から釣りをする人の話は自慢話となる。30cmの魚が40cmになったりするのは当たり前。一説によると、「水の中の魚は大きく見えるから」という話がある。ここでは、親父が息子に語る嘘のような話。平凡な現実より、多少は誇張していても、楽しい話は人生を豊かにしてくれる、という事を語っている。
コールドマウンテン 宝塚会館 南北戦争時代の純愛もの。通称、コールドマウンテンと呼ばれる故郷から戦争に出掛ける。生きる望みは恋人と故郷の景色。その恋人は不思議な体験をする。仰向けに井戸を覗くと未来が見えると云う。そこで見えたものは、雪の中に倒れる恋人の姿。はたして2人は再会できるか?西部劇を見ている雰囲気がある。
25時 サロンシネマ 麻薬ディーラーのモンティ。密告されて逮捕される。収監まで25時間。その間をどう過ごすか。親友の2人と恋人のナチュラル。いつものクラブで時間を過ごす。刑務所に入ることが、「もう終わりだ」というセリフ道理の設定である。不思議な時間。誰でもが経験することのない体験を、こんな風に表現する。
グッバイレーニン サロンシネマ 1989年の東ベルリン。息子のアレックスが改革のデモに参加する。それを見た愛国主義の母はショックで昏睡状態になる。その後、ベルリンの壁が崩壊する。8ヶ月後目覚めた母のため、「ショックを与えてはいけない」という医師の言葉を守り奮闘する。世の中がまだ変わってないふりをする。ビデオを自作してニュースを作る。そのうちに回復をした母が窓の景色を見て驚く。その時のウソが面白い。「西から難民が東ドイツに流れている」。素晴らしいウソである。私自身、昨年に亡くした母親にダブらせてしまう。親子の愛は無償の愛、をつくづく感じる。
2004年4月 オーシャンオブファイヤー 広島ルーブル 千年の歴史を誇るレースという。アラビア馬に挑戦するアメリカの馬とインディアンの末裔。レースの途中で部族の戦いとか誘拐に巻き込まれる。人間のレースは結局は人同士の騙し合い。それに比較して、砂漠の凄さを感じる映像。その画を見ているだけで、人は自然にはかなわない、と思ってしまう。そんな砂漠のレースである。
シャンヤンの酒家 サロンシネマ 中国・重慶の市街、「鴨の首」を屋台で売っている。シャンヤンという。母親は亡くなり、父は女を作って家を出て、彼女一人、働きながら弟を育てる。「揚げられる物は何でも売った」というセリフがその生活を説明する。いかんせん、主人公が若すぎる。やたらと煙草を吸わせているが、似合ってない。夜の街の、生活に疲れた女のタバコとは思えない。それでも、どこの国でも屋台には哀愁が漂う。いい夜の街を演出している。
2004年3月 ペイチェック ワーナーマイカル 近未来、記憶を消すことを仕事にしている人がいる。ある依頼をされて、実行に移す。成功すると、報酬のかわりに、その記憶を消す。現在、個人の成功報酬が高額になっている。それが将来は、もっと進むであろう、という考え方で、このような発想が生まれている。但し、ここでの主人公は、タイムマシンまでも発明するようなエンジニア。そのような人物が記憶を消すような取引をするとは考えにくいところがある。発想は面白い。未来がどうなるか?誰にでも興味のあるテーマではある。
マスターアンドコマンダー 宝塚会館 19世紀の英仏軍艦の戦い。ラッセル・クロウの熱演。「ガラパゴス島は未知の惑星のようなもの」という、生物の進化の見える島を間にいれている。昔は、それだけ帆船の戦いに時間がかかった。ホーン岬を超えるシーンも嵐のような雰囲気が良く分かる。つい最近、ここをカヌーで越えた、元大学の教授がいる。そんな冒険をする人でも、「もう1回行けと言われても、行きたくない、と答えます」と言っている。そんな岬も登場する。この軍艦に少年の士官候補生が沢山乗っている。話題が盛沢山有りすぎるかもしれない。
ロードオブザリング スカラ座 やっと完結、3部作というところ。王の帰還。長編であっても、戦いの場面から始まるから、その長さは感じない。騎馬の対抗に象が出てくる。スターウォーズの戦闘シーンに似ている。CGを駆使しているが、かなりの迫力、臨場感がある。エピローグが長すぎるが、やっと終わるんだ、という気持ちが現れている。
2004年2月 シービスケット ワーナーマイカル わくわくさせてくれるドラマです。70年前にあった実話。誰にも相手にされなかった馬が、ある時からレースを勝つようになる。体の小さい、勝気だけの馬が活躍をする。庶民は現金なもの。それからヒーローとなっていく。強いものに向かっていく、雑草から生まれたような、そんな馬はヒーローの条件にぴったり。今人気の「はるうらら」のように、一度も勝てない馬でも人気になる。夢をたくせるもの、それが庶民の夢になるのでしょう。
ラスト・サムライ スカラ座 1870年代、日本政府軍に戦術を教えるために来日した南北戦争の英雄(トム・クルーズ)が日本の武士サムライに会ってから武士道に影響されていく。明治になってからの直ぐのころ、まだ江戸時代の生活を残す時代を背景としている。監督、脚本が日本人ではないのに、良く日本文化を調べてある。日本映画である、と勘違いしそうである、そんな出来映えである。主人公より脇役が目立つ。サムライ役の渡辺謙が助演男優賞にノミネートされたのも納得してしまう。
ラブアクチュアリー アルパークシネマ クリスマス前のロンドンを舞台に様々な19人の愛のドラマを展開させる。ヒューグラントの英国首相から、子供の恋、中年夫婦の心のゆれ、友達の花嫁への片思い、はてはポルノ共演者の恋にまで、色々な愛のカタチ。「空港の到着ロビーには愛が溢れている。」というナレーションはいいキャッチコピーである。日本人なら別れを連想させる出発ロビー。それを到着するところに持ってきた発想がやわらかい。迎えにきた知人を見つけたときの顔は笑顔がある。
リクルート 松竹名画座 CIAの就職活動。本当に有るような無いような、ビックリする話。CIAの職員から勧誘を受けたらみなさんは信用するだろうか。でも突き詰めれば、CIAだって公務員。ドラマはCIAの採用試験を受けにきた人達で展開される。一人の教官のセリフ、「誰も信用するな。自分自身のみの心に従え。」どこまでが試験か、どこからが本当のことか。最後までだまされている自分に気づくかもしれない。
ニューオーリンズトライアル ワーナーマイカル ニューオーリンズの証券会社で銃の乱射事件。犯人は11人を射殺、その後、自殺。犠牲者の未亡人が銃の大手メーカーを訴えた。ここから陪審員のドラマが始まる。日本ではメーカーを訴えることを考える人は少ないだろう。直接の犯人ではないのだから。ジーン・ハックマン、ダスティン・ホフマン。裁判をめぐる戦いがいかにして陪審員を巻き込むか。日本にはないこの陪審員制度を悪用するところが妙にリアルである。
2004年1月 半落ち ルーブル 元刑事が妻を殺害した。事件はここから始まる。アルツハイマー病という病気を一つのテーマにして、もうひとつ骨髄移植という治療技術をもぐりこませる。最初の取調べは刑事。それから検事にバトンタッチ。最近に「ざこ検」という検事が主人公の漫画を読んだ。読んでいて良かった。今回の映画の心理戦がよく分かる。それだけ犯人より、周りの人達の嘉藤に目が行くドラマである。
タイムライン 宝塚会館 タイムマシンもの。この仕掛けは、物質転送機がタイムマシンになってしまった、というもの。どちらも簡単ではないはず。転送される先は14世紀。イギリスとフランスの戦いの中に飛んでいく。古代発掘のメンバーが選ばれるところがこの度のみそ。過去のことを調べているとその時代に行きたくなる。過去の出来事が現在に繋がる。そんな面白さが見つかる。
ミスティック・リバー ワーナーマイカル 子供時代の忌まわしい出来事。3人の少年が25年後、同じ町で事件に巻き込まれる。殺された少女の父親、そして警官、そしてもう一人は?幼馴染のかつての3人の思い出。それは甘いものあり、悲しいものあり。その時の悪戯、生コンに名前を書くような落書きが、25年後にもそこにある町。そんな変化のない町に3人ともに今だに居ることの方が日本では信じられないかもしれない。