2001年9月11日発生「大規模同時多発テロ事件」に関する新聞記事
アフガン空爆

事件以前の動向WTC崩壊から武力報復までカブール陥落からトラボラ制圧まで戦場はアフガンから世界へ
(直前に開催されていた、ダーバンでの国際会議の動静の情報を含みます)


この記事特集は、「アイヌは同化していなくなった」という発言に関する特集ページのオマケです。
(発生時期が、アメリカなどが横暴に振舞っていた南アフリカでの国際会議の閉幕時期などと、)
(見事にリンクしていたのと、帰属意識に関わる問題でもあるので、特集組んでみました。)

この発言に関する新聞記事特集
この発言に対するアイヌ・ウィルタからの抗議文・要望書西日本タケヲとムネヲをケトばす会
発言に関する和人の立場からの抗議文・要望書国連の会議で発表された声明文
oripakEsamanからの呼びかけダーバン2001(国連主催の人種差別に反対する世界会議)
武者小路さんの抗議文(ダーバンに政府代表の一人として参加する人)


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[朝日新聞10月8日]
米、アフガン攻撃を開始 タリバーン防空施設空爆か

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テレビ演説するブッシュ米大統領=AP
ブッシュ米大統領は7日、テレビ演説で「タリバーン政権は代償を払うことになった」と述べ、
米英両軍によるアフガニスタンへの攻撃開始を宣言した。攻撃開始は現地時間7日午後9時
(日本時間8日午前1時半)ごろ。カブールやカンダハルのタリバーン政権の軍事拠点やテロ組織
アルカイダ施設などを空爆した。米国を狙った9月11日の同時多発テロ以降、イスラム過激派
指導者オサマ・ビンラディン氏の引き渡しをタリバーンに求めてきたブッシュ政権は、テロ組織
壊滅を目指す「新たな戦争」の一環として、軍事行動に踏み切った。

5500人以上の死者・行方不明者を出した史上最悪のテロ事件は、新たな局面を迎えた。

米CNN放送によると第1陣の攻撃は巡航ミサイルによるもので、タリバーンの防空施設の無力化
と、オサマ・ビンラディン氏の訓練拠点破壊をねらったという。
ロイター通信によると、アフガニスタンの首都カブール中心部で7日夜(日本時間8日未明)、
4回の爆発音が聞こえ、煙が上がっているのが目撃された。米国防総省は米軍の軍事行動が開始
されたかどうかについて確認も否定もしていないとしている。
三つの大きなせん光が7日夜、カブールから40キロ北方の上空で見られたと目撃者は語った。
ロイター通信が伝えた。また、ロイターのカメラマンは、カブール近郊のバグラム空軍基地方面の
上空で、青いせん光を見たと話した。カブール中心部近くで4回の大きな爆発音が聞こえた。
カブール住民は、電気供給が停止したとAFP通信に語った。
今回の攻撃について、ブッシュ政権は「アフガニスタン国民を標的とするものではない」と強調
している。だが、イスラム過激派の反発は必至で、米国内では報復テロに対して警戒を強めている。

米軍は今回のテロ発生以降、空母機動部隊をペルシャ湾、インド洋周辺に配備。
300機以上の戦闘機や爆撃機も湾岸地域に展開。周辺国に領空通過や基地使用などを要請して
攻撃を準備していた。
ブッシュ大統領は最大5万人規模の予備役を招集、NATO(北大西洋条約機構)加盟国をはじめ
とする各国から支持・協力を取り付けると同時に、タリバーン政権にビンラディン氏の引き渡し
などを要求。パキスタンをはじめ隣国にも外交圧力を強めていた。パキスタンは、米国の武力
攻撃を回避するため、ビンラディン氏を引き渡すようタリバーンの最高幹部らと接触。
タリバーンは米国にビンラディン氏関与の証拠を求めるなどとして、身柄引き渡しを拒否していた。
ブッシュ大統領は9月20日、議会の上下両院合同会議で演説し、タリバーン政権を「殺人者」と非難。
あくまでビンラディン氏とその組織「アルカイダ」の全幹部を引き渡すよう要求する一方、
テロ組織の壊滅へ米国の総力を注ぐ決意を宣言していた。

事件は9月11日、米旅客機4機がハイジャックされ、うち3機はニューヨークの世界貿易
センタービルとワシントン近郊の国防総省に相次いで突入し、1機が墜落。
米国の中枢を標的にしたみぞうのテロとなり、死者、行方不明者は5500人以上にのぼっている。(06:17)
http://www.asahi.com/international/update/1007/022.html


[朝日新聞10月8日]
パキスタンで早くも反米デモ 数百人規模

米軍などのアフガニスタン攻撃が始まったことで、パキスタン国内では、イスラム教徒の間で反米
感情が一層高まりつつある。ラワルピンディなどの都市では、7日深夜から8日未明にかけて数百人
規模の反米デモが発生。「オサマ・ビンラディンを守ろう」などと気勢を上げる若者もいた。
過去、タリバーン政権を支えてきたパキスタンは、5日にブレア英首相と会談したムシャラフ
大統領が、タリバーン転覆後の政権樹立に協力する方針を表明。従来の政策の大転換に踏み切った
ばかりだが、政府内や軍部の中にも、抵抗は根強い。
軍事行動には、南部のアラビア海沿岸のパスニ空軍基地などが使われた模様だ。軍関係者によると、
パスニ基地では5機のヘリコプターと後方支援の航空機が、7日午後7時ごろに到着。
すぐさま管制室に米軍の情報将校が陣取り、パキスタン兵を全員閉め出し、指令をくだしたという。
国内基地の米軍の利用を最小限に抑えなければ、反米感情を刺激しかねない。
国内でイスラム過激派によるテロも予想されるほか、米軍の攻撃が拡大し、長引けば、内政不安に
発展する可能性もある。

パキスタン外務省のカーン報道官は7日夜、
「タリバーン政権が国際社会の要求にこたえるように説得に努めてきたが、それがかなわず、
 攻撃が始まったことは残念でならない」との声明を発表した。(06:19)
http://www.asahi.com/international/update/1008/011.html


[朝日新聞10月8日]
原潜も参加、英首相「タリバーン打倒も目標」

ブレア英首相は7日夕、ロンドンの官邸で演説し、アフガニスタンに対する攻撃に英軍が参加
した事実を確認した。オサマ・ビンラディン氏が率いる「アルカイダ」壊滅のみならず、
アフガンのタリバーン政権打倒も目標、と明言。「理性と決意を持って戦い抜く」と語った。
首相によると、英原潜が7日の攻撃に加わった。米ブッシュ政権が3日に申し入れた要請に応じた、
としている。米側はこのほか、インド洋にある英領ディエゴガルシアの基地使用、偵察機や戦闘機
の提供を求めた。首相は「航空戦力も数日内に準備が整う」と述べた。
首相は、米国での連続テロ事件が「アルカイダによって実行された事実を疑う余地はない」と主張。
また「タリバーンは正義でなく、テロリストの側についた」と語り、攻撃を正当化した。
「アルカイダは欧州にも脅威を与えている」と指摘。ニューヨークで多数の英国人が犠牲になった
うえ、タリバーンを巻き込んで麻薬取引にもかかわっているとして、
「軍事行動は英国の防衛だ」と、国民に理解を求めた。(06:29)
http://www.asahi.com/international/update/1008/012.html


[朝日新聞10月8日]
夕食後に爆音、対空砲火乱射 カブール市民恐怖語る

7日夜の米英軍による空爆を受けたアフガニスタンの首都カブールの市民が恐怖体験を語った。
ちょうど夕食を済ませ室内でくつろいでいるときだった。突然、米軍の巡航ミサイルとみられる
さく裂音やジェット機の爆音が間近に聞こえた。
「ズ、ズーン、ドカーン、ドカーン」という腹の底まで響く大音響。
と同時にカブールのあちこちからタリバーンの対空砲火が一斉に火を噴いた。
タリバーンはまるで狂ったように対空砲火を乱射し続けた。夜空に弾丸が光跡となって飛んでいった。
家の片隅からこわごわ夜空を見るのが精いっぱいだった。住宅のガラス窓がびりびり鳴り、
大地がズシーンズシーンと震えた。「怖くて物かげに身を伏せたままだった。
戸外に出ることもできず、ひたすら攻撃が終わるのを待った。
攻撃はざっと30分ぐらいで終わったが、こんな怖いことはなかった」
「夜なので住民の犠牲者がどのくらい出ているのか分からない」と語っていた。
首都カブールには現在も約60万人の市民がいるが、多くは23年も続く戦乱に慣れっこになって
いるとはいえ、カブールの街全体を揺さぶるような米軍と英軍の空爆によるすさまじい破壊力に
震えあがった。(06:36)
http://www.asahi.com/international/update/1008/013.html


[朝日新聞10月8日]
巡航ミサイル50発、6〜7都市攻撃 米国防長官会見

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記者会見で攻撃について説明するラムズフェルド米国防長官=AP
ラムズフェルド国防長官とマイヤーズ統合参謀本部議長は、攻撃開始を宣言したブッシュ大統領
の演説後に記者会見し、攻撃には米艦船などに搭載された巡航ミサイル50発のほか、
艦載攻撃機25機、インド洋ディエゴガルシアの基地から発進したB1、B52の両爆撃機、
米本土から発進した「見えない」爆撃機B2の3種計15機を使用したと発表した。
作戦には英国の艦船も参加したという。米国での報道によると、同日攻撃されたのはカブール、
カンダハルなど6〜7都市。
作戦の当面の目的を、反タリバーンの北部同盟などの地上での戦いを有利に進めることに設定、
タリバーンの防空施設を無力化する重要性を強調し、アルカイダの指揮命令関連拠点も攻撃したと
述べた。同時に、人道支援のため輸送機C17による救援物資投下作戦がすでに開始されたことも
明らかにした。だが、地上軍投入の有無については明らかにしなかった。
米軍は今回のテロ発生以降、空母機動部隊をペルシャ湾、インド洋周辺に配備。
300機以上の戦闘機や爆撃機も湾岸地域に展開。周辺国に領空通過や基地使用などを要請して
攻撃を準備していた。ブッシュ大統領は最大5万人規模の予備役を招集、
NATO(北大西洋条約機構)加盟国をはじめとする各国から支持・協力を取り付けると同時に、
タリバーン政権にビンラディン氏の引き渡しなどを要求。パキスタンをはじめ隣国にも外交圧力
を強めていた。
パキスタンは、米国の武力攻撃を回避するため、ビンラディン氏を引き渡すようタリバーンの
最高幹部らと接触。タリバーンは米国にビンラディン氏関与の証拠を求めるなどとして、
身柄引き渡しを拒否していた。

【対アフガン攻撃の内容】(米軍発表)
○地上の基地から出撃する爆撃機15機(B1、B2、B52の各爆撃機を含む)
○空母から出撃する攻撃機25機
○米英の艦船と潜水艦などから発射するトマホーク巡航ミサイル50発 (06:53)
http://www.asahi.com/international/update/1008/015.html


[朝日新聞10月8日]
「ムスリムの偉業」ビンラディン氏、テレビでテロを称賛

カタールの衛星テレビ局アルジャジーラは7日、米英軍によるアフガニスタンへの攻撃開始直後、
オサマ・ビンラディン氏の映像を放映した。ビンラディン氏は米国での同時多発テロについて
「神はムスリム(イスラム教徒)先兵による米国の破壊を祝福し、彼らを天国へ招く」と述べた。
テロへの直接関与は明言していないが、「ムスリムたち」の犯行だと初めて言及、事件を称賛した。
撮影日時、場所は不明だが、同テレビ局は攻撃後に放映することを確約し、ビデオテープを入手
したとしている。ビデオでは、ビンラディン氏が率いるアルカイダと共闘する過激派組織ジハード
団のリーダー、アイマン・ザワヒリ氏の姿もあった。

ビンラディン氏の主な発言は次の通り。

巨大なビルディングが破壊され、米国は恐怖におののいている。これは神のおぼしめしである。
米国民が味わっている恐怖は、これまでに我々が味わってきたことのコピーでもある。
我々のイスラム国家は80年以上、人間性と尊厳を踏みにじられ、血を流してきた。
神は米国を破壊したムスリムの先兵たちを祝福し、彼らを天国に招く。
パレスチナやムスリムの国々で弱き子供らを守るために立ち上がる彼らだけが、
偉業を成し遂げることができる。
ブッシュ米国大統領に率いられた異教徒たちが、屈服しないイスラムに脅しをかけてきた。
今、我々は信仰のために立ち上がるべきだ。米国はテロに立ち向かうなどと虚偽を言い続けている。
イラクでは百万人もの子供たちが殺されたにもかかわらず、米国はこれを犯罪とは呼ばない。
世界は今、信仰をもつ者と、異教徒に分けられようとしている。
私は神に誓う。パレスチナに平和が訪れない限り米国に平和はない、
ムスリムの地から出ていかない限り米国に平和は訪れない。
(07:23)
http://www.asahi.com/international/update/1008/017.html


[朝日新聞10月8日]報復テロを警戒、全米で態勢強める

米英軍による武力行使を受け、米国内では報復の再テロ攻撃の可能性が高まったとして、
警戒態勢を強めた。各地の空港では州兵を増強、原子力発電所などでも態勢を強化したほか、
米空軍は空中警戒管制機を周回させて情報の収集にあたっている。
世界貿易センタービルへのテロ攻撃を受けたニューヨークでは、
「事件直後を上回る警戒態勢」(市当局者)となった。
マンハッタン島に通じる12の橋とトンネルでは普段以上の厳しいチェックを行い、
米連邦捜査局(FBI)の支局が入るビルは全面封鎖となった。生物・化学兵器を使ったテロに
備え、市内の病院では薬品などの確認を続けている。
首都ワシントンでも、国務省の周辺の車止めを厳重にするなど、警備を強めている。(07:03)
http://www.asahi.com/international/update/1008/016.html


[朝日新聞10月8日]米英軍の主な攻撃対象一覧

 米英軍の主な攻撃対象となった都市と施設は次の通り(AP通信による)。
【カブール】空港周辺地区
【カンダハル】空港のレーダー施設、管制塔、アルカイダメンバーの居住施設、タリバーン本部、
       タリバーン最高指導者オマル師住居(カンダハル郊外)
【ファルマーダ(ジャララバード近郊)】ビンラディン氏の訓練キャンプ (07:26)
http://www.asahi.com/international/update/1008/018.html


[朝日新聞10月8日]
【テロ報復】米、アフガン以外へ武力攻撃も 国連安保理に報告

米国は7日、国連安全保障理事会に対し、今回のアフガニスタン攻撃は、国連憲章が認めている
個別的及び集団的自衛権の行使だと説明するとともに、アフガン以外の国にも武力攻撃をする
可能性があると通告した。米国がテロ支援国とみなす国への警告とみられる。
米国のネグロポンテ国連大使は7日、安保理議長国であるアイルランドのライアン国連大使に
書簡を送り、軍事行動について
「米国はさらなる攻撃から自国を守るため、英軍とともに軍事行動を始めた」と説明した。
さらに「わが国を防衛するうえで、アフガニスタン以外の国、オサマ・ビンラディン氏の
武装組織アルカイダ以外の組織に対する新たな行動が必要になるかもしれない」としている。
だが、攻撃対象となる国や組織は特定されていない。
安保理は8日午後、今回の軍事行動について米英が理解を求めるための非公式協議を開くことを
決めた。
米政府は当面の軍事行動をアフガニスタンに絞ったが、ブッシュ大統領は
「戦いはもっと幅広いものだ」と述べ、テロ支援国と認定するイラクやビンラディン氏の傘下に
あるとされる過激派なども視野に入れていることを明確にしている。
ネグロポンテ大使の書簡は、こうした強い姿勢を国連の場で改めて示したものだ。
8日の改選で安保理の非常任理事国のなかに、イラクと同様にテロ支援国とされるシリアが選出
された。シリアを外す米側の動きが水面下であったと見られる。
米国内でも、「テロ支援国を反テロ連合に入れて、テロと戦えるのか」
(ウィークリー・スタンダード誌のクリストル氏)といった保守派の批判も根強い。(01:21)
http://www.asahi.com/international/update/1008/062.html


[朝日新聞10月8日]
【テロ報復】ビンラディン氏のビデオ発言要旨

オサマ・ビンラディン氏の発言要旨は次の通り。

巨大なビルが破壊され、米国は恐怖におののいている。
米国民が味わっている恐怖は、これまで我々が味わってきたものと同じだ。
我々ムスリム(イスラム教徒)は80年以上、人間性と尊厳を踏みにじられ、血を流してきた。
神は米国を破壊したムスリムの先兵たちを祝福し、彼らを天国に招いた。
今もイラクでは罪のない子供たちが殺されているのに、それを糾弾する声は聞かれない。
イスラエルの戦車がパレスチナで破壊行為を続けているのに、だれもそれを直視しようとしない。
なのに剣が米国に振り下ろされると、偽善者たちは悲しみを表明する。
米国はテロに立ち向かうとうそをつき続けている。
(原爆を投下された)日本をはじめ、世界中で何十万人が殺されても、米国はこれを犯罪とは呼ばない。
(98年に米国大使館連続爆破のあった)ナイロビとダルエスサラームで米国人が殺されると、
アフガニスタンなどに爆弾を落とす。
世界は今、信仰をもつ者と、異教徒に分かれようとしている。すべてのムスリムは信仰を守るため、
立ち上がらなければならない。預言者ムハンマドの地、アラビア半島から悪魔を追放する風が吹いている。
米国民よ、私は神に誓う。パレスチナに平和が訪れない限り、異教徒の軍隊がムハンマドの地から
出ていかない限り、米国に平和は訪れない。
(10/08)
http://miiref00.asahi.com/international/kougeki/K2001100801230.html


[朝日新聞10月8日]
国土安保局長就任式で、米大統領が国民に協力呼びかけ

ブッシュ米大統領は、アフガニスタン空爆から1夜明けた8日、米国土安全保障局を新設する
大統領命令に署名した。大統領は、引き続きホワイトハウスで行われた同局局長の就任式に出席し、
「テロを防止する強力な事前対応策を練り、テロがあったら、効果的に対応する準備をする」と述べ、
米国が軍事力行使に踏みきったことで予想される報復テロへの警戒を強めるよう米国民に呼びかけた。
国土安全保障局は、同時テロ多発事件を受けて設けられた組織で、局長は閣僚級のポスト。
この日、トーマス・リッジ前ペンシルベニア州知事が就任した。
米国が軍事的に反撃した場合に米本土でのさらなるテロが起こる可能性については、米情報機関の
高官が米議会への説明で「100%ある」と述べるなど、現在、米国民が最も心配する問題だ。
爆撃の翌朝に、国土安全保障局を新設する大統領命令に署名し、局長の就任式を行ったのは、
こうした国民の不安に対する配慮からとみられる。
大統領は、この日のあいさつで
「多くの米国民は恐怖感を持っている。国民は、米国も攻撃を免れているわけでないことを知った。
 悪は実際に存在する。罪なき人々を殺す人々の心理は分からない。
 しかし、米国はこの挑戦を受けて立つことができる。彼らは、巨人を眠りから目覚めさせたのだ」と語った。(01:29)
http://www.asahi.com/international/update/1008/064.html


[朝日新聞10月8日]
【テロ報復】カブールで20人以上犠牲と地元報道 タリバーンは否定

米英両軍のアフガニスタンへの空爆で、アフガン・イスラム通信が伝えたところによると、首都
カブールで20人以上が犠牲になった。犠牲者はさらに増える可能性があるという。
また、パキスタン西部のペシャワル駐在のタリバーン政権の総領事がAFP通信に語ったところ
では、カブールと南部のカンダハル、ジャララバードで犠牲者が確認されたという。
人数などについては明らかになっていない。
一方、ロイター通信によると、タリバーンのラジオ局「シャリア」が空爆による死傷者は出ておら
ず、物的な被害もないと報じた。英BBC放送が傍受した。同局は、空爆は軍の士気を高めただけ
であり「よく組織され勇敢なイスラムの軍隊は命の尽きるまで国を守るだろう」と報じたという。(10/08)
http://miiref00.asahi.com/international/kougeki/K2001100800747.html


[朝日新聞10月8日]
【テロ報復】「最後の血の一滴まで戦う」 タリバーン大使

アフガニスタン・タリバーン政権のザイーフ駐パキスタン大使は7日、
「オサマ・ビンラディン氏と(タリバーン最高指導者)オマール師は無事だ」と述べた。
「我々は最後の血の一滴まで戦う」と、聖戦(ジハード)として臨む姿勢を鮮明にした。
アフガン・イスラム通信(AIP)によれば、タリバーン政権はカブールでの8日の緊急閣僚会議
で、徹底抗戦することを決議。ムタキ報道官は、米国が求めるビンラディン氏の身柄引き渡しにつ
いて、「われわれの(引き渡し拒否の)姿勢は変わらない」と述べた。

米英軍の攻撃は首都カブールに3度、ジャララバードに2度あるなど、7日夜から8日未明の約8
時間に3波にわたった。
同通信は、カブール空港周辺で10人、カブール中心部にあるタリバーンのラジオ局
「シャリア放送」の近くで10人が死亡したほか、アフガン西部ヘラートの軍用空港でタリバーン
兵士5人が死亡したと報じた。
ザイーフ大使は8日、
「米軍は住民と軍事目標を区別して攻撃していると言うが、実際は区別されていない」と、
死者に子どもや女性ら民間人が含まれているとした。
カブールからの情報によると、空爆開始から一夜明けた8日朝、数千人の市民が居住地から避難を
始めたという。カンダハルでは郊外の空港にある軍事施設が主要な標的になった。
オマール師はミサイル攻撃の約15分前に執務室から退去。同室は壊れたという。

西部のファラーでは、米英軍側の軍用機1機を撃墜したとしている。
一方、ラムズフェルド米国防長官は1機も撃墜されていないとした。
ジャララバード南方約65キロのトラバラも空爆を受けた。
ここはビンラディン氏が出入りしていた軍事基地だった。(10/09)
http://miiref00.asahi.com/international/kougeki/K2001100802052.html


[朝日新聞10月8日]
【テロ報復】「聖戦」に臨むタリバーン 「最後の血の一滴まで戦う」

ハイテク兵器を駆使する世界最強の米、英軍の攻撃に対し、時代遅れの旧ソ連製兵器に頼る
アフガニスタン・タリバーンの兵士らは全土で総がかりの戦闘態勢を固め始めた。
タリバーン側のザイーフ駐パキスタン大使は7日、米国の攻撃を非難し、
「オサマ・ビンラディン氏とオマール師は無事だ」と述べた。
「我々は最後の血の一滴まで戦う。ビンラディン氏は引き渡さない」とも語り、イスラム教徒へ
の攻撃に対する「聖戦(ジハード)」として臨む抵抗姿勢を鮮明にした。
タリバーンは徹底的にたたきこまれた殉教思想に支えられ、自分の命を大切にする米兵とは
まったく異なる価値観で、ゲリラ戦で立ち向かうとみられる。
米国の圧倒的な戦力にも、宗教的使命にも似た精神で戦うだろう。
米軍側は7日夜の第一波攻撃で首都カブールやタリバーンの本拠地カンダハルなどの軍事目標に
限定的な空爆を加えた。
タリバーンは貧弱な軍事施設しか持たない。米軍の第一波攻撃はタリバーン指導部にまず心理的
打撃を与えるのが目的で、そのため象徴的な攻撃にとどめた模様だ。
だが、今後、限定攻撃が全面攻撃に発展する恐れは十分ある。米軍側の一撃はイスラム世界の
反米感情を高め、タリバーンの敵がい心を高める結果にもなる。
そうなると戦闘はエスカレートの一途をたどりかねない。
米軍は3万人から5万人の間といわれるタリバーンの戦士全員を制圧しない限り、
いつまでも執ような抵抗に遭うばかりだ。
タリバーン側は、平地にある都市では勝ち目がなく、首都に近く補給の容易なパルワン州や
パクティア州、さらにカンダハル近辺の山岳部でゲリラ戦に持ち込もうとするだろう。
タリバーンの多くの幹部、将兵らが山岳地帯に拠点をすでに移したとの情報がある。
米国が行方を追うビンラディン氏もアフガン国内の山岳地帯にこもっている可能性が強い。
だが険しい地形を持つアフガンに対し、侵攻を試みたイラン、英国、ソ連はことごとく
アフガン人の抵抗にあって敗退している。
対テロの新たな戦争行為に踏み切ったブッシュ政権だが、実際の局地戦になれば、ベトナム戦争
で米軍が体験したより、もっと手ごわい天性のアフガン戦士らに悩まされるのは必至だろう。(10/08)
http://miiref00.asahi.com/international/kougeki/K2001100800480.html


[朝日新聞10月8日]
【テロ報復】タリバーン、ウズベク攻撃を宣言 通信社報道

ロシアのイタル・タス通信は、アフガニスタンのタリバーン政権が8日、北部国境を接する中央
アジア・ウズベキスタンに対し攻撃を始めると宣言したと伝えた。
同通信の取材に、タリバーン政権の高官は「我々は新たな聖戦(ジハード)に入った」とし、
ウズベキスタンへの攻撃について「戦闘準備は整った」と語った。
これに対し、ウズベキスタンのカミロフ外相は「(宣戦は)野望を抱く人間の空想によるものだ」
と批判する一方、当局は8日、アフガンとの国境地帯の住民に避難を勧告した。
ウズベク軍を「最高度の戦闘準備態勢に移行させる」と宣言した。
ウズベクには米陸軍の第10山岳師団の第1陣が6日に到着している。(10/08)
http://miiref00.asahi.com/international/kougeki/K2001100801873.html


[朝日新聞10月8日]
【テロ報復】爆撃に震えたカブール、おびえる市民

突然、大音響が響き、市内全体が地の底から揺さぶられるように震え続けた−−。
米英軍による攻撃が始まったアフガニスタン・カブールで市民たちはおびえた。
7日午後9時ごろ、アフガニスタンの首都カブールに、外出禁止令が出された。
数機の爆撃機が飛来したのは、その直後だった。「ドーン」という音が繰り返し響き、ガラス窓が
びりびりと鳴り、夜空に火の玉の軌跡が何本も走った。
国防省の近くで大きな爆発。まもなく停電になり、ラジオ放送が切れた。
市民は家の中や地下室で、攻撃がやむのを待った。
通信社電などによると、ハミッド・ジャリル君(12)の自宅は、砲弾の破片で窓が割れた。
「一晩中、近所の人たちと地下室にいた」と、AP通信に語った。
飛行機に続き、タリバーンの対空砲の連射音が聞こえた。その直後、4、5回の爆発音が聞こえた。
自動小銃で飛行機を狙う兵士もいた。
カブール東部のカルテナウで戦闘態勢をとっていたタリバーンの兵士は、手と足にけがをした。
市内では、爆撃のショックで心臓発作を起こし、死んでしまったという人もいる。
タリバーンの本拠地、カンダハル。アフガン情報筋によると、最初の攻撃で、空港のレーダー施設
や管制塔が破壊された。過激派組織「アルカイダ」の兵士の宿舎がある住宅街も標的になった。
第2波の攻撃は、中心部にあるタリバーン本部を直撃。カンダハル中心部から約15キロ離れた、
最高指導者オマール師の自宅からも、煙が上がったという。
タリバーン政権と戦闘を続けている北部同盟の兵士は、攻撃開始を受けて歓喜にわいた。
カブール北部にいた兵士の一人は
「タリバーンがアメリカの攻撃で壊滅されることを期待する」と語った。
空爆から一夜明けたカブール市内。現地の通信社電などから傷跡の一端が見えてきた。
爆撃の影響で、街のあちこちで土レンガの民家が崩れていた。庭には大きな穴が開いている。
住人によると、砲弾の破片が当たり、庭にいた羊2頭が死んだという。
幼い子供、老いた男女が、郊外へと出るバスやトラックへと急ぐ。みな、疲れ切った表情だ。
一方で、いつもの通り、店を開け、仕事に出かけた人も少なくない。
市中心部のブルーモスク前のバザール街には、野菜や羊肉の露店が出て、モスクには早朝から市民
がお祈りに訪れた。政府機関もタリバーンの厳重警備のもとで、通常業務にあたった。
AP通信によると、カブール市内の四つの病院には、犠牲者が運ばれた形跡はないという。
ある店員はロイター通信に対し、「アメリカに攻撃をやめるよう言ってくれ」と訴えた。
モスクでは、聖職者が、アメリカに対するジハード(聖戦)を呼びかける説教をしていた。
「ジハードの時が来た。我々は国とイスラムのために、自分たちを犠牲にしなければならない」(10/08)
http://miiref00.asahi.com/international/kougeki/K2001100801804.html


[朝日新聞10月8日]
【テロ報復】イラン「容認できない」 米報復攻撃を批判

米国がタリバーンに攻撃を行ったことについて、イラン政府は批判を強めている。
イランの最高指導者ハメネイ師は8日の演説で
「本当の目的はテロの根絶でなく、地域での影響力拡大なのに」と米国を非難した。
ハラジ外相は同日の記者会見で、
「攻撃はテロの根絶につながらず、かえって過激主義を伸長させる。容認できない」と批判した。
また、タリバーン政権崩壊を前提に、
「アフガニスタンの将来は同国民自身が決めることで、他国が押しつけるべきでない」と述べ、
ザヒル・シャー元国王を復帰させる動きをけん制した。(10/08)
http://miiref00.asahi.com/international/kougeki/K2001100801467.html


[朝日新聞10月8日]
【テロ報復】イラクが非難、リビアは支持 アラブの反応様々

米英軍のアフガニスタンへの攻撃に対しアラブ諸国では、イラクが明確に非難し、リビアは支持
を表明した。対米強硬派と目されていた両国の対照的な姿勢が際だったが、ほかの国々からは、
目立った反応はない。基本的には支持しても、軍事作戦へのかかわり方は慎重に考えたい、
という本音の表れであろう。国内にイスラム原理主義勢力を抱える所も多く、イスラム国である
アフガニスタンに対する攻撃への反発が、体制批判にはね返るのを恐れるからだ。

イラクのフセイン大統領は7日、国営テレビで軍事攻撃を「侵略行為」と非難し、
「米国はイスラム教徒に攻撃を加えたというだけでなく、国際法も犯している」とする声明を出した。

リビアの指導者カダフィ大佐は同日、攻撃されたタリバーンを「イスラムでなく無神論者」と
独自の論理で断罪し、米英の行為を正当とした。

これ以外では、湾岸のバーレーンが、攻撃は支持するがイスラム教徒に危害を及ぼしてはならない、
との声明を発表している。
アラブ諸国の大半は米国での同時多発テロに際し、犠牲者への哀悼の意を表明した。
しかし、対テロ作戦に直接加わるかどうかは別問題だ。
「イスラム国家が攻撃されれば聖戦」という呼びかけがあれば、実行に移されない保証はない。
聖戦の矛先は、作戦に協力する国にも向いてくる。
アフガン攻撃への基地提供を求められたサウジアラビアが、対米関係を重視するか、宗教感情を
刺激しないよう配慮するか、をめぐって揺れたのは象徴的だ。
米政府からテロ支援国家に指名されているシリアも慎重だ。
シリアは、イスラエルなどによる占領に対する抵抗闘争を、テロとは区別すべきだと主張してきた。
米国が掲げる対テロ包囲網の対象は何かの定義によって、協力の仕方を考えるという態度だ。
アラブ諸国の多くは同様の見方をしているとみていい。イスラムの宗教感情とともに、
パレスチナ問題への配慮も欠かせない。エジプトのムバラク大統領は8日、スエズ運河架橋の
開通式のため訪れた橋本龍太郎元首相との会談で、
「イスラエルの占領がアラブ民衆の怒りを買っている。
 米国が公平に対処し、問題を解決しない限り、テロ根絶につながらない」と語ったという。(10/08)
http://miiref00.asahi.com/international/kougeki/K2001100802078.html


[朝日新聞10月8日]
【テロ報復】インドネシアでアフガン攻撃に反発の声

米国のアフガニスタン攻撃に対して8日、世界最大のイスラム教徒人口を抱えるインドネシアで
反発の声が広がった。イスラム指導者団体のウラマ評議会は「攻撃は国連憲章違反で、政府は米国
との外交関係を一時凍結すべきだ」との声明を発表した。急進的な小規模団体の中には、米国人の
排斥やアフガニスタン支援のジハード(聖戦)を主張しているところもある。米、英、仏、豪など
の大使館は、在留市民に無用な外出を避けるよう呼びかけている。(10/08)
http://miiref00.asahi.com/international/kougeki/K2001100801413.html


[朝日新聞10月8日]
【テロ報復】自治政府の過剰反応に、学生が暴徒化 パレスチナ騒乱

米英軍のアフガニスタン攻撃で、イスラム世界に反米感情が広がる中、パレスチナ自治区ガザで
8日、攻撃に抗議する学生が警官隊と衝突し、死傷者が出た。民衆の「ビンラディン支持」が
欧米にメディアで広がるのを恐れたパレスチナ警察が銃撃で過剰反応し、学生を暴徒化させて
しまった。住民の反発がさらに広がれば、自治政府の基盤は大きく揺らぎかねない。
この日、反米・ビンラディン支持のデモがあったのは、イスラム過激派ハマスの支持者が多い
イスラム大学の近くの通り。警察は「違法デモ」として退去を求めたが、学生側の投石に、
自治政府は催涙弾で応じた。間もなく、治安部隊が実弾を発射、学生に数人のけが人が出たこと
から衝突がエスカレートした。
8日夕には、イスラム大学に近い自治政府航空管理局のビルが焼き打ちされ、ガザ市北西部の
ビーチ難民キャンプの警察署にも火が放たれた。
自治政府はイスラム大学だけでなく、パレスチナ解放機構(PLO)主流派のファタハの影響力
が強いとされるアズハル大学をも閉鎖した。
この日、自治区のハマス幹部のハサン・ユーセフ師は「イスラエルの後ろ盾となっている米国に
よるアフガン攻撃は、イスラム教徒に対する犯罪行為である」と非難。ガザのデモ隊の中核も
イスラム過激派ハマスの支持者と見られるが、一般住民にも米国への反発は高まっていた。
パレスチナ自治区では9月下旬にアラファト議長とペレス外相が合意した停戦が、3日の
パレスチナ過激派の入植地襲撃で崩壊し、その後、イスラエルは自治区の2カ所に侵攻、占拠。
一触即発の状態は続いている。自治政府は米国の強い要請を受け、5、6の両日でハマスの活動家
ら20人を逮捕した。
さらにパレスチナ警察は対米同時多発テロの際、パレスチナ人が通りで喝さいする映像が世界に
流れ、対応に追われた。今回、同警察はデモの現場から報道陣を締め出し、現場のテレビの
ビデオフィルムを押収するなどの措置をとった。デモ隊への性急な銃撃も、力で押さえ込もうと
した結果と見られる。(01:15)
http://www.asahi.com/international/update/1008/061.html


[朝日新聞10月8日]
日本国内で空爆に抗議する活動相次ぐ

日本各地で8日、空爆に抗議する街頭演説や署名、集会が相次いだ。難民の大量流出が予想される
ことから、緊急援助に取り組む非政府組織(NGO)の動きもあわただしくなった。
東京・上野の水上音楽堂。喜納昌吉さんら約40組の音楽家による集会では、出演者が危機感を訴えた。
客席では1歳4カ月の息子を抱いた大島幹子さん(34)が
「祈るぐらいしかできないけど、日々精いっぱい
生きているお母さんや子どもが犠牲になってしまう」と話した。
渋谷では都内や神奈川県内の高校生約70人が集会を開いた。町田市の高校1年佐藤知弘さん(16)は
「罪のない人々や飢えに苦しむ子どもたちが犠牲になるのは、耐えられない」。
広島市では被爆者団体などが原爆ドーム前で抗議のために座り込んだ。
パキスタンのペシャワルで活動中の「難民を助ける会」(本部・東京)は9日にも、
現地スタッフのトラックで水や5千人分の食糧を国境付近のキャンプに運ぶ。現地では空爆後、
NGOや政府の建物が焼かれたとされる。「無事に運べるか心配」と同会スタッフ。(21:18)
http://www.asahi.com/national/update/1008/010.html


[朝日新聞10月8日]
沖縄の米軍施設などの警備に本土から機動隊を派遣

nat100801.jpg沖縄の米軍基地の警備強化などのため、自衛隊の輸送機に乗り込む機動隊員ら
=8日午後0時10分、航空自衛隊小牧基地で

在日米軍の7割を超える施設が集中する沖縄県に対し警察庁は8日、周辺警備の応援に本土から
機動隊員約420人を派遣した。一部は航空自衛隊の輸送機で沖縄に入った。
今週中に計450人態勢に増強する。ものものしさを増す警備ぶりに、住民からは地元産業への
影響などを懸念する声もあがった。
沖縄県に派遣された機動隊は中部管区警察局の約120人と九州管区警察局の約300人。
中部管区からは週内に、さらに約30人が車両とともに沖縄入りする予定。約160人しかいない
沖縄県警の機動隊の応援が主な目的で、米軍関連施設だけでなく「県民も守る」という。
実際に米軍基地前に立つのは、早くても9日になりそうだ。
このうち、中部管区の機動隊は8日午後、愛知県の航空自衛隊小牧基地を飛び立った輸送機C1
計4機で沖縄に入った。自衛隊機の利用は、警察庁から防衛庁に要請した。
「民間機の手配には時間がかかる。一刻も早く隊を送りたかった」(警察庁幹部)という。
ジュラルミンの盾などの装備品が多いのも大きな理由のひとつだという。
沖縄県警によると、本土からの派遣は91年の湾岸戦争の時で約300人で、自衛隊機は使わな
かった。それを上回る警備増強ぶりだ。
防刃服をつけた警察官が警備する沖縄市の米空軍嘉手納基地の第2ゲート前では、普段着で買い
物袋を提げた米兵の姿が目立った。
この日は「コロンブスデー」の休日で、テロ直後ほどの緊迫感はない。
名護市の海兵隊キャンプ・シュワブから買い物に来たという米兵2人は
「いよいよだとは思ったけど、気持ちも特に変わらないよ」と言った。
嘉手納基地ではテロ事件以降、発着する輸送機の数が激増したが、8日は目立った動きはなかった。
基地の様子が一望できる「安保の見える丘」にはこの日も、本土からの修学旅行生がアジア最大と
言われる広大な基地内に目を凝らしていた。
米海兵隊の基地キャンプ・ハンセンが面積の6割を占める同県金武町。吉田勝広町長は同日朝、
基地の周囲を見回り、「警察の警備は少々過剰反応のような気もする。これでまた観光客が減る
ことにならないか。世界情勢が変化するたびに沖縄が揺さぶられる。基地を持っていって欲しい」
と話した。
また機動隊員が自衛隊機で到着したことについて、沖縄平和運動センターの岸本喬事務局次長は
「テロ対策特措法や自衛隊法改正への地ならしを国内向けにしているとしか思えない」と懸念を示した。(01:31)
http://www.asahi.com/national/update/1008/011.html


[朝日新聞10月 8日]
アフガン系映画監督殺害容疑で逮捕 NY

アフガニスタン系の在米の映画監督を殺害し、遺体をばらばらに切断したとして、ニューヨーク
市内に住む映画プロデューサーが警察に逮捕された。米紙が8日報じた。
殺されたのはジャウィード・ワセル監督(42)。
ソ連軍が侵攻した79年、アフガンを母親とともに脱出。アフガン少年を題材にした自伝的映画
を6年かけて撮影し、今月初めに試写会にまでこぎ着けた。
ところが、収益の分配をめぐってプロデューサー兼出資者のネイサン・パウエル容疑者(38)と
対立。今月3日、容疑者宅で口論中、ビリヤードの突き棒でのどを刺されて死亡したという。
容疑者は4日、ノコギリで首や手足を切断し、頭部は自宅冷蔵庫に、ほかは箱に入れて公園に
捨てようとした疑い。
調べに対し、容疑者は「世界貿易センターへのテロのせいで、アフガン系移民である監督が急に
怖くなった」と供述しているという。(10/08)
http://miiref00.asahi.com/international/kougeki/K2001100801469.html


[朝日新聞10月9日]
炭そ菌、米2人目の感染者 FBI、犯罪の可能性を捜査

米国のアシュクロフト司法長官は8日、フロリダ州で今月2人目の炭そ菌感染者が見つかり、
犯罪によって感染した可能性もあるとみて、連邦捜査局(FBI)が捜査に着手したことを明
らかにした。米軍のアフガニスタンへの空爆を受けて、米国ではテロ再発を心配する声が高まり、
生物兵器にも使われる炭そ菌の感染経路の解明に強い関心が寄せられている。
捜査当局によると、2人目の感染者はフロリダ州マイアミの郊外で、5日に肺炭そで死亡した
1人目の感染者と同じ大衆紙サンの事務所に勤務。鼻腔(びこう)から炭そ菌が検出された。
発病はしておらず、抗生物質の治療を受けている。
また、1人目の感染者が使っていたコンピューターのキーボードからも炭そ菌が検出された。
司法長官は記者会見で、「サン」などの新聞社が入居するビルを閉鎖し、感染経路の捜査を始め
たと表明。「犯罪捜査になる可能性がある」と指摘する一方、
「テロと関係しているかどうか判断できる情報は手元にはない」とも述べ、2人が意図的に感染
させられたか、自然感染かの両面で捜査する考えを示した。
炭そ菌は呼吸器への感染例が珍しく、人から人へはうつらないため、同じ事務所で2人が感染した
ことは「不自然」とされる。感染経路として、郵便物に含まれる、空調設備を通じて施設内に
広がる、などの可能性が指摘される。州保健当局は、閉鎖されたビルに勤務する300人に対し、
感染の有無の検査を受けるよう勧告した。
フロリダ州では同時多発テロの直前まで、航空機を乗っ取ったテロ実行犯たちが滞在。
AP通信によると、1人目の感染者の家から約1.6キロの飛行場から実行犯が航空機を飛ばし、
約64キロの地点の会社で実行犯たちが農薬散布についての情報を集めていたという。(11:25)
http://www.asahi.com/international/update/1009/007.html


[朝日新聞10月9日]
米、単独でアフガン再攻撃 爆撃機など20機出撃

ラムズフェルド米国防長官とマイヤーズ統合参謀本部議長は8日午後(日本時間9日未明)、
米軍がアフガニスタンに対する2日目の空爆を開始したと発表した。前日の空爆には英軍も参加
したが、今回は米軍だけの単独攻撃。計20機の米軍機と巡航ミサイルを駆使し、タリバーンの
命令指揮施設や防空施設、テロ組織の訓練施設などに加え、タリバーンの地上軍にも攻撃を対象
を広げた。
攻撃開始は米東部時間の正午(日本時間9日午前1時)ごろ。B1、B2、B52の爆撃機計10機
と空母艦載機10機が参加し、インド洋沖の米艦からトマホーク型巡航ミサイルが発射された。
CNNなどの報道によると、攻撃地には、首都カブール周辺や拠点都市カンダハル、東部の
ジャララバードや北部のマザリシャリフなども含まれた模様だ。
前日と同様の標的が選ばれたが、同長官は「(タリバーンの)地上軍のいくつかも入っている」と述べた。
さらに、「31の標的破壊」(同本部議長)に成功した前日の空爆では、タリバーンの
「命令指揮施設や指導部が集中している施設などを確実に破壊したとは言えない」と述べ、
こうした標的を8日に再開した空爆で重点的に攻撃したことを示唆した。
また、C17輸送機による「アフガニスタンの人々を救援するため」の食糧・医薬品の投下も継続
しているという。
長官は7日の空爆の効果について、防空施設と飛行場の破壊という点では、「前進した」と評価
したが、数回の限定空爆で制空権を確立することは難しいと強調した。これに関連して、同本部
議長はタリバーン側がスティンガー型対空ミサイルも使用したと見ていると述べた。(10:48)
http://www.asahi.com/international/update/1009/001.html


[朝日新聞10月9日]
米武力行使「決議に沿ったもの」 国連事務総長が声明

アナン国連事務総長は8日、声明を発表し、米英軍による武力行使を、テロに対し
「あらゆる手段を講じる」とした9月12日に採択の安保理事会決議に沿ったものと評価。
この行動が国連憲章が保障する各国の個別または集団的自衛権の行使であると再確認した。
声明はまた、
「アフガン国民はタリバーン政権に責任があるわけではない」として、国際社会に支援を求めた。(10:16)
http://www.asahi.com/international/update/1009/004.html


[朝日新聞10月9日]
カブールの病院爆撃か タリバーン系通信報じる

8日午後8時半(日本時間9日午前1時)ごろ、アフガニスタンに対する米軍の2日目の空爆が
行われ、首都カブールなど主要都市の被害はさらに広がった模様だ。アフガン・イスラム通信
(AIP)は、カブールでは病院が被害に遭い、一般市民に死傷者が出たと報じた。
カブール、カンダハル、ジャララバード、マザリシャリフ、クンドーズの5都市が攻撃を受けた。
前夜に続き、空港や通信施設が主な攻撃目標とされた模様だ。
パキスタンに避難してきたアフガンのビジネスマンが現地に電話連絡を取ったところ、カンダハル
空港は壊滅状況になり、マザリシャリフの空港もかなりが破壊されたという。タリバーンは攻撃に
備えて灯火管制を敷き、住民には屋内にとどまるよう指示していた模様だ。
カブール住民に朝日新聞記者が電話で聞いたところ、攻撃は前夜と同様に約30分にわたって続い
たという。
AIPは、攻撃に遭ったカブールの病院の詳しい被害状況を伝えていないが、400床程度ある
アフガンでは大きな病院だったという。事実とすれば、目標誤認の可能性もある。前夜の攻撃では、
カブールで民間人も含めて25人が死亡したと伝えられている。
一方イラン国営通信は、米英軍の攻撃で、タリバーンの幹部にも死者が出たと報じた。
空軍司令官を兼務するマンスール航空・観光相、ナンガハル第1大隊のウマル・アタイエ司令官が
死亡したと伝えられている。(11:40)
http://www.asahi.com/international/update/1009/009.html


[朝日新聞10月10日]
タリバーン、ビンラディン氏の制限解く 「聖戦」参加へ

アフガニスタンのタリバーン政権スポークスマンは10日、オサマ・ビンラディン氏の行動制限を
解いたことを英国BBC放送のパシュトゥ語放送に明らかにした。これによりビンラディン氏の
米国との聖戦参加が可能になる、としている。
スポークスマンは
「米国からの攻撃が開始され、制限はもはや存在しない。聖戦は世界のイスラム教徒の義務であり、
我々もビンラディン氏もそれを望んでいる。米国は不快な結果に直面するだろう」と述べた。(13:12)
http://www.asahi.com/international/update/1010/013.html


[朝日新聞10月10日]
「乗っ取りテロ続く」、アルカイダが聖戦遂行呼びかけ

int101002.jpgイスラム教徒に聖戦遂行を呼びかけるアルカイダのスポークスマン。
カタールの衛星テレビ「アルジャジーラ」で放映された=AP

オサマ・ビンラディン氏率いる国際テロ組織アルカイダは10日までに、カタールの衛星テレビ
局アルジャジーラを通じ、アフガニスタン空爆への報復として、ハイジャック機を使った米国へ
の攻撃は今後も続くと宣言する声明を発表した。
米国での同時多発テロについても「彼らは良い仕事をした」と評価した。
アルカイダのスポークスマンを名乗るアブガイス氏が声明を発表する様子を収めた映像を同テレビ
局が放映した。収録した日時や場所は不明。
同氏は声明で、米英軍によるアフガンへの攻撃をキリスト教徒による「十字軍のテロ」と非難。
世界中のイスラム教徒に対し、ジハード(聖戦)に立ち上がることは義務だと訴えた。
ハイジャック機突入によるテロを米国の中枢に仕掛けた戦いだと称賛。
「米国は(アフガンへの攻撃によって)終わりなき戦いの扉を開けた。イスラムの地から立ち去り、
イスラエルへの支援とイラクへの制裁を終わらせない限り、戦いは続く」、
「航空機乗っ取りによる攻撃に終わりがないことを知るべきだ」とも語り、
世界各地にある米国の権益のすべてが攻撃対象になると警告した。(10:55)
http://www.asahi.com/international/update/1010/003.html


[朝日新聞10月10日]
カブール空爆、最大規模 タリバーン幹部死亡の報道

米軍は現地時間の10日夜から11日未明にかけ、アフガニスタンの首都カブール近郊や南部の
カンダハルなどに対し、5日連続の空爆を実施した。AP通信によると、カブールへの空爆は、
7日の開始以来最大規模。空港付近やタリバーンの軍事施設を重点的に攻撃した模様だ。
国防総省はすでにアフガニスタン全土で制空権を掌握したと公表しており、再空爆が必要と判断
した防空施設や戦闘車両に焦点を絞っている。今後も数日、同様の空爆を継続し、特殊部隊など
地上軍の本格投入の時機を探る構えだ。
同省によると、米軍は9日の空爆で、5〜8機の爆撃機と8〜10機の空母艦載機を使用、
タリバーンの防空施設や飛行場、テロ組織の訓練施設など6カ所の目標を攻撃した。
また、AFP通信によると、複数の国防総省筋は、地中深くの防空ごうなどの軍事施設を破壊する
能力を持つレーザー誘導弾の「バンカーバスター」GBU28を米軍が使用し始めた、と明らか
にした。この爆弾は湾岸戦争で初めて使われ、99年のユーゴスラビア空爆でも地下に隠された
ユーゴ軍機の破壊などに用いられた。タリバーンやアルカイダの幹部らが潜んでいそうな施設を
標的にしているとみられる。
タリバーンの軍事拠点とされるマザリシャリフ付近を再空爆しており、カブールやヘラートとの
連絡路を断ち、周辺のタリバーン勢力を孤立化させる作戦と見られる。
また、米政府当局者は10日、初日の空爆でタリバーン政権の指導者数人が死亡したようだと
CNNなどに語った。最高指導者オマール師の親類とみられる「2人の成人男性」が含まれているという。
一方、ブッシュ大統領は同日、訪米中の北大西洋条約機構(NATO)のロバートソン事務総長
と会談、反テロ戦への結束を再確認、NATOの空中警戒管制機(AWACS)が米国土の防衛
にあたっていることに謝意を表明した。(13:16)
http://www.asahi.com/international/update/1010/034.html


[朝日新聞10月10日]
平均寿命40歳、幼児死亡率25% アフガン悲惨な現状

国民の7割は栄養失調で平均寿命は40歳、幼児の4人に1人は5歳の誕生日前に死亡−−。
国連開発計画(UNDP)が9日発表したアフガニスタンの社会、経済指標の分析報告で、
内戦と干ばつに苦しむ同国の悲惨な現状が浮き彫りになった。
報告によると、アフガニスタンで衛生設備の整った水を飲めるのは国民のわずか13%。
米側資料では約46歳とみられていた平均寿命について、UNDPが調査した187カ国のうち
下から8番目の結果になった。アフガニスタンより平均寿命の短い国は、深刻なエイズ禍や内戦
に苦しむザンビアやシエラレオネなどのアフリカ諸国だ。幼児死亡率は25.7%で調査191
カ国中、下から4番目。
一方、教育面では、アフガニスタンは女子の就学を禁止している唯一の国で、成人の非識字率が
64%にのぼるという。(10:35)
http://www.asahi.com/international/update/1010/007.html


[朝日新聞10月11日]
米兵、フォークリフト事故で死亡 今回の作戦で初の死者

カタール国内でアフガニスタンに対する軍事作戦に従事していた米空軍の曹長が10日、フォーク
リフトの事故で死亡した。米軍で今回の作戦中に死者が出たのは初めて。兵士の出身地の米メーン
州の空軍州兵本部が11日明らかにした。(01:08)
http://www.asahi.com/international/update/1011/025.html


[朝日新聞10月11日]
村民100人以上が空爆で死亡と主張 タリバーン側

アフガン・イスラム通信(AIP)などによれば、10日夜から11日未明にかけての
アフガニスタン東部ジャララバードとその近郊への米軍の空爆で、クラム村が壊滅状態となり、
村民100人以上が死亡した。
同村はジャララバードの30キロ西にあり、テロリストの訓練キャンプがあるとみる米軍が繰り
返し爆撃している。
タリバーン治安当局は、村の泥造りの民家約60戸が破壊されたのを確認し、現場では11日夜
までに女性や子どもら約50の遺体を発見したという。
また、タリバーン政権のザイーフ駐パキスタン大使によれば、ジャララバード市内でモスクや
住宅4戸が爆撃されて15人の女性や子供らが死亡、多数が負傷した。
カブールからの報道では、10日夜、米軍のミサイルがカブール東部の民家を直撃し、屋内にいた
一家の女性や子ども10人が死んだ。
カンダハルは大規模攻撃を受け、10日から11日にかけて30人が死亡したという。
カンダハルの住民らは空爆を恐れてパキスタン国境のチャマン方面に避難しているという。
ザイーフ大使は、
「各地で多くの民間人が空爆の犠牲になっており、これは米国のテロだ」と主張している。(22:49)
http://www.asahi.com/international/update/1011/016.html


[朝日新聞10月11日]
アルカイダと関係する組織のメンバー大量逮捕 エジプト

エジプトの週刊誌「アルムッサワル」の12日号によると、同国の治安当局はオサマ・ビンラ
ディン氏率いる過激派組織アルカイダと関係のある秘密組織のメンバーらを大量逮捕した。
同誌によると、押収した書類から同国内にある米国関連施設への大規模テロを計画していたこと
が分かったという。逮捕者のうち2人は、同時多発テロでハイジャックした航空機を操縦してい
たとされる同国出身のモハメド・アタ容疑者と同じ米国フロリダ州のパイロット養成学校に通って
いたという。(23:19)
http://www.asahi.com/international/update/1011/021.html


[朝日新聞10月11日]
対米闘争へアフガン入り呼びかけ パキスタン過激派

アフガニスタン・タリバーンを支持するパキスタンのイスラム原理主義派「イスラム聖職者協会」
(JUI)は10日夜、米国と戦うためにアフガン入りするよう呼びかける声明を出した。
同協会の最高指導者ラフマン師から、戦いに向けた「最後の指令」が下ったかたちで、神学生を中心
にアフガン加勢の動きが今後さらに強まりそうだ。
ラフマン師名の声明はすべてのパキスタン人に対し、アフガンに向かうよう求めている。
アフガンと国境を接するパキスタン西部チャマンの消息筋によると、神学生100人がすでにアフガン
入りしたことが確認された。ほかに300人が義勇兵志願リストに登録したという。(10/11)
http://miiref00.asahi.com/international/kougeki/K2001101102230.html


[朝日新聞10月12日]
空爆続く 国防長官は民間人の巻き添え否定せず

米軍は現地時間の11日夜から12日未明にかけ、アフガニスタンの首都カブールやカンダハル、
ジャララバードなどに6日目の空爆を実施した。CNNなどの報道を総合すると、タリバーンの兵器
庫やテロ組織の訓練施設などを攻撃している模様だ。
一方、ラムズフェルド国防長官はこれまでの情報を基に、オサマ・ビンラディン氏は
「アフガニスタン内にいると見られる」との見方を示した。
ラムズフェルド国防長官は同日の会見で、アフガニスタン全土の制空権をほぼ握り、標的の比重を
タリバーンの司令部や地上軍、テロ組織の訓練施設に移しつつあると説明。
すでに「離反者が出始めた兆候がある」と述べた。
民間人を狙い撃ちしているというタリバーン側の批判については、
「民間人を標的にしたことはない」と否定。
そのうえで、「残念だが、軍事行動を行えば、意図しない人命の損失はある」と述べ、細心の注意を
払って爆撃をしても民間人の巻き添えが出る恐れはあるとの見方を示した。
CBSテレビは6日目の攻撃で、集束爆弾が使用されたと伝えた。
1個の爆弾のなかに多数の爆弾が含まれている特殊爆弾で、破壊効果が高い。
統合参謀本部のオスマン作戦計画部長によると、前日の空爆では、B1とB52型など爆撃機10機、
空母艦載機12〜15機がタリバーンの訓練施設や装甲車、レーダー、ミサイル施設など7カ所
の目標を攻撃した。潜水艦から3発のトマホーク型巡航ミサイルも発射された。(10/12)
http://miiref00.asahi.com/international/kougeki/K2001101200790.html


[朝日新聞10月12日]
オマール師の息子と義父が死亡 カンダハル空爆で

パキスタンの有力英字紙ニューズが12日報じたところによると、米軍のカンダハル空爆でタリバーン
の最高指導者オマール師の息子(10)と義父の2人が死亡した。この情報はカンダハルからパキスタ
ン国境に避難してきた住民が語ったものだという。
米軍がオマール師の邸宅を攻撃した時、オマール師自身は直前に外出し、無事だった。(10/12)
http://miiref00.asahi.com/international/kougeki/K2001101200913.html


[朝日新聞10月12日]
米の空爆で160人以上が犠牲に タリバーン側主張

タリバーン政権のスポークスマンは12日、米軍の空爆を受けたアフガニスタン東部の村で少なくと
も160人以上の死者が出たと、タリバーン系のアフガン・イスラム通信に語った。
AFP通信が伝えた。
同スポークスマンは「犠牲者は主に女性や子どもだ。これまでに160人の遺体を収容した。
これは誇張ではない。救援隊がもっと多くの遺体を収容中だ」と語った。
タリバーン側は11日にも、オサマ・ビンラディン氏の兵士訓練キャンプが米軍に攻撃された際に
村民200人以上が殺害されたと主張している。(10/12)
http://miiref00.asahi.com/international/kougeki/K2001101201115.html


[朝日新聞10月12日]
寄付12億円突き返す NY市長、サウジ王子にカンカン

テロで崩れた世界貿易センター跡地を訪れたサウジアラビアの王子が11日、「犠牲者のために」と
贈呈した1000万ドル(約12億円)を、ジュリアーニ・ニューヨーク市長が突き返した。
「米国の誤った中東政策がテロを招いた」と批判する声明を王子が出していたことを知り、激怒した。
サウジ王家のアルワリド王子は、テロ1カ月の節目にあたる11日、市長の案内でテロ現場を訪問し、
復旧作業を見学した。「許し難い犯罪だ。誠心誠意ニューヨークの人々とともに立つ」。
そう述べて封筒に入れた小切手を手渡すと、市長はありがたく受け取った。
ところが、直後に王子が報道陣に出した声明には「凶悪な攻撃を招いたのは何か。米国はイスラエル
側に偏した中東政策を見直し、パレスチナ側に歩み寄った公平なスタンスを取るべきだ」と書かれてあった。
声明を読んだ市長は、会見を開いて、
「声明はひどい。罪のない5000、6000もの人々を殺したこの事件を、
ほかのケースで正当化しようというのか」と怒りをぶちまけた。
米誌フォーブスが発表した今年の世界長者番付によると、アルワリド王子は世界6位の富豪。
米企業への巨額の投資で知られる。
同時テロの黒幕とみられるオサマ・ビンラディン氏はサウジ生まれ。サウジ政府は、同じイスラム国
であるアフガニスタンに対する米英軍の攻撃について沈黙し、
ビンラディン氏に対する捜査にも消極的な態度をとっている。(10/12)
http://miiref00.asahi.com/international/kougeki/K2001101200975.html


[朝日新聞10月12日]
パキスタンのイスラム政党、反米デモやゼネスト計画

パキスタンのイスラム政党が12日、各地で反米・反政府の大規模デモを呼びかけている。
人口1200万人の商都カラチではゼネストも予定されており、15日には全国規模のゼネストが計画
されている。米軍の空爆開始後、反米感情が強まっているため、政府はデモの暴徒化を警戒、兵士を
大量動員して警備に当たる。デモやゼネストは、全イスラム政党で構成する「アフガニスタン防衛評議会」が呼びかけた。
イスラム教の金曜礼拝後にデモが行われる見込みだ。政府は10日、治安維持会議を開き、モスク
(寺院)での政治や社会分裂に関する言動を一切禁じることを決めた。
首都イスラマバードではこの数日、官庁街などに土のうが積まれ、銃を持った兵士が見張りに当たって
いるほか、機関銃を据え付けたトラックで兵士がパトロールしている。
タリバーンに近い原理主義派は、米国や米国に協力するムシャラフ政権に対する不満を強めており、
パキスタン西部のクエッタでは8日、ストに従わなかった商店が放火されるなどした。(10/12)
http://miiref00.asahi.com/international/kougeki/K2001101201666.html


[朝日新聞10月12日]
米軍のクラスター爆弾使用に非難高まる パキスタン

アフガニスタンに対する11日の空爆で、「クラスター(集束)爆弾」を米軍が使用したことに
対し、パキスタンでは「非人道的な爆弾の使用は許されない」と政治家、宗教団体、軍事専門家
などが対米非難を一層強め始めた。
米国や旧ソ連の武器体系に詳しいハミド・グル元国防省統合情報部(ISI)長官(60)は、
「クラスター爆弾はベトナム戦争当時より改良され、はるかに威力が大きい。米軍が軍事目標の
みを攻撃対象にするという国連決議を逸脱して民衆の殺りくを始めたことは許されない」と非難する。
グル元長官は「米軍は劣化ウランを使った砲弾を中央アジアに運んだという軍の極秘情報も聞い
ている。米軍はテロリスト撲滅を口実にアフガンを新兵器実験の場にしようとしているのではな
いか」と語る。
パキスタンの野党アワミ民族党のアジマル・カタック総裁(70)は「イスラム諸国はクラスター爆弾の使用を即時停止するよう米国に要求すべきだ」とし、
「残酷な爆弾を用いて罪もないアフガン民衆を殺りくすることはテロと同じだ」と語る。
タリバーンを支持するイスラム原理主義宗教政党のイスラム聖職者協会(JUI)のガフール・ハイデ
リ書記長(58)は、「米国は軍事目標の攻撃のあと、一般民衆を殺し始めた。野蛮なクラスター爆弾
の使用に反対する大キャンペーンを展開する」と語気を強めた。(10/12)
http://miiref00.asahi.com/international/kougeki/K2001101203107.html


[朝日新聞10月14日]
タリバーン、ビンラディン氏の引き渡し再要求を拒否

カブールからの報道によると、アフガニスタン・タリバーン政権のジャマル情報相は13日、
ブッシュ米大統領のオサマ・ビンラディン氏の引き渡し要求に対し、「我々の立場は変わらない」
として拒否した。情報相は「我々のジハード(聖戦)は息絶えるまで続く」などと語った。
ブッシュ大統領は空爆開始後の11日、「タリバーンにもう一度チャンスを与える」などとして
ビンラディン氏やアルカイダ組織幹部の引き渡しを改めて求めていた。(10/14)
http://miiref00.asahi.com/international/kougeki/K2001101301583.html


[朝日新聞10月14日]
米軍、カブール空港近くの住宅街を誤爆 米CNN

米CNNによると、米国防総省は、米海軍の艦載機が13日早朝、カブール空港を空爆中に落と
した精密誘導弾の一つが目標を1マイル(約1.6キロ)それ、一般市民が居住する地域を爆撃
した、と明らかにした。同テレビが伝えた現地からの話では、少なくとも少女1人が死亡し、
さらに死者3人が出たとの情報もある。一方、現地時間の13日夜も、カブールでは激しい空爆
が続いている。(10/14)
http://miiref00.asahi.com/international/kougeki/K2001101301999.html


[朝日新聞10月15日]
米大統領、タリバーンの提案拒否 再度4条件突きつける

ブッシュ米大統領は14日、アフガニスタン・タリバーン政権が空爆停止などを条件にオサマ・
ビンラディン氏を第三国に引き渡す用意があると提案したことに対し、
「交渉や協議の必要はない」と述べ、同氏と幹部の即時引き渡しなど米側の4条件を改めて突き
つけた。一方、米軍の空爆は2週目に入り、首都カブールや南部のカンダハルなどのタリバーン
の拠点に攻撃を加えている。
大統領は「彼(ビンラディン氏)は有罪だ。これは交渉ではない」と述べ、
タリバーン側の提案を拒否。「タリバーンが軍事作戦の中止を望むならば、私が示した条件をの
むべきだ」と迫り、ビンラディン氏の引き渡し▽テロ組織の幹部引き渡し▽テロ組織の訓練施設
の破壊▽外国人の「人質」の解放を改めて要求した。
ホワイトハウスで記者団に語った。大統領は11日の会見で、米側の条件が満たされれば、
「我々の(軍事)行動を再検討するだろう。まだチャンスはある」と述べていた。
一方、国防総省は13日、海軍の戦闘攻撃機FA18ホーネットが12日の空爆で、カブール空港
付近の住宅地域を誤爆したことを認めた。詳細は調査中だが、目標選択の過程で起きた人為的な
ミスで、空港の軍事ヘリを狙って、衛星による誘導爆弾を投下したが、住宅地区を誤爆。
地上から得た情報によると、民間人4人が死亡、8人が負傷した恐れがあるという。
米軍は14日も空爆を継続。ヘラートの飛行場付近やジャララバード、マザリシャリフなどにも
攻撃を加えている模様だ。空爆は2週目に入り、これまでの空爆で見落とした標的などを重点的
に狙っているようだ。
ロイター通信が目撃者の話として伝えるところによると、カブール付近に対しては、4機が空爆、
タリバーンと戦う北部同盟の前線に近い地域にも数発の爆弾が落ちたという。これに関連して、
パキスタンのサッタル外相は同日、ABCテレビの番組で、北部同盟によるカブール陥落は状況
を不安定化させると警告した。(10/15)
http://miiref00.asahi.com/international/kougeki/K2001101500506.html


[朝日新聞10月15日]
オマール師一転、北部同盟に対米共闘呼びかける

アフガニスタン・タリバーン政権の最高指導者、オマール師は14日、敵対関係にある北部同盟
に対し、空爆を続ける米国に対する共闘を呼びかけた。
タリバーン政権の幹部がアフガン・イスラム通信(AIP)に対し、北部同盟が米国との闘いに
協力するなら、彼らの武器を没収してはいけないという命令をオマール師が出したと語った。
同幹部は「今、私たちと共闘してくれる者たちとの過去の問題は忘れよう。我々の宗教と国の問題
だからだ」と語り、米国の軍事行動に対してアフガンが結束する必要性を訴えた。
北部同盟は米国の支援を受けてタリバーン政権と戦闘を繰り広げている。(10/15)
http://miiref00.asahi.com/international/kougeki/K2001101500019.html


[朝日新聞10月15日]
「米兵はロシア人より苦しむ」オマール師がサウジ紙に

サウジアラビアの14日付アルワタン紙によると、アフガニスタン・タリバーン政権の最高指導
者オマール師は同紙の電話インタビューにこたえ、
「米兵たちは(アフガンに侵攻した)ロシア人より痛烈な教訓を学ぶことになろう」と語った。
同師は米英両軍の攻撃に対し、タリバーン側が劣勢となっているのは、
「米国の兵器が優れていたため」とし、「これから我々の本当の戦闘が始まる」と述べた。
また、同師の自宅が空爆されたことは認めたが、親族が死亡したとの情報は否定した。
米国などが進めているタリバーン政権崩壊後の枠組みについては、
「アフガン人は西欧に後押しされたいかなる政権も拒否する」と述べた。
一方、米国が同時多発テロの首謀者として求めているオサマ・ビンラディン氏の身柄引き渡しには、
応じる考えのないことをあらためて強調した。(10/15)
http://miiref00.asahi.com/international/kougeki/K2001101501708.html


[朝日新聞10月15日]
「父は米英軍には捕まらない」ビンラディン氏の息子語る

「父は世界一安全な隠れ家にいる。米英軍が捕まえるのは無理」――オサマ・ビンラディン氏の
息子がパキスタンで、英紙に語った。
ビンラディン氏の家族は米英軍の攻撃が始まった後、アフガニスタンからイスラマバードへ逃れたという。
40人以上といわれるビンラディン氏の子どもの一人、アブドラ・ラディン氏(18)がイスラ
マバードでサンデー・ミラー紙の取材に答えた。14日付の同紙が伝えた。
アブドラ氏によると、ビンラディン氏は米国で連続テロ事件が起きた先月11日、300人の兵士
とともに山岳地帯へ向かった。衛星通信に必要な機器やコンピューターを満載したトラック60台
が同行した。事件への関与を否定していた、という。
ビンラディン氏は通常、洞くつ内の本拠で北部同盟を打ち負かす戦術などを練っている。
一日の睡眠は2、3時間。わずかの食事しか口にせず、身辺の警戒を怠らない。
「父が捕まる心配はない。長年、米国との知恵比べでまさってきたからね」と、
アブドラ氏は述べた。アブドラ氏はビンラディン氏と第5夫人サビーハさんの子。
現在警護を受けながら、母や弟妹とイスラマバードの外交官居住区に身を寄せているという。(10/15)
http://miiref00.asahi.com/international/kougeki/K2001101501933.html


[朝日新聞10月15日]
パキスタン南部の反米デモで2人死亡 全国ゼネスト予定

アフガニスタンへの軍事行動を続ける米軍が展開するパキスタン南部シンド州のジャコババード
空軍基地周辺で14日、数千人が参加した大規模な反米デモが暴徒化し、当局側の発砲で少なく
とも2人が死亡、デモ隊50人、警官7人が負傷した。15日には全国的なゼネストが計画され
ている。当局は強硬な姿勢で鎮圧する構えだ。
デモは、イスラム原理主義派のイスラム聖職者協会(JUI)などが「空軍基地を包囲せよ」と
呼びかけた。デモに参加するために約80キロ離れた町からジャコババードに向かった集団が道路
を封鎖した治安当局と衝突。デモ隊が投石したりこん棒で襲撃したりしたのに対し、当局側が発砲した。
パキスタンでは反米・反政府デモが発生。当局は厳戒態勢で封じ込めを図っている。この日も軍
隊や警察など1万人が市内や空軍基地周辺で警備に当たった。
ジャコババード空軍基地には9日に米海兵隊100人が到着。
地上戦に向けた後方支援の拠点として使用されているとみられる。
米軍の輸送機C130やC141など11機、ヘリコプター2機が確認されている。
一方、15日のゼネストはイスラム政党で作る「アフガン防衛評議会」が呼びかけている。
商都カラチでは空爆後初のイスラム教の金曜礼拝があった12日にストがあり、
ケンタッキー・フライド・チキンの店舗が襲撃された。(10/15)
http://miiref00.asahi.com/international/kougeki/K2001101400234.html


[朝日新聞10月15日]
パキスタン全土でゼネスト、カラチで4人けが

パキスタンで15日、複数のイスラム政党でつくる「アフガン防衛協議会」が呼びかけたゼネスト
が行われた。
カラチでは公共バスをはじめ交通機関などがストに応じたため、住民の約半数が職場にたどり着
けなかったという。また、約1万人が参加するデモが2カ所で行われ、警察の交番を襲ったデモ
隊に警官が発砲するなどして、計7人がけがを負った。
一方、イスラマバードやラワルピンディでは、一部の店舗は朝から店を閉めたが、大半は通常通り
営業した。ペシャワルでは、デモ隊による暴力をおそれてデモ隊が通過するときは店を閉めたが、
デモ隊が去った後には再び店を開けた。(10/15)
http://miiref00.asahi.com/international/kougeki/K2001101503312.html


[朝日新聞10月16日]
ききんや難民、アフガン最悪の事態に 国連報道官

イスラマバードの国連関係機関のバンカー報道官は15日会見し、
アフガニスタンで今後発生することが予想される大量の難民やききんなどの問題について、
「過去最悪の緊急事態が起きようとしている」と述べた。
同報道官は「ここ20年間、アフガンの状況は悪化し続けている。
今回の戦争が決定打になりかねない」と語り、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)や世界
食糧計画(WFP)など国連各機関は総力を挙げてアフガンへの人道支援に取り組む考えを示した。
同時に会見した国連児童基金(ユニセフ)は、アフガンで今冬に10万人の子どもが寒さや飢え
のために死亡する恐れがあることを指摘した。(10/16)
http://miiref00.asahi.com/international/kougeki/K2001101601800.html


[朝日新聞10月 16日]
米軍のアフガン食糧投下を厳しく批判 国連の特別報告者

国連の「食糧の権利」に関する特別報告者のジャン・ジーグラー氏は15日記者会見し、
アフガニスタンへの空爆を続けながら食糧を投下する米国のやり方について
「食糧援助を行っている世界のすべての組織の中立性を疑わせ、信頼を損なう行為であり糾弾する」
と語った。また、国連機関の対応についても
「米国を支持するのは、米国の資金を頼りにしているからだ」と不満を表明した。
同氏は、11月8日の国連総会で「食糧の権利」の現状を報告する予定。同氏によると、8億26
00万人の人々が栄養失調に陥っており、毎日世界で10万人が飢えで死んでいるという。(10/16)
http://miiref00.asahi.com/international/kougeki/K2001101601702.html


[朝日新聞10月16日]
アルカイダの声明ビデオ、短縮して放映 米メディア

カタールの衛星テレビ、アルジャジーラが流したオサマ・ビンラディン氏の武装組織アルカイダ
の声明ビデオは、どの米テレビ局もそのままでは放映しなかったことが14日、明らかになった。
アフガニスタンへの攻撃開始直後に同氏の映像をノーカットで流した主要テレビ局に対し、
ブッシュ政権が「テロ攻撃開始の合図になり得る」と、事実上の自粛要請をした「効果」とみられる。
アルジャジーラが13日に放映した声明ビデオで、アルカイダのスポークスマンは
「米英のイスラム教徒らは飛行機で旅行せず、高層ビルに住まないように」などと呼びかけた。
新たなテロ攻撃の予告とも取れる挑発的な内容だった。
攻撃開始の日のビンラディン氏の映像やアルカイダの声明ビデオをほぼノーカットで流したCNN
やNBC、フォックスなどのケーブルテレビ局は今回、ビデオを短縮して放送。編集で数十秒程度
に簡潔化したほか、「これは相手のプロパガンダ(宣伝)です」とコメントした局もあった。
前回は身ぶり手ぶりがそのまま流れたスポークスマンの姿を、静止映像に変えた局も。
全米ネットで放映した局はなく、通常の土曜日と同様にスポーツ番組などが放映された。
西海岸地域のみで流したCBSも、「10秒以内で収めるようにした」という。
この突然の変化は、ブッシュ政権の「圧力」によるものとみられる。ライス大統領補佐官は10日、
主要テレビ局の重役らに直接電話をかけ、同氏の声明などを流す場合に
「適切かどうかを判断してほしい」と伝えた。
今回の「自粛」について、CBSは
「政府から要請されたからではなく、通常のジャーナリズムの判断で決めた」としている。
シカゴ・トリビューン紙は14日、「ビンラディンの暴言すべてを聞く必要はないが、
少なくともアラブ世界が聞いている情報は知るべきだ」とする論評を掲載した。
ニューヨーク・タイムズ紙によると、ケーブルによるアルジャジーラの視聴者は、
全米で約15万人いるという。(10/16)
http://miiref00.asahi.com/international/kougeki/K2001101600071.html


[朝日新聞10月16日]
米国民は空爆よりテロに関心 炭そ菌事件の広がりに不安

炭そ菌感染事件で広がる国民の不安を抑えるのに米政府が苦労している。ブッシュ大統領は15日、
「米軍は熟練と正確さで行動している」と述べ、空爆の成果を誇った。
しかし、国民の関心は「外の戦争」よりも「内のテロ」にあるようだ。
ニュース番組も炭そ菌の事件に多くの時間を割いている。
「政府の役人は心配するな、パニックになるなと毎日言っているが、新たな出来事が毎日起きて
いる。我々は、どうしたらいいのか」。CNNの看板番組「ラリー・キング・ライブ」で、
司会者のキング氏が国民の気持ちを代弁した。
フロリダ州で最初の炭そ菌感染者が見つかった4日、トンプソン厚生長官は
「単独の発生と見られる。テロと結びつけるものはない」と述べたが、10日後には、
ビンラディン氏のテロ組織との関連は不明としながらも「一連の事件はバイオテロ」と認めた。
ブッシュ大統領も15日、テロ組織と「関連があるかもしれない」と踏み込んだ。
炭そ菌が送りつけられた場所が全国規模に広がり単独犯よりも組織犯罪の様相をみせている。
NBCに届いた炭そ菌入りの郵便物には米国やイスラエルをおどす言葉があった、などの情報が
テロ組織との関連を連想させている。
ワシントン・ポスト紙とABCの最新の世論調査によると、回答者の65%が炭そ菌事件を懸念し、
54%が家族や知人がその犠牲になることを不安に思っていることがわかった。
また、85%が政府の対応を満足と答えたが、初動捜査の遅れ、検査体制の不備などを指摘する
記事もふえてきた。
「バイオテロは、必ずしも多くの人を殺す必要はない。恐怖をまき散らせばいい。
だから、テロが起きてもパニックになるべきではない」。
ニューヨーク・タイムズ社で「白い粉」を浴び、その後炭そ菌ではないことがわかった、
ジュディス・ミラー記者がテレビで語っていた。(10/16)
http://miiref00.asahi.com/international/kougeki/K2001101602558.html


[朝日新聞10月16日]
「イラクが関係の可能性も」 査察した元国連特別委員長

米国で広がっている炭そ菌感染事件に関し、イラクの生物・化学兵器を99年まで査察した国連特
別委のバトラー元委員長は15日、同時多発テロの航空機乗っ取りの中心人物が、イラクで培養さ
れた炭そ菌を入手した可能性を指摘した。米CNNテレビで語った。
バトラー氏は「イラクが炭そ菌を培養したことを知っている」と発言。テロの中心人物とされる
モハメド・アタ容疑者に数カ月以上前に「イラク人がチェコのプラハで少量の炭そ菌を渡した」
というエジプト当局からの情報を明らかにした。
バトラー氏は、オサマ・ビンラディン氏の組織には、殺傷力の強い炭そ菌を培養する能力があると
は思えない、とも指摘。アタ容疑者がイラク情報機関当局者とプラハで2回会ったことは、複数の
米政府当局者もCNNに確認した。(10/16)http://miiref00.asahi.com/international/tanso/K2001101602357.html


[朝日新聞10月16日]
炭そ菌事件、イラクは関与せず 駐ロ大使が反論

イラクのムジル・アルドーリ駐ロシア大使は16日、イタル・タス通信の取材に対し
「イラクには、いかなる細菌兵器も大量破壊兵器もない。米国はそれをよく知っているはずだ」
と語った。炭そ菌感染事件をめぐるイラクの関与説に反論したものだ。
同大使は「米国は、平和に暮らす人々を爆撃することなく、テロリストと戦うべきだ。
戦いは国連の下で行われるべきだ」とも述べた。(10/16)
http://miiref00.asahi.com/international/tanso/K2001101603192.html


[朝日新聞10月17日]
アフガン空爆で病院など被弾、市民に死亡者

アフガニスタンからの報道によると、首都カブールやタリバーン政権の拠点があるカンダハル、
北部の要衝マザリシャリフなどに16日、15日夜に続いて米軍の空爆があった。
カブールでは複数の場所で市民が被弾して死亡したほか、電力供給が停止。AFP通信によると、
カンダハルでは病院が被弾し、市民33人が死亡したという。
アフガン・イスラム通信によると、カブールでは赤十字国際委員会の倉庫施設も被弾、
警備員1人が負傷した模様だ。同委は16日、イスラマバードの米大使館などに抗議した。
また、カンダハルでは空港や軍事施設に計5回の攻撃があった。住宅地にも爆弾が投下され、
3人が死亡するなど少なくとも9人が死亡、22人がけがをしたという。
目撃者は「市内は粉じんが舞い、市民は安全な場所に避難を急いだ」と語った。
マザリシャリフでも空港や近郊の軍事施設が空爆され、市民2人が死亡した。
同市では15日夜に結婚式場が被弾、5人が死亡したという。
一方で、タリバーン勢力が支配する同市に向けて「北部同盟」が約6キロの地点まで進軍し、
包囲したという。(10/17)
http://miiref00.asahi.com/international/kougeki/K2001101602952.html


[朝日新聞10月17日]
米で日本外交官がとばっちり 記号「AF」に罵声

米国駐在の日本外交官の車のナンバープレートに使われている国を識別する記号「AF」が、
アフガニスタンと勘違いされ、通行人から罵声(ばせい)を浴びせられるなどの被害が続いている。
この記号は、米国務省が国ごとに機械的に割り振っているもので、記号に特に意味はないのだが、
アフガニスタンの国名と最初の2字が一致している。
日本大使館では国務省に変更を要請しており、年内にナンバープレートの記号が変更になるもようだ。
大使館幹部は「たまたま日本は昔からAFなのだから、迷惑な話だ」とぼやいている。(10/17)
http://miiref00.asahi.com/international/kougeki/K2001101702390.html


[朝日新聞10月17日]
米、赤十字倉庫の誤爆を認める 相次ぐ「ミス」

米国防総省は16日、カブールの赤十字国際委員会の倉庫を誤爆したことを認めた。
相次ぐ誤爆は「アフガニスタン国民は敵でない」としている米軍にとって、大きな痛手だ。
タリバーン側に格好の宣伝材料を提供して、アラブ・イスラム諸国の反米感情を助長しかねない。
国防総省がはっきりと「誤爆」と認めたのは、13日のカブール空港近郊の民間住宅に続いて
2回目。13日の誤爆では、衛星の全地球測位システム(GPS)による誘導爆弾が使われた。
しかし、「目標選択」の段階でミスがあったと認めており、誤った目標情報を入力していた公算が大きい。
米軍は8日のカブールの非政府組織(NGO)の事務所についても、誤爆の可能性を認めている。
タリバーン側はジャララバード西のクラム村についても、米軍の攻撃で民間人160人の遺体が
発見されたとして、外国報道陣にも現場を公開した。だが、この件については、
米側は「わからない」(ラムズフェルド国防長官)としながらも、
「ばかげた数字で、タリバーンはうそつきだ」(同)と否定的だ。
米軍は今回の対テロ戦で、意図しない民間人の巻き添えを極力出さないよう特段の注意を払って
きた。空爆の破壊効果とともに、心理効果も重視。パニックや混乱によるえん戦ムードをあおり、
タリバーン内の離反や造反に期待をかけている。しかし、誤爆が続けば、内外の反米感情に火をつけ、
こうした狙いが狂いかねない。(10/17)
http://miiref00.asahi.com/international/kougeki/K2001101703119.html


[朝日新聞10月17日]
米議会で31人から炭疽菌検出 NY州知事事務所でも

ワシントンの米議会に炭疽(たんそ)菌入りの封書が郵便で届いた事件で、ダシュル上院院内総務
は17日、自分のスタッフや警備員計31人に炭疽菌の検出を示す陽性反応が出たと明らかにした。
米主要メディアによると、封書の炭疽菌は純度が高く精製され、生物兵器に使用可能との見方が強い。
米国の一連の炭疽菌事件は相互の関連も強まっており、本格的なバイオ(生物)テロ事件に発展した。
パタキ・ニューヨーク州知事のオフィスでも炭疽菌が検出された。
トンプソン厚生長官は上院委員会で、新たに20人以上から炭疽菌が検出されたと確認し、
「炭疽菌の毒を使う、たいへん重大な挑戦であることは疑いがない。我々は未知の領域に入った」と述べた。
郵便物を受けたダシュル上院院内総務の事務所では16日に封書が開封された。検出された31人
は、開封時に事務所にいたスタッフや、近くにいた議会警備員とされる。病気の症状は出ていない。
スタッフや警備員ら数百人は、鼻の粘膜で炭疽菌の付着を調べる検査を受けた。検査を受けた人
たちは炭疽菌に対する抗生物質を服用している。
複数の米政府当局者は、院内総務に届いた炭疽菌は粒子が小さく空中に散布することが可能だとし、
生物兵器に使われる恐れを指摘した。
下院議長は、「上院院内総務の事務所がある議員会館では、郵便集配室でも炭疽菌が検出された。
炭疽菌は空調システムに入った」と述べ、トンネルでつながるほかのビルにも広がる恐れを指摘した。
また、議会関係で働く議員やスタッフ約2万人に炭疽菌感染の有無の検査を受けさせる考えも示した。
一方、ケリー上院議員は「上院の空調システムでは、炭疽菌は検出されていない」と述べた。
一部の報道によると、フロリダ州の新聞社とニューヨークのテレビ局の炭疽菌汚染事件で検出された
菌は、非常によく似ている。議会とテレビ局に送られた封書は筆跡が類似している。
フロリダ、ニューヨーク、ワシントンの各事件が結びつき、専門的な知識を持つ組織による犯行の
可能性も高くなった。
下院の議会施設は同日から23日まで閉鎖された。汚染状況の調査を始める。
ゲッパート民主党院内総務は議会の閉鎖について「適切な対策だと思う」と述べた。
上院は議員たちが議会近くのレストランで対策を協議中。議会一帯で汚染状況が調査される。(10/17)
http://miiref00.asahi.com/international/tanso/K2001101703074.html


[朝日新聞10月17日]
なぜ米国人は嫌われるのか “中東のCNN”に聞く

オサマ・ビンラディン氏と、彼が率いる国際テロ組織「アルカイダ」のスポークスマンの映像を
流しているカタールの衛星テレビ「アルジャジーラ」が注目されている。同テレビ・ワシントン
支局のファフェズ・アルミラージ支局長に聞いた。

――米要人との今後の会見予定は。
「ブッシュ大統領に申し込んでいるが、時間がかかりそうだ。すでにパウエル国務長官やバーンズ
中東特使らとは会見済みだ。米中央情報局(CIA)幹部や各省庁の次官補クラスとの会見も予定
されている」
「これまで何度も申請したが、応じてくれるようになったのは先月11日の同時多発テロ以降だ。
やっと問題の根深さに米は気がついたようだ」

―問題とは。
「なぜ米国人が(イスラム圏で)嫌われるかというイメージの問題だ。
政府だけを相手にしてもだめだ。例えば、パキスタン政府に基地使用で圧力をかけても、
基地に行けば、民衆に襲われる恐れがある。人心をつかむことの重要性を遅まきながら悟り始めた」

――要人会見で米側見解をテレビで流すことは問題解決につながるのか。
「視聴者の理解促進の一助にはなる。少なくとも、米側がベストを尽くしていることは分かるはず。
対話は大事だ。米側の努力は買うが、広報だけでは十分ではない」

――問題の根源は。
「実は米外交政策の問題だ。人々が期待しているのは、パレスチナ問題などで一貫性のない二枚舌
政策の見直しだ。多くの独裁者を友人と見なしているのに、なぜイラクのフセイン大統領だけを
独裁者と呼ぶのか。宗教や民族で差別しないというのなら、みんなに同基準を適用すべきだと思う」

――アルジャジーラとアルカイダとの関係は。
「特に深い関係があるわけではない。アフガニスタンのカンダハルなどに特派員を以前から派遣
している。(接触の)チャンスがあったからつかんだまでのことだ」

――米政府はビンラディン氏のビデオをそのまま流さないよう米メディアに要請したが。
「暗号などが入っているというのは深読みだ。安全保障を理由に自粛を要請すべきではない。
ワシントンからも連日、実況中継はあり、その一部をプロパガンダと見なす視聴者もいる。
内容の是非は視聴者に判断させるべきだ」(10/17)
http://miiref00.asahi.com/international/kougeki/K2001101700035.html


[朝日新聞10月18日]
米バークリー市議会がアフガン空爆を非難する決議

米カリフォルニア州のバークリー市議会は16日、テロとともに米国政府のアフガニスタン空爆
を非難する決議を賛成多数で採択した。空爆支持が圧倒的な米国で、地方の議会がこれに明確に
反対する姿勢を示した例は少ない。同市議会は当初、空爆に絞って議論した。
「テロリストに対して軍事力によるのでなく、法的措置を通じて正義をもたらすべきだ」という
決議案が提出された。しかし、これでは一方的だとしてテロリストの攻撃を非難し犠牲者を追悼
する内容も加えた。採決では賛成5、反対4だった。
この採決がカリフォルニア大学バークリー校の新聞を通じてオンラインで流れ、
ウォールストリート・ジャーナル紙が報じたことから、決議を非難する電話や電子メールが
バークリー市議会に殺到しているという。
バークリー市議会は9月にも、同市を選挙区とする連邦議会のバーバラ・リー下院議員がブッシュ
大統領に軍事力行使の権限を与える決議にたった一人で反対したことをたたえる決議をした。
サンフランシスコの郊外にあるバークリーは、ベトナム反戦運動など米国の中でも歴史的に最も
リベラルな動きが強い地域。テロ事件の直後からも平和解決を求める集会が、
市民やカリフォルニア大学バークリー校の学生の中から起きていた。(10/18)
http://miiref00.asahi.com/international/kougeki/K2001101703162.html


[朝日新聞10月18日]
米軍、連続11日目の空爆 カンダハルで47人死亡

アフガニスタンからの報道によれば、米軍は17日も首都カブールやカンダハル、ジャララバード
などに連続11日目の空爆を続け、タリバーン内務省当局者によれば、カンダハルでは16日朝
以来計47人が死亡したという。同当局者によれば、カンダハル郊外では17日、トラック2台が
空爆の直撃を受けて乗っていた避難民ら7人が死んだほか、タリバーンの基地に近いチャノイ地区
でも家屋が空爆され、住民ら12人が死亡、バゲプル地区では数戸の家が破壊され13人が死んだ。
またアフガン・イスラム通信(AIP)によれば、カブール北部ハイルハナにあるタリバーン軍の
燃料貯蔵庫が17日、爆撃されて炎上。ジャララバードでは、米軍機が飛来し、タリバーンの軍事
施設や道路を空爆した。(10/18)
http://miiref00.asahi.com/international/kougeki/K2001101702603.html


[朝日新聞10月18日]
ユダヤ系団体がテレビ朝日に抗議 解説者の発言「不当」

米ロサンゼルスに本部を置くユダヤ系団体サイモン・ウィーゼンタール・センターは17日、
テレビ朝日の番組のニュース解説でユダヤ人に関して不当な発言があったとして、
同局の川村晃司・元カイロ支局長の更迭と会社としての謝罪を求めた。
同センターによると、川村氏は米国での炭疽(たんそ)菌事件について、
「ユダヤ人が狙われた。彼らが米国のメディアを支配しているためだ」という趣旨の発言をしたが、
これは偏見に基づく誤りだと指摘している。同センターによると、初期の炭疽菌の被害者に
ユダヤ人はいないという。

川村氏は現在テレビ朝日の「スーパーモーニング」コメンテーター。
同局はこの文書を17日に受け取った。「ご指摘を受けた点については現在精査しており、
真摯(しんし)に対応したい」とコメントしている。(10/18)
http://miiref00.asahi.com/international/tanso/K2001101803106.html


[朝日新聞10月18日]
化学兵器専門家が関与か 米議会炭疽菌検出

上院議員スタッフ29人に炭疽菌の付着が確認されたことで、郵送された炭疽菌が、高度な技術を
駆使して製造された「生物兵器」だった疑いが強まった。開封とともに空気中に浮遊できる微小粒
子に加工されていたわけで、化学兵器の専門家が関与しないと開発できないレベルだ。
炭疽菌を使った生物兵器は80年代イラクで、液体に混ぜて噴霧する湿ったタイプが研究されてい
た。この開発は成功しなかったといわれているが、今回は乾燥タイプ。菌を高純度に精製しただけ
でなく、空中を漂うのにちょうどよい細かさで「兵器としてより効果的な大きさを見つけ、その大
きさに加工する高度な技術が使われた」(米国の生物兵器専門家)という声が出ている。
飛行機の農薬散布器で広範囲に散布できるだけでなく、「空調設備が動くオフィスビルを簡単に狙
える」とする専門家もいる。上院ビルでは空調が動いていたといわれ、それが兵器の効果を高める
のに悪用された。(10/18)
http://miiref00.asahi.com/international/tanso/K2001101800066.html


[朝日新聞10月18日]
フロリダとNYの炭疽菌が一致 相互関連強まる

米国に広がる炭疽(たんそ)菌事件で、米疾病対策センター(CDC)は17日、フロリダ州と
ニューヨークの事件で検出した菌が「一致すると見られる」との見解を示した。一連の事件は被害
者が増えるとともに、相互の関連が一層強まってきた。米厚生省によると、米議会で炭疽菌が検出
された人は31人になったが、炭疽菌の汚染場所は2ビルの2室に限られている。
厚生省当局者によると、議会で炭疽菌が検出されたのは、炭疽菌入り封書を受け取ったダシュル民
主党上院院内総務事務所のスタッフ23人、警備員5人、同事務所の隣室のファインゴールド上院
議員のスタッフ3人。発症はしていない。
院内総務事務所はハート上院ビルにあり、近くのダークセン上院ビルの郵便集配室でも炭疽菌が検
出された。ハスタート下院議長は「炭疽菌は空調システムに入った」と述べたが、厚生省当局者は
空調システムの汚染を否定したうえで
「炭疽菌の汚染は院内総務の事務所と郵便集配室に限られる」と説明した。
上院は、院内総務の部屋とは別室の議員のスタッフらからも炭疽菌が検出された事態を重くみて、
もう一つのビルを含む計3棟を閉鎖し、除菌作業に入った。議事堂の上院本会議場などでの審議は
18日も続くが、下院議長は22日まで下院本会議場を閉鎖すると表明した。18日に予定されて
いた予算案審議は延期される。
炭疽菌事件のうちワシントンとニューヨークに届いた封書は筆跡が類似。ニューヨークとフロリダ
の菌が一致するとの見方をCDCが示したことで、3地点の事件が結びつき、専門的な知識を持つ
集団の組織的な犯行の可能性が高くなった。
院内総務に届いた炭疽菌もCDCが分析を進めている。
米主要各紙の「生物兵器に使用が可能な菌だ」との報道に対し、厚生省当局者は
「抗生物質で発症を防げる菌だ」とし、生物兵器に使われる種類かどうかは「まだ不明だ」と説明した。
アシュクロフト司法長官はPBSテレビで「炭疽菌を郵送する者はだれでもテロリストだ。
炭疽菌テロと同時多発テロに関連があるとの判断はしていないが、両者の関連を排除しているわけ
ではない」と語った。
連邦捜査局(FBI)当局者は院内総務に届いた炭疽菌について
「専門家が培養した菌だ。米国内の菌だろう。今のところ外国のテロ組織につながる証拠はない」
とAP通信に述べた。(10/18)
http://miiref00.asahi.com/international/tanso/K2001101800813.html


[朝日新聞10月19日]
空爆による死者「600人から900人」タリバーン主張

アフガニスタン・タリバーン政権のスポークスマンは18日、カタールの衛星テレビ局
アルジャジーラに対し、米英軍の空爆による犠牲者について、
「600人から900人が死亡したか行方不明になっている」と語った。
スポークスマンは被害が民間人に広がっていることを強調。
相当数の犠牲者が空爆によるがれきの下に埋もれたままの状態になっており、正確な人数の把握
は不可能だという。(10/19)
http://miiref00.asahi.com/international/kougeki/K2001101902996.html


[朝日新聞10月19日]
封書を凝視、肺炭疽で死んだ編集者の悲劇 被害紙再現

米国を襲った炭疽(たんそ)菌汚染でただ1人亡くなったフロリダ州ボカラトンの新聞社デスクは、
目が悪かったため、炭疽菌が入った封書を顔に近づけて凝視し、菌を吸い込んでしまった。
同社が発行する週刊誌ナショナル・エンクワイアラーがベテランデスクの悲劇を詳しく報じた。
封書は9月19日、サン紙の編集部に届いた。「サン紙気付。ジェニファー・ロペスさんに転送し
て下さい」と書かれ、女性歌手へのファンレターを装っていた。筒状のものが同封されていた。
編集部長は、何か悪い予感がして開封せずにゴミ箱に捨てた。若い社員が、娘がロペスさんの
ファンだったことを思いだして、封書を拾い上げた。開封した時に通りかかったのが写真デスク
のボブ・スティーブンズさん(63)だった。
「面白そうだ」と言って封書を受け取り、自分の机に持ち帰った。目が悪いため、手紙を数センチ
のところまで顔に近づけた。白い粉と金色の物体がぱらぱらとこぼれ、コンピューターのキーボード
上に散った。「ユダヤの星みたいな物が入ってるよ」と声をあげた。
手紙には「ロペス様。あなたを愛している。結婚してほしい」などと書かれていた。
有名人のゴシップが売り物のサン紙編集部では、人気絶頂の歌手にあてた手紙にデスクが興味を
示すのはごく当たり前のことだった。
スティーブンズさんは13日後の10月2日に入院、その3日後に亡くなった。
死因は肺炭疽だった。(10/19)
http://miiref00.asahi.com/international/tanso/K2001101901601.html


[朝日新聞10月20日]
あくまで戦う方針変わらず 帰任のタリバーン駐パ大使

アフガニスタン・タリバーン政権のザイーフ駐パキスタン大使は19日、カンダハル訪問から
イスラマバードに戻って記者会見し、「オサマ・ビンラディン氏を引き渡す考えはない。
方針は変わらない」と述べた。同大使は米軍の攻撃で一般市民に多数の犠牲者が出たことを非難
したが、「私たちには強固な意思がある。分裂もなく、団結を保っている」と強調、あくまで戦
い続ける考えを明らかにした。
大使は13日にカンダハルに行き、タリバーン最高指導者のオマール師と協議。新提案を持ち帰
るとの観測も出ていた。また、炭疽(たんそ)菌事件にかかわりはないかとの質問が出ると、
「そんな知識さえもない」と否定した。(10/20)
http://miiref00.asahi.com/international/kougeki/K2001101903295.html


[朝日新聞10月20日]
アフガン南部での特殊部隊の攻撃を米軍が正式発表

int102006.jpg米空母エンタープライズの甲板で18日、
ヘリコプターを使って訓練する海軍特殊部隊シールズの隊員たち。
米各軍が19日、写真を公開した=AP

マイヤーズ米統合参謀本部議長は20日正午過ぎ、国防総省で会見し、アフガニスタン南部に
前日に米特殊部隊が展開し、タリバーンの司令施設、空港、テロリストの施設などを攻撃した
ことを明らかにした。
同本部議長は「大きな妨害はなかった」と述べた。
急襲の模様を収めたビデオを公開し、艦載機などの支援を受け、ヘリなどを使って急襲したこと
を明らかにした。パキスタンで後方支援にあたっていたヘリが墜落、2人が死亡。
またアフガン国内でパラシュート降下する際に、2人が負傷したことも認めた。
「抵抗は小さく作戦は成功した」と述べた。
標的には、タリバーンの最高指導者オマール師の住居も含まれていた。(01:57)
http://www.asahi.com/international/update/1020/033.html


[朝日新聞10月20日]
ヘリで突入すぐ撤退、動揺誘う心理戦 米特殊部隊

米軍特殊部隊によるアフガニスタン南部のカンダハル近郊への攻撃は、100人規模の少数精鋭に
よる急襲だった。夜間も飛べるヘリで未明に相手の「のど元」に突入。強力な火力で一気に圧倒し
て、短時間で帰還したようだ。目標の制圧・破壊と同時に、いつ攻撃されるか分からない、という
恐怖心を相手に与えるのも目的とみられる。今後も執ようにこうした攻撃を繰り返し、タリバーン
指導部を追いつめる構えだ。
作戦の詳細は不明だが、米メディアによると、攻撃したのはカンダハル付近。
兵士たちは暗視装置つきで夜間でもレーダーに捕そくされにくい超低空を飛ぶことができるMH
53Jペーブローなど特殊作戦用のヘリで攻撃地点に侵入したとみられる。
米CNNは、現地時間20日午前0時(日本時間同午前4時半)ごろ、対地攻撃機AC130など
の機銃掃射による支援攻撃を受けながら、特殊部隊がヘリから降下したと伝えた。
ヘリは通常の艦載機を降ろしてアラビア海で「洋上基地」化している空母キティホークから出撃し
た模様だ。航続距離は約千キロあり、空母から発進しても空中給油を受ければ作戦を遂行すること
が可能だ。バルチスタン州ダルバンディンなど、パキスタンの基地を中継地点として使った可能性
もある。
攻撃目標ははっきりしないが、空港という報道がある。司令部や基地があったとみられ、タリバーン
側も厳重な防御態勢を敷いていたはずだ。
特殊部隊は、対地攻撃機AC130などの支援を受けながら降下し、タリバーン部隊と交戦した模様だ。
CNNは作戦時間は2時間としており、目標を制圧してすぐに退去する
「ヒット・アンド・アウエー」方式だった。国防総省は「作戦に参加したヘリは全機がアフガン
領空から脱出した」と確認した。タリバーンの拠点を狙った急襲で、指導部の動揺を誘う心理作戦
の様相が色濃い。
米軍部隊がアフガニスタンでの初の交戦に踏み切るまでには、段階的に作戦を発展させてきた経緯
がうかがえる。連日の空爆でタリバーンの通信機能を徹底的に破壊。
さらにAC130などで対地攻撃を続け、数日前には偵察目的で少人数の特殊部隊員もこの地域に
潜入していた模様だ。万一に備えて、パキスタン側では救出用のヘリも待機させていた。
周到に準備を重ねた作戦だったが、事故は起きた。米国防総省によると、パキスタン側で待機し
ていたヘリが事故を起こし、米兵2人が死亡した。作戦行動中に米兵に犠牲者が出たのは、アフガン
攻撃を開始して以来初めてだ。
米軍は今後も、特殊部隊による作戦を執ように展開するとみられる。
リスクが高い作戦でも継続可能なのは、同時多発テロの衝撃が国民の間で強烈だからだ。(10:42)
http://www.asahi.com/international/update/1021/005.html


[朝日新聞10月20日]
アフガン攻撃容認するな イスラム法学者が宗教見解

インターネット布教などで、世界のイスラム教徒(モスレム)の人気を集めているイスラム法学者
カラダウィ師はこのほど、ドーハの自宅で朝日新聞記者との会見に応じ、米英のアフガニスタン
攻撃を事実上、容認したイスラム諸国会議機構(OIC)外相会議の声明を批判し、アフガンの
モスレム同胞を助けることは、世界のモスレムの義務である、とのファトワ(宗教見解)を示した。
サウジアラビアでは、厳格なワッハーブ派の宗教権威の一人が最近、
「モスレムに敵対する異教徒を支援する者は、モスレムの資格がない」とサウド王家を間接的に
批判するファトワを出した。ワッハーブ派を自認する王家にとっては、統治の正統性にもかかわ
る一大事だ。このため、「アフガン民衆を苦しめる空爆には反対」(ナイフ内相)などと、微妙
な軌道修正を図っているようだ。
こうした動きについて、カラダウィ師は、
「同時多発テロの非難は当然だ。しかし、それを理由とした米英のアフガンに対する国家テロ
は非難すべきだ」と述べ、サウジをはじめとするアラブ首脳のあいまいな姿勢を批判した。
さらに同師は、アフガン攻撃に反対するイスラム宗教界の足並みがそろわない理由について、
「メディアを十分に利用していないからだ。それが世界でイスラムに対する誤解を招く原因と
なっている」と述べ、イスラム学者が西洋文明との対話にもっと積極的になるよう訴えた。
また、米国が新たに資産凍結を決めた39のイスラム慈善団体の中には、
テロ活動と関係のない組織が含まれていると指摘。
「証拠もなくモスレムの義務であるザカート(喜捨)に干渉するのは、
反イスラム感情をあおる政策だ」と、強い調子で批判した。(10/20)
http://miiref00.asahi.com/international/kougeki/K2001102000265.html


[朝日新聞10月20日]
テロの最大の原因はパレスチナ問題 マレーシア首相訴え

マレーシアのマハティール首相は20日、上海でブッシュ米大統領と会談後、
「アフガニスタンへの軍事展開に賛成できない我々の立場を説明した。
テロ反対では一致したが対応の違いを互いに認めた」と語った。
首相は「テロが起こる原因を取り除くことが必要で、パレスチナ問題が最大の原因だ。
中東危機が解決しない限り国際的テロは終わらないと大統領に説明した」という。
米国はマレーシアなどイスラム諸国も参加するAPEC首脳会合を武力行使に同調する国際世論
作りの舞台にする構えだが、首相は「反テロと武力行使は別問題」というイスラム側の立場を改
めて強調した。
APEC首脳会合は21日、テロに反対する宣言を採択する見通しだが、イスラム諸国には米国
のアフガン攻撃への抗議が高まっている。首相は、こうした声も代表する形で、空爆の中止と
パレスチナ問題の解決を訴えた、と見られる。
マレーシアでは最大野党の全マレーシア・イスラム党(PAS)が、アフガン支援のジハード
(聖戦)を呼びかけるなどの動きが活発化している。(10/20)
http://miiref00.asahi.com/international/kougeki/K2001102001737.html


[朝日新聞10月21日]
「米軍ヘリを撃墜」 タリバーン報道官語る

アフガン・イスラム通信(AIP)によれば、タリバーン政権のムタキ報道官は21日、アフガニ
スタン・カンダハル近郊を急襲した米軍特殊部隊のヘリについて、「5機の米軍ヘリが着陸したが、
われわれの反撃で、離陸しかけた1機が被弾し、パキスタン側に墜落した」と語った。
さらに、同報道官は、撃墜したヘリに搭乗していた米兵20〜25人が死亡したはずと主張した。
しかし、米軍側は撃墜説を否定している。20日、ヘリの事故で米兵2人が死亡した。(20:55)
http://www.asahi.com/international/update/1021/015.html


[朝日新聞10月21日]
民家2戸が空爆受け28人死亡 タリバーン政権発表

アフガニスタンからの報道によれば、米軍は21日も、首都カブールやカンダハル、ヘラートなど
に激しい空爆を続けた。
タリバーン政権の情報文化省によると、同日の空爆で、カブール市北部ハイルハナの住宅地で民家
2戸が爆弾の直撃を受けた。同市とヘラートなどで子ども4人を含め少なくとも28人が死亡した。
カブールの空爆現場を訪れたAP通信記者は、破壊跡から発見されたばかりの5つの遺体を目撃した。
女性の遺体が3体、小さな子どもの遺体が2体。この記者に対して、住民のハジズ・ウラーさんは
「米軍機のパイロットは目が見えないのか。ここには軍事施設も何もない。無実の住民ばかりだ」
と激しく憤った。
また、20日夜の空爆でヘラートの陸軍病院(約200床)が破壊された。
患者らは事前に避難していたという。
カブール上空にも20日夜、米軍の武装ヘリやAC130攻撃機と見られる航空機が飛来し、
低空で旋回した。タリバーンが対空砲火で応戦したが、以前に比べてまばらな砲火だった。
この空爆で少なくとも7回の大きな爆発音が響いた。
米軍の地上部隊がカブールに降下したかどうかは確認されていないが、20日未明、南部カンダハル
のタリバーンの拠点を急襲した「ヒット・アンド・アウエー方式」に関連した作戦の一環とみられる。
首都へのヘリ攻撃は、空爆で窮地にあるタリバーンを一層動揺させる心理作戦の目的のほかに、
近い将来の本格地上戦に備えた予備的な作戦という見方が強い。
特にカブールはタリバーンに身柄を拘束された8人の非政府組織(NGO)の欧米人がいて、
首都攻略の前に特殊部隊による救出作戦が米軍の視野にも入っているとみられる。(21:13)
http://www.asahi.com/international/update/1021/011.html


[朝日新聞10月21日]
反テロ声明採択し閉幕 APEC首脳会議

上海でのアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会合が21日、閉幕した。首脳宣言は、同時
多発テロが消費者や投資家に与える悪影響を懸念、この流れを「反転させる努力と変革」を訴えた。
テロを、APECの基本価値である「自由、開放、繁栄」への挑戦として非難し、テロ対策での
国連の役割を重視する「反テロ声明」も採択した。テロ後に主要国の首脳が初めて一堂に会した
上海APECは、国際結束の演出を狙った米国の主導によって、経済自由化をめざす本来の目的
よりテロという政治問題が最大の焦点となる異例の展開となった。
APECの今後10年間の発展の指針となる「上海アコード(合意)」も採択された。
反テロ声明は、今回の同時多発テロを含むあらゆる形のテロを「すべての国の平和、繁栄、安全に
対する深刻な脅威」とみなし、テロと戦うための国際協力をすべてのレベルで強化する方針を盛り
込んだ。
声明には、米国のアフガニスタン攻撃を直接支持するくだりはない。インドネシアやマレーシアな
どのイスラム諸国も含めてAPECの総意として声明をまとめる必要があったため、論争になりそ
うな表現は米中による原案づくりの段階で外された。
声明は、反テロ国際協調に国連が主要な役割を果たすことや、国連憲章や他の国際法に従って将来
のあらゆるテロを予防し、抑圧する方針をうたった。米国の対テロ軍事行動が将来、アフガン以外
に拡大した場合に「国連を通じた歯止めが必要になる」という中国などの意向を反映させた。
首脳宣言は、テロの影響による世界同時不況入りを回避するために、グローバル化による景気刺激
の重要性を強調。APECが進めてきた貿易・投資の自由化、円滑化を加速し、
「先進国・地域は2010年、途上国は20年までに自由化を完了する」とした94年のボゴール
宣言の目標達成も再確認した。その一方で、途上国にもグローバル化の恩恵が及ぶ態勢作りの必要
性も指摘した。
また、11月に予定される世界貿易機関(WTO)閣僚会合での次期多角的貿易交渉(新ラウンド)
立ち上げも強く支持。
反テロ声明に盛り込まれた、「出入国や資金の出入りの管理強化」などは、半面で人、物、金の流
れを妨げる。APECの自由化促進の決意と矛盾しかねない、新しい課題が発生した形だ。
宣言は、域内の中長期的な成長の見通しに「揺るぎない自信」を表明したが、日本を含め多くの国
が、不良債権や金融システムの問題などを抱えたままだ。域内では政治の不安定化も目立つ。
「より緊密で強い」(首脳宣言)協力関係作りの具体策が今後問われる。(22:12)
http://www.asahi.com/international/update/1021/009.html


[朝日新聞10月22日]
アフガンの子ども40万人死亡も ユニセフが援助訴え

国連児童基金(ユニセフ)はこのほど、アフガニスタンで救援物資が十分に行き渡らなかった場合、
子供への影響が深刻だと強調、国際社会に資金援助を呼びかけた。
ユニセフのアフガニスタン担当のラローシュ氏によると、首都カブールの子供の95%が暴力行為
を目撃し、7割が家族を失うなど子供を取り巻く環境は悲惨だ。同国全体で5割以上の子供が栄養
失調の状態で、ここ数年の子供の年間死者数は30万人にのぼる。さらに今の状態が続けば、この
冬10万人死者が増えるという。大半の原因は栄養失調や寒さ、不衛生な生活による感染症などで、
援助物資が届けば助けられる人災だという。
ユニセフは緊急に3600万ドルの資金援助を国際社会に求めたが、現在その半分しか集まってい
ない。世界食糧計画(WFP)の場合、2億5700万ドルが必要と試算、すでに7000万ドル
の資金を保持していたが、その後1500万ドル程度しか集まっていないという。(07:05)
http://www.asahi.com/international/update/1022/002.html


[朝日新聞10月22日]
米国務長官、アフガン攻撃めぐり「冬前に解決を」

パウエル米国務長官は21日、米FOXテレビのインタビューで、
「冬になれば作戦実施は困難になる。冬の到来前にこの問題を解決することが米国と同盟国の
利益になる」と述べ、冬が本格化する前に対アフガニスタン軍事作戦を終了することが
望ましいとの考えを示した。
また、11月中旬から始まるイスラム教徒の断食月(ラマダン)について、
「十分に尊重することが大事だが、作戦の遂行も重要だ」と述べた。(06:07)
http://www.asahi.com/international/update/1022/001.html


[朝日新聞10月22日]
「ラマダンまでに攻撃終了を」 パキスタン大統領

ロイター通信によると、22日、パキスタンのムシャラフ大統領は米CNNテレビのインタビュー
番組で、米国のアフガニスタンへの攻撃が「ラマダン(イスラム教徒の断食月)に入る11月中旬
までに終わることを希望している」と述べた。
ムシャラフ氏は「もしラマダンに入ってからも攻撃をするならば、抑制してほしい。
長引いた場合には、イスラム圏全体に否定的な影響があるだろう」と懸念を語った。
ラマダンはイスラム教徒が年間で最も神聖とみなす時期で、約1カ月間にわたり、病人や妊婦など
を除くすべての信者が毎日、日の出から日没までの断食の行をする。(00:42)
http://www.asahi.com/international/update/1022/029.html


[朝日新聞10月22日]
タリバーン大使、「病院空爆され100人犠牲」と訴える

int102211.jpg
パキスタンのイスラマバードでの記者会見でタリバーンのザイーフ大使は、
約100人が殺害されたと語った=AP
タリバーン政権のザイーフ駐パキスタン大使はイスラマバードで22日記者会見し、米英軍は
ヘラートの病院を空爆し、約100人以上の患者、医師、看護婦らが死んだと語った。
同大使は「すでに約1000人のアフガン人が空爆で殺害された。米国・ニューヨークで起きた
テロで6000人が死んだが、ブッシュ政権はアフガンの女、子供を含めた罪もない民衆を虐殺
している。これは超大国によるテロだ」と非難した。
また同大使は、カンダハルを攻撃した米軍ヘリコプター1機がアフガン領内のヘルマンド州で墜落、
あと1機はパキスタン側で墜落した模様であることを明らかにした。
21日に別の米軍ヘリ2機が墜落現場付近に接近しようとしたが、タリバーン側の攻撃を受けて
引き返したという。(23:26)
http://www.asahi.com/international/update/1022/025.html


[朝日新聞10月22日]
病院空爆声明に米国防総省「確認も否定もできぬ」

タリバーン政権が
「米軍が(アフガニスタン西部の)ヘラートにある病院を空爆し、最高で100人の死亡者が出た」
とする声明を発表したことについて、米国防総省の報道担当者は22日、「確認も否定もできない」
と述べた。また、「米軍が化学・生物兵器を使用している」「米軍のヘリコプターを撃ち落とした」
と主張したことについては、「まったく事実に反する」などと述べ、強く否定した。(23:48)
http://www.asahi.com/international/update/1022/027.html


[朝日新聞10月23日]
北朝鮮が米のアフガニスタン軍事行動を非難

ラヂオプレス(RP)によると、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の労働党機関紙・労働新聞は
23日付の論評で米国のアフガニスタン攻撃に言及し、「テロ絶対反対」が北朝鮮の原則的立場だ
と強調する一方、「罪のない民間人らが反テロ作戦の犠牲になってはならず、テロの根源除去と言
いながら軍事的行動を他国にまで拡大するのは反テロ闘争の目的に反する」として米国の軍事行動
を批判した。(10/23)
http://miiref00.asahi.com/international/kougeki/K2001102302856.html


[朝日新聞10月23日]
ソルトレーク五輪開閉会式、「上空飛べば撃ち落とす」

米ユタ州ソルトレークシティーで来年2月に開催される冬季オリンピックの安全対策を見直してい
た地元の五輪組織委員会は、開会式と閉会式が行われる数時間、同市の上空の飛行を禁止し、空港
も閉鎖する方針を明らかにした。
同時多発テロのような空からのテロを防ぐため。
同委員会の安全担当者は「この間に市の上空を飛ぶ飛行機がいれば、撃ち落とす」と断言した。
開会式はブッシュ大統領や世界の要人も含め、約5万2000人が会場を埋めると予想される。
このため同委員会はさらに、警備のために州兵2000人を期間中、配置することを新たに決めた。
これで警備陣は1万人に達し、選手1人に警備4人という割合となる。(10/23)
http://miiref00.asahi.com/international/kougeki/K2001102300116.html


[朝日新聞10月24日]
マザリシャリフ攻略めざす北部同盟とタリバーンが激戦

米軍はアフガニスタン北部の拠点都市マザリシャリフ攻略をめざしている北部同盟軍を支援して、
サマンガン州やバルク州に23日も前日から引き続き激しい空爆を加えた。
マザリシャリフ近郊に迫っている北部同盟のドスタム将軍の軍は、米軍の攻撃に呼応して、前日
からタリバーンの拠点に攻勢をかけ、激戦が続いているとしている。
一方、米軍は23日、首都カブールの北方約60キロ付近にあるタリバーン陣地を激しく空爆し、
北部同盟が、今後カブールに向かって陣地を進めることができるように側面支援をしている。
しかし、当地の軍事筋によれば、タリバーンは米軍の半月以上にわたる空爆で軍事施設に多大な
打撃をこうむったが、地上戦で重要視される歩兵3万以上の実戦力は、依然として北部同盟より
も優位に立ち、あなどれないという。
今後カブールを攻略するにせよ、北部同盟は、北部を中心に展開している同盟軍を首都近郊に
結集しなければ、首都の制圧は困難視されている。仮に首都を陥落させても、首都防衛には攻略時
の数倍の兵力を維持する必要があるとされる。北部同盟は、まずマザリシャリフを陥落させ、
北部一円から中部にいたる広い範囲を制圧したうえで、首都攻略に向かうのではないかと見られ、
マザリシャリフとカブールを同時攻略することは困難視されている。(10/24)
http://miiref00.asahi.com/international/kougeki/K2001102303135.html


[朝日新聞10月24日]
カブールで最大規模の空爆 カンダハル近郊で52人死亡

アフガニスタンからの報道によると、反タリバーン・北部同盟と対じするカブール北部の前線の
タリバーン軍に対し、24日も米軍の空爆が続けられた。一方、アフガン・イスラム通信(AIP)
によると、カブールで23日夜から24日にかけて米軍による最大規模の空爆があり、民間人7人
が死亡した。また、カンダハルの北東約40キロの村チャコルカーズが23日に爆撃され、民間人
52人が死亡したという。
カブールでは東部と南西部地域が空爆された。タリバーン政権のムタキ報道官はAIPに対し、
「民間地域を対象にした最大規模の空爆だ」と語った。また、グルバク、リシュホール地区の軍事
施設にも爆撃があり、建物が倒壊したという。
報道によると、南部ウルズガン州デラード近くの村でも24日未明に爆撃があった。
タリバーン当局者はこの爆撃で12人が死亡したとしている。
村はテロリストの訓練施設と間違えられたもようだ。医療施設もない不便な場所にあり、
けが人は治療も受けられない状態だという。(10/24)
http://miiref00.asahi.com/international/kougeki/K2001102402841.html


[朝日新聞10月24日]
反タリバーン「第2勢力」結集 パシュトゥン人決起集会

アフガニスタンの元ムジャヒディン(イスラム戦士)や部族の長老らアフガン社会に影響力を持つ
アフガン人たちが24日、反タリバーン勢力の結集を目指した決起集会をペシャワルで開いた。
参加者の大半はパシュトゥン人で、タジク人らが中心の北部同盟と一線を画す第2の勢力の形成を
狙っている。
集会を主催したのはパシュトゥン人の名士で、今月上旬に元ムジャヒディンらが結成した
「アフガニスタン和平国家統一連合」(APNUF)の指導者のサイード・アフマド・ゲラニ氏。
集会の冒頭、ゲラニ氏はザヒル・シャー元国王をロヤ・ジルガ(国民大会議)の議長に指名する
ことに賛意を示し、「議長は国のトップになれる」と語った。
パキスタンのペシャワルなどには過去の内戦やタリバーン政権を嫌って逃げ出したアフガン人の
有力者が大勢いる。集会にはそうした有力者1000人が参加。タジク人やウズベク人もいたが、
地理的にも近いパシュトゥン人が大半を占めた。
集会では、パシュトゥン人政党「アフガン国民党」のアノワル党首が「北部同盟が新政権の評議会
で半分の議席を占めるのは民族の人口比からしてもおかしい」と訴えるなど、元国王の擁立を旗頭
とする「パシュトゥン団結」の雰囲気が色濃く漂った。集会は25日に決議を採択する予定。(10/24)
http://miiref00.asahi.com/international/kougeki/K2001102402912.html


[朝日新聞10月25日]
タリバーンの粘り強さに米軍「忍耐が必要」

米統合参謀本部のスタッフルビーム作戦副部長は24日の会見で、タリバーン部隊は「タフな戦士」
と述べ、米軍による軍事行動にもかかわらず、士気に衰えが見えないとの見方を示した。
米国防総省はこれまで、連日の空爆で「骨抜きにした」(ニューボーン作戦部長)などと戦果を
総括してきたが、同副部長は、タリバーン政権の最高指導者オマール師が「まだ権力にしがみ
ついていることに驚かされる」と述べ、長期にわたる反テロ戦には忍耐が必要と訴えた。
米軍は空爆で制空権を掌握後、タリバーン命令指揮施設と地上部隊に標的を絞って攻撃。
20日には、反タリバーンの北部同盟とにらみ合うタリバーン部隊の前線に空爆も開始した。
だが、タリバーンは部隊を都市に分散させ、モスク(イスラム礼拝所)や民家を「盾」にする戦術
をとっているという。民間人を巻き込まないように注意を払っているとする米軍の「弱み」を逆手
にとった形だ。
北部の要衝マザリシャリフの空港近くの前線にも空爆を続行して同盟を支援しているが、
(1)同盟とタリバーン部隊が接近し過ぎて、思うように空爆できない
(2)タリバーン側の方が依然、数でまさっているため、地上での攻防は
「一進一退を繰り返している」と同副部長は説明する。
もっとも、米軍の空爆は極めて限定的。1日90〜100機を使用しているに過ぎない。
ここ数日は、南部のタリバーンの軍事拠点カンダハル近郊の弾薬庫や燃料備蓄施設などを重点的に
狙っているようだ。(10/25)
http://miiref00.asahi.com/international/kougeki/K2001102502587.html


[朝日新聞10月25日]
アフガン西部ヘラートにクラスター爆弾投下 国連会見

イスラマバードの国連関係者は24日記者会見し、アフガニスタン西部ヘラートの村チャカカラで
22日夜から23日朝の間に、無数の小弾頭が爆発する集束(クラスター)爆弾が米軍によって
投下されたことを明らかにした。数は不明だが死傷者が出ているもようだ。小弾頭の約1割が不発
で残っているといい、国連の地雷除去に携わる職員らが処理に当たっている。
集束爆弾が投下されたチャカカラ村は軍事施設から500〜1000メートル離れていた。
一つの爆弾に約200の小弾頭が入っていたという。投下された爆弾の数は不明だが、長さ約26
センチ、直径約24センチの黄色の缶状の小弾頭が見つかっているという。
集束爆弾はベトナム戦争から使われ、空中でさく裂して広がった小弾頭が連鎖的な爆発を起こす
仕組みだ。残された不発弾が爆発する可能性があり、住民の生活に大きな支障が出ている。
このため国連は不発弾処理を急いでおり、米側に集束爆弾の構造などの情報提供を強く求めている。
国連関係者は、ヘラートで軍施設内の陸軍病院やモスク(イスラム礼拝所)が爆撃されたことを
確認している。空爆を逃れるため、ヘラートの住民の約7割が避難したという。(10/25)
http://miiref00.asahi.com/international/kougeki/K2001102402980.html


[朝日新聞10月26日]
ジハードに備える義勇兵、パキスタンで活発化

int102602.jpg銃の訓練をする男性
アフガニスタンのタリバーンが民間人に武器供給を始めるなど徹底抗戦の姿勢を強める中、
パキスタン国内のパシュトゥン人の間でも、米軍に対するジハード(聖戦)に備える義勇兵たち
の動きが活発化している。アフガン国境に近い山中で続く訓練の取材をパキスタン人ジャーナリ
ストが許可され、義勇兵約50人の銃などの訓練風景を撮影した。
こうした組織はパキスタン政府の統治が及ばない部族地域に点在している。
外国人の立ち入りは禁止されている。
義勇兵の一人は「すぐにでもアフガンに入りたい。ムシャラフ政権が米軍を支援し続ければ我々
はイスラマバードへ乗り込んで政権打倒をめざす」と話している。(23:24)
http://www.asahi.com/international/update/1026/023.html


[朝日新聞10月26日]
最初の地上攻撃は失敗、米英軍に衝撃 英紙が暴露

「アフガニスタンでの米軍の最初の地上攻撃で、米特殊部隊はタリバーン兵の予想もしない猛反撃
に遭い、大あわてで退却を強いられた」。26日付の英紙インディペンデントは、先週末に行われ
た最初の地上作戦が実はうまくいかず、米英両軍当局に衝撃を与えたとする軍高官の証言を伝えた。
米陸軍のレンジャー部隊は19日夜から20日未明にかけて、武装ヘリコプターでカンダハル近郊
のタリバーン拠点施設を急襲した。その模様の一部はビデオで公開され、
米国防総省は「完全な成功」と自賛した。
同紙によると、もともとこの作戦は、米国世論向けの狙いもあって実施されたもので、事前に収集
した情報をもとに、比較的防備が手薄な標的が選ばれた。
ところが、タリバーン側の反撃は予想を超える激しさで、ヘリは着陸装置が破損して強行着陸を強
いられ、部隊は退却を迫られたという。
この事実は、米英軍首脳に衝撃を与え、国防総省が地上作戦を拡大するよりも、とりあえず空爆を
続行するという判断を固めることにつながったとしている。また、米政府はその直後、英国とオー
ストラリアに対して特殊部隊の応援派遣を要請。このため英軍は当初の見込みよりも派遣地上部隊
の規模を大きくすることになったという。(23:50)
http://www.asahi.com/international/update/1026/024.html


[朝日新聞10月27日]
反タリバーン工作の元司令官拘束され射殺 米に痛手

米国の支援を受けてアフガニスタンで反タリバーン工作を進めようとしていたパシュトゥン人の
有力指導者アブドゥル・ハク氏(43)が26日、アフガンの首都カブールの南方ロガール州で
タリバーン側に拘束され、銃殺された。射殺命令は、カンダハルの聖職者らが出したファトワ
(宗教的見解)に基づき、タリバーンの最高指導者オマール師が出したもの。処刑の罪状は、
国家に対する反逆の罪とスパイ罪だという。
アフガン・イスラム通信(AIP)や消息筋が伝えた。ハク氏は旧ソ連と戦ったムジャヒディン
(イスラム戦士)。アラブ首長国連邦でビジネスを手がけていたが今月初め、反タリバーン勢力
の結集のためにパキスタン北西部のペシャワルに戻っていた。アフガンの部族指導者らと人脈が
あり、タリバーンの主体パシュトゥン人であることから、内部分裂工作の中心人物として注目さ
れていた。
50人を引き連れて4〜5日前、アフガンへ潜入。その直後からタリバーンは一行を追跡して包囲
した。タリバーンは国内の諜報(ちょうほう)能力の健在ぶりを示した形だ。米軍は26日未明、
包囲網を解くためヘリコプターからの銃撃、空爆で支援したが、失敗した。新政権の樹立を念頭
に米国が後押しするタリバーンの分裂工作は大きくつまずいた。
ハク氏の兄は、同氏がザヒル・シャー元国王の個人使節としてアフガン入りしていたと説明。
元国王の息子と共に釈放を求めていた。(10/27)
http://miiref00.asahi.com/international/kougeki/K2001102602546.html


[朝日新聞10月27日]
「72時間以内に抗議行動を」 オマール師が声明発表

アフガン・イスラム通信(AIP)によると、タリバーンの最高指導者オマール師は26日、
声明を発表し、「世界のすべてのイスラム教徒は米国に対してジハード(聖戦)に決起せよ」
とし、「72時間以内に抗議行動を展開せよ」と指示した。
一方タリバーン情報省は26日、
「国内の隅々に効果的な情報網を確立しており、だれもこれから逃れることはできない」
との声明を発表し、米国やザヒル・シャー元国王の支持者のアフガニスタン入国を阻止する
構えをとっていることを示した。(00:34)
http://www.asahi.com/international/update/1026/027.html


[朝日新聞10月27日]
大量虐殺・拷問・強姦…タリバーンの人権侵害で報告書

アフガニスタンのタリバーン政権が大量虐殺や拷問、強姦(ごうかん)などを繰り返している
という報告書が26日、国連人権委員会に提出された。同委員会の委託をうけたホサイン特別
報告官が97年5月から今年6月までの事例を調べて作成したもので、マザリシャリフやバー
ミヤンなど北部同盟との戦闘が続く地域で、こうした残虐行為が多かった。
最近の事例としては、5月と6月に北部のヤカウランで起きた大量虐殺を挙げている。
タリバーン兵士は住民約150人を殺害したうえ、住宅や商店、学校など約1000軒を焼き
払った。
ヤカウランでは1月にもタリバーン兵士が住民の男性を集め、約130人を殺害。皮膚をはが
されたり、焼き殺されたりした例もあったという。
この事件はすでに民間人権団体が報告しており、追認した形だ。(10/27)
http://miiref00.asahi.com/international/kougeki/K2001102700924.html


[朝日新聞10月27日]
「軍事作戦は順調」と米強調、手詰まり状態を否定

米統合参謀本部のスタッフルビーム作戦副部長は26日の会見で、米軍のアフガニスタンでの
軍事作戦が手詰まり状態に陥っているのではないかとの批判に対し、
「個人的には、泥沼にはまりこんでいるとは思わない」と反論し、計画通り順調に進展している
との見解を繰り返した。
同副部長は「これは正規軍と正規軍との伝統的な戦争ではない。我われは非常に複雑な作戦を展開
している」と説明、長期戦への「忍耐」を改めて求めた。
これに関連して、ブッシュ大統領も同日、経済界との会合で
「我われは悪に対する長い長い闘争の初期段階にいる」と演説した。
米軍はここ数日、首都カブール北方で北部同盟と対峙(たいじ)しているタリバーン部隊の前線を
空爆、同盟の攻勢を支援しているが、極めて限定的な空爆の模様。
同副部長は「お互いに支援し合っているが、同盟側に不満があることは理解できる」とし、両者の
作戦計画と目的が必ずしも常に一致しているわけではないと指摘した。
空爆の心理効果についても、
「タリバーン内に離反者が出ている。それは事実だが、何人という風に数字では測れない」と述べた。また、英軍特殊部隊の潜入が間近と伝えられることについては「タイミングは彼らが決めることだ」と述べた。
一方、米軍は現地時間の27日未明も、カブール近郊などへの空爆を続行。先日には、艦載機など
計80機と巡航ミサイルを使用、首都北方の前線や南部のカンダハル近郊の命令指揮施設や部隊の
ほか、タリバーンやテロ組織が潜む洞くつにも攻撃を加えた。(10/27)
http://miiref00.asahi.com/international/kougeki/K2001102700735.html


[朝日新聞10月28日]
パキスタン内相が公然と米非難 「空爆は目的果たさず」

パキスタンのモイヌディン・ハイダー内相は27日、米国のアフガニスタン空爆について
「米国が過去3週間、アフガンで展開してきた空爆はテロ撲滅の目的を果たしているとは思えない」
と発言、空爆を疑問視していることを表明した。米の空爆に協力しているパキスタンの現職閣僚が
公然と米非難をしたのは初めてだ。
同内相は同日、ラホールで開かれた地元会議で「パキスタンを含めて世界各国は現在、アフガンで
起きている事態はよくないことだと考え始めており、米国のアフガン空爆政策の見直しを求める世
界的世論の圧力は増大している」と語り、「特に多数のアフガンの民間人が空爆で犠牲になってい
ることにイスラム教徒は心を痛めている」と述べた。
朝日新聞と26日に会見したムシャラフ大統領自身も「空爆で民間人の犠牲者が増えていることを
憂慮する」と述べたうえ「空爆の早期終結を望む」と表明していた。
パキスタンの国内世論はJIU(イスラム聖職者協会)などイスラム原理主義の宗教勢力ばかりで
なく、マスコミ、政府指導者の間にも米国の空爆で民間人の犠牲者が増えていることを憂慮し、
米国の「世界テロの撲滅」作戦が目的からそれつつあることを批判する動きが出始めている。(10/28)
http://miiref00.asahi.com/international/kougeki/K2001102800775.html


[朝日新聞10月28日]
義勇兵数千人集結、アフガンへ パキスタン北西部

パキスタン北西部のアフガニスタン国境近くで27日、パシュトゥン民族を中心とする義勇兵が
数千人集結し、タリバーン政権を支援するため、アフガンに入国に向けて動き始めた。
一部は国境を越えたとの情報もある。トラックやバス約300台に小型ミサイルやロケット弾、
銃や弾薬など大量の武器を積んでおり、アフガン東部のクナール州に向かうという。
ペシャワルのパシュトゥン人関係者によると、義勇兵が集結したのは、バジャウル地区。
イスラム原理主義団体「イスラム法強化運動」などが「ジハード(聖戦)」を呼びかけたという。
重火器だけでなく、刀やおのまで運んでいる模様だ。義勇兵の数はさらに増えるとの情報もある。
タリバーンの最高指導者オマール師は26日に「72時間以内にタリバーンを支持する行動を起こせ」
との声明を発表しており、これに呼応した動きとみられる。
バジャウル地区はタリバーンの主流を占めるパシュトゥン民族が多く住み、自治権が認められて
おり、パキスタン政府は介入しにくい地域だ。
パキスタンは国境警備隊や特殊部隊を国境地帯に増強して警戒態勢をとっているが、制止しようと
地元の長老などを通じて説得しており、義勇兵との衝突は伝えられていない。(10/28)
http://miiref00.asahi.com/international/kougeki/K2001102800013.html


[朝日新聞10月28日]
走行中のバス内で爆弾爆発、3人死亡 パキスタン

パキスタン・クエッタの警察が明らかにしたところによれば、28日午後4時(日本時間同8時ご
ろ)、同市内の陸軍区域を走っていたバスの中で強力な爆弾が爆発し、運転手1人と乗客2人が死
亡したほか、18人が負傷した。犯行声明は出ていない。
クエッタは、アフガニスタンのカンダハルに近い国境の町で、米軍のアフガン空爆をめぐり、
イスラム過激派らが激しい抗議デモを続けている。(10/28)
http://miiref00.asahi.com/international/kougeki/K2001102801660.html


[朝日新聞10月29日]
テロ連続、乱射や爆弾で28人死亡 パキスタンなど

28日、パキスタンのキリスト教会で銃乱射事件があり、信者ら18人が射殺された。
フィリピン南部では爆弾テロで、10人が死亡した。いずれもイスラム過激派の犯行と見られてい
る。米英軍のアフガニスタン空爆は同日、開始から4週間目を迎え、イスラム諸国を中心に反発が
高まっていた。「同時多発テロ」ではないかとの見方もある。
パキスタン・パンジャブ州バハワルプルのキリスト教会、「聖ドミニク教会」に28日午前9時6分
(日本時間同日午後1時6分)ごろ、自動小銃で武装した6人組の男がバイクで乗り付け、日曜の
祈りで来ていた約40人の信者に銃を乱射し、女性や子どもら18人が死亡、十数人が重軽傷を負った。
米英軍のアフガニスタン攻撃開始以来、パキスタンでは「キリスト教世界対イスラム」ととらえる
反発が強まっていたが、キリスト教徒が襲撃されたのは初めてだ。
6人組は逃走、警察が行方を追及している。犯行声明は出ていないが、治安当局は、米英のアフガ
ニスタン空爆で、キリスト教徒への憎悪を募らせているイスラム過激派のしわざの可能性が高いと
見て捜査している。
同教会はもともとカトリック教会だが、地元のプロテスタント信者らもこの教会を使っている。
この朝はまずプロテスタントの信者ら約40人がお祈りをし、午前9時に祈りが終わって信者らが
外に出ようとした時、犯人が銃を乱射したという。
イスラム教徒が大多数のパキスタンではキリスト教徒は1%以下の少数派だが、これまでキリスト
教徒がイスラム教徒に襲撃されるような事件は起きていない。
犯人らを目撃した信者らの話によれば、6人の男は、まず教会入り口にいたガードマンの男性を
射殺した。そのまま教会内部に乱入してドアを閉ざし、祈りを終えて外に出ようとした信者らを
閉じ込め、十数分間、銃を無差別に乱射した。
信者らは胸や頭などを撃ち抜かれ、教会内は鮮血にそまった。
死者のうち少なくとも5人が女性信者。2人が9歳と12歳の子ども。負傷者のうち4人が重体で
今後、死者が増える可能性がある。犯人らが去ったあと教会内は恐怖におびえきった信者らが肩を
寄せ合い、泣きじゃくっていた。自動小銃は旧ソ連製のカラシニコフ銃のようだったという。
パンジャブ州ではこれまでイスラム教徒の中のスンニ派とシーア派が流血抗争を繰り返したが、
同州でキリスト教徒が犠牲になったのはこれが初めて。

また、フィリピン南部ミンダナオ島サンボアンガで28日午後8時(日本時間同9時)ごろ、屋外
店舗が並ぶ繁華街で爆弾が爆発し、比国軍などによると子どもを含む10人が死亡、40人近い負
傷者が出た模様だ。サンボアンガには現在、米国軍顧問団の22人が滞在しているが、全員の無事
が確認された。現場近くには屋台やレストラン、ショッピングセンターが多数あり、ガラスの破片
が散乱するなかで多数の買い物客らがパニック状態になって負傷したという。
サンボアンガは、ブッシュ米大統領がテロ支援の団体に指定したイスラム過激派組織アブサヤフが
拠点のひとつとするバシラン島から二十数キロ離れた場所にある。
同島では、アブサヤフが米国人宣教師夫妻ら10人を人質に取っており、比国軍による大規模な
アブサヤフ掃討作戦が続いている。作戦強化のため28日、米軍顧問団が同島入りした後、サンボ
アンガの比国軍基地に戻ったばかりだった。
サンボアンガでは今月8日にも、三つのホテルで相次いで爆発があった。
今回の爆弾での犯行声明などは出ていないが、比国軍はアブサヤフによる爆弾テロ事件の可能性も
あるとみて調べている。(10/29)
http://www.asahi.com/international/kougeki/K2001102801038.html


[朝日新聞10月29日]
パキスタンの教会テロ、「空爆に報復」の見方

パキスタン・パンジャブ州バハワルプルのキリスト教会で18人が死亡した銃乱射事件でムシャラ
フ大統領は28日、ガジ宗教問題相を現地に派遣することを指示した。同相は29日にも現地入り
し、事態がイスラム教徒との宗教的対立に発展するのを防ぐため、対応にあたる。また、大統領は
犯人像について、「訓練されたテロ組織の仕業」との見方を示した。
地元警察は「アフガニスタン空爆に対する報復行動である可能性がある」として、捜査を進めている。
アフガンのタリバーンを援護するための義勇兵がパキスタン側の国境付近に集結する一方で、宗教
対立の感情を誘発しかねない教会テロが起き、社会不安が広がる心配がある。パキスタン政府は、
「パキスタンのイメージを傷つけ、対テロ戦の役割を損なう恐れ」(内務省高官)もあるとの憂慮
を深め、非常に難しいかじ取りを迫られている。
日曜礼拝に集まっていた人たちを標的にした28日の教会テロでは、牧師も犠牲になった。
警察には前日から警備の要請が出ていたが、事前に派遣されたのは2人で、十分な対応ができな
かったという関係者もいる。
事件後、国内のキリスト教会の警備のため、警官が配置された。
イスラマバード中心部にあるカトリック系のファティマ教会のサルファラズ神父は、
信者に「落ち着いて」と呼びかけた。
「恐れていたことが実際に起きてしまった。少数派のキリスト教徒たちは毎日が不安で仕方ない」
在住36年のアイルランド出身の神父は「空爆批判の矛先が向けられたとしか考えられない。
ブッシュ米大統領の『十字軍』発言が、過激なイスラム教徒に口実を与えてしまった」
と朝日新聞記者に話した。近く全国の教会関係者と集まり、対応策を協議するという。(10/29)
http://miiref00.asahi.com/international/kougeki/K2001102901075.html


[朝日新聞10月29日]
アフガン入りめざす義勇兵、国境付近で足止め

パキスタン北西部のアフガニスタン国境付近で27日、タリバーン政権支援のためアフガン入りを
求めたパシュトゥン民族を中心とした義勇兵数1000人は、両国当局によって国境近くで足止め
され、アフガン入りできないまま、こう着状態が続いている。義勇兵の少数の代表団が28日、国
境を越えタリバーン政権側と受け入れ交渉を始めた。
義勇兵たちはトラックやバス300台に小型ミサイルなど大量の武器を積み、アフガン東部のクナ
ール州に向かおうとしていた。国内で同様の動きが高まることを恐れるパキスタン当局は、地域の
長老らを通じて冷静な対応を求める説得工作を行っている模様だ。
タリバーン側も、最高指導者オマール師は26日の声明でイスラム教徒のタリバーン支持への決起
を求めたものの、「数千人規模の義勇兵らの入国自体には積極的な姿勢は見せていない」(当地の
消息筋)といい、慎重だという。(10/29)
http://miiref00.asahi.com/international/kougeki/K2001102801366.html


[朝日新聞10月29日]
パキスタン北部の飛行場を「空爆反対」の部族が占拠

パキスタンが中国やアフガニスタンなどと接する北部地域チラスで28日、タリバーン支持の部族
が飛行場を占拠した。着陸を試みる飛行機やヘリコプターがあれば撃ち落とすと話している。
パキスタンの有力各紙が29日、伝えた。
部族は数日前から、中国へと続くカラコルム・ハイウエーを封鎖している。
北部地域には中央政府の行政権限が及んでおらず、ムシャラフ政権が米国支援をやめない限り、
飛行場や道路の封鎖を続けると主張している。(10/29)
http://miiref00.asahi.com/international/kougeki/K2001102902978.html


[朝日新聞10月29日]
「真の戦争はこれから」 オマール師がアルジェリア紙に

アルジェリア紙「エル・ユウム」によると、アフガニスタン・タリバーン政権の最高指導者、
オマール師が28日、同紙の取材に対し、「米国との真の戦争は、まだ始まっていない。
米国には、旧ソ連が味わった以上に苦い教訓を与えてやる」と述べ、タリバーンが長期の持久戦を
覚悟していることを示した。
また、同師は「米国のアフガン攻撃は、オサマ・ビンラディン氏に対するものでなく、アフガンを
破壊し、この地域の覇権を確立することだ」とも述べた。(10/29)
http://miiref00.asahi.com/international/kougeki/K2001102901365.html


[朝日新聞10月29日]
「米軍が化学兵器使った疑い」 タリバーンが非難

アフガニスタンからの報道によれば、タリバーン政権のアッバス保健相とアフガン人医師らは29
日、カブールで記者会見し、「米軍がアフガン空爆で化学兵器や劣化ウラン弾を使用している疑い
がある」と語った。
空爆で負傷した患者らを治療しているワジリ医師は「12歳と15歳の少女と15歳の少年が空爆
で負傷して運ばれてきた。3人とも外見は軽傷だったが、呼吸困難をきたしたほか、内出血し、
数時間で死亡した」という。さらに同医師は「ほかにも同様の空爆犠牲者を診たが、いずれも呼吸
困難と内出血が特徴だ」とし、「米軍が化学兵器を使用している疑いが濃厚だ」と言っている。
アッバス保健相は「米軍はコソボで使った劣化ウラン弾をアフガンでも使っている疑いがある」と語った。(10/29)
http://miiref00.asahi.com/international/kougeki/K2001102903211.html


[朝日新聞10月29日]
米国防長官、ハク氏の救出作戦失敗認める

ラムズフェルド米国防長官は28日、ABCテレビの番組で、アフガニスタンのタリバーンに処刑
された反タリバーンのパシュトゥン人有力指導者アブドゥル・ハク氏が、拘束される前に米側に助
けを求めたことについて、「不幸なことに支援は空からで、彼は地上にいた」と述べ、米側の救出
作戦が失敗したことを認めた。
その際の空爆の詳細については、「政府内の別の機関による支援」と述べ、米中央情報局(CIA)
の無人偵察機による爆撃だったことを示唆した。
CIAはタリバーンの指導層やテロ組織の幹部の潜伏場所や活動を探知するため、アフガン上空に
無人偵察機を飛ばしている。
対地ミサイルを搭載し、遠隔操作で攻撃できるようにもなっているという。(10/29)
http://miiref00.asahi.com/international/kougeki/K2001102900139.html


[朝日新聞10月30日]
イスラエル外相が和平案 ガザ撤退しパレスチナ独立承認

イスラエルのマーリブ紙は30日、ペレス外相がパレスチナ和平案をまとめ、近く所属する労働党
に提出すると報じた。第1段階としてイスラエル軍がガザ自治区から撤退し、政治レベルでパレス
チナ国家の独立を認めるというもの。
マーリブ紙によると、ペレス氏の和平案は、すでに最終稿の作成に入っている。主な柱は、
(1)軍事ではなく、政治的な目的のためのパレスチナ国家の独立
(2)ガザ自治区のユダヤ人入植地を解体し、イスラエル軍がガザから撤退
(3)エルサレム帰属問題の協議延期(4)治安維持のための共同機関の設立
(5)パレスチナ難民問題を扱う国際委員会の設置−−などとなっている。
シャロン首相は今月中旬、パレスチナ国家は認めるが、エルサレムはイスラエルの主権下に置き、
パレスチナ内にイスラエルの安全保障地帯を保持するなどの方針を示した。
逆に労働党幹部のベンアミ前外相とラモン前保健相が25日に、ほとんどの入植地を解体し、
パレスチナ自治政府の暫定的な境界を設定する「一方的分割」案を発表した。
マーリブ紙はペレス提案の狙いは、左右の提案をつなぐ「政治的な選択肢」を示すこととしている。
しかし、シャロン首相の立場とは大きな開きがあり、労働党内にはペレス案の発表は
「統一内閣の解体の第一歩」との見方が出ているという。(10/30)
http://miiref00.asahi.com/international/kougeki/K2001103002896.html


[朝日新聞10月30日]
対テロ姿勢に疑問持ち始めた米国民 米紙など世論調査

30日付ニューヨーク・タイムズ紙で発表された同紙とCBS放送との合同世論調査によると、
政府がテロから国民を守ってくれると「大いに信頼している」と答えたのは5人に1人、テロとの
戦いに必要な他国との同盟を維持できることに「非常に自信がある」とする人は3割に満たなかっ
た。同紙は「テロとの戦いで、米国人が初めて疑いを持ち始めた」としている。
調査は25〜27日に電話で行われ、1024人が応じた。53%が「次の攻撃が非常にありそう」
と回答。2週間前は46%、4週間前は36%で、炭疽(たんそ)菌の事件で、米国民の不安が明ら
かに広がっている。
また、政府のテロ防止能力については、「大いに信頼」が18%、「まあまあ信頼」が58%。
1カ月前には「大いに」が35%で、半減した。戦争については、軍事作戦を支える他国との関係
の維持に「大いに自信」が29%。2週間前は46%で、17ポイント低下した。
米国がビンラディン氏を捕まえるか殺せるかについても、「非常に自信」が28%で、2週間前か
ら10ポイント落ちた。ただし、ブッシュ大統領への支持率は87%と揺るがない。(10/30)
http://miiref00.asahi.com/international/kougeki/K2001103002312.html


[朝日新聞10月30日]
パキスタン、核施設に地対空ミサイル配備へ

米軍のアフガニスタン攻撃に対する抗議行動が先鋭化しているパキスタンで、政府は国内の核関連
施設の警備強化に乗りだした。一部の核施設周辺には地対空ミサイルの配備も始めている。
パキスタン政府筋によると、ミサイルを配備したのは、イスラマバード東部のカフタにある濃縮
ウラン処理施設。スウェーデン製で、射程6、7キロの短距離ミサイルだ。目標物をレーザーで
とらえて誘導し、撃ち落とす。
同施設は、84年に本格運転を始めたパキスタン核開発の最重要施設。
そのほか、中部のチャシマや南部のカラチに発電炉、首都近郊にも研究炉がある。
9月中旬以降、これらを軍が直接管轄し、厳重な警備態勢をしいている。
施設周辺へのミサイル配備は、過激派のテロ攻撃だけでなく、タリバーンの戦闘機などによる攻撃
も視野に入れた動きと考えられる。「核テロ」に対する米国などの懸念を反映させた形だ。
当局は、核技術の管理にも神経をとがらせている。今月下旬には政府の原子力委員会を退職した
核科学者2人を拘束した。イスラム原理主義に傾倒し、「イスラム社会復興」という団体で活動
していた。タリバーンやオサマ・ビンラディン氏に核技術が渡ることを懸念した当局は、数日間
にわたって事情を聴いたが、28日に拘束を解いた。
ムシャラフ大統領はドイツの通信社の取材に対して27日、
「核技術は安全な管理下にある。国境を越えて持ち出せるはずはない」と断言した。
だが、国民の不安は消えていない。(10/30)
http://miiref00.asahi.com/international/kougeki/K2001103002667.html


[朝日新聞10月30日]
パキスタン州当局が過激派100人以上拘束 教会襲撃で

パキスタン・パンジャブ州バハワルプルからの報道によれば29日、同州治安当局は28日に18
人のキリスト教徒らが射殺されたテロ事件にからみ、同夜から29日にかけて同州のイスラム過激
派のメンバー100人以上を身柄拘束し、事件との関連を調べている。
この日、惨劇の場となった聖ドミニク教会周辺やモスク(イスラム礼拝所)では、警察官らが大量
に動員され警戒した。
同教会前広場には数千人のキリスト教徒らが弔問におとずれた。
虐殺に憤りを見せるキリスト教徒らは「復しゅうだ。復しゅうだ」と叫び、教会の牧師らが
「落ち着いて」となだめていた。
またキリスト教徒の信者代表の男性は
「政府はすべてのイスラム過激派の活動を全部禁止にすべきだ」と話していた。(10/30)
http://miiref00.asahi.com/international/kougeki/K2001102903270.html


[朝日新聞10月30日]
「空爆でタリバーン倒せない」国境の街で難民語る

米英軍のアフガニスタン攻撃が続く中、国境の街ペシャワルには、山岳部を通って国境を抜けてき
たアフガン難民が増える一方だ。難民たちは
「空爆でタリバーンを倒すのは無理だ。空爆は庶民を傷つけるだけだ」などと、軍事行動を非難している。

土造りの家々が寄り添うように並ぶペシャワル市内のドラ地区。馬車が泥水をはね上げる横で子ど
もが走り回っている。アフガン難民がもともと集中して住んでいた。空爆後、ひそかに国境を越え
た約200家族が同胞を頼って集まってきた、という。

カブールから家族7人で26日に逃げてきたゾエル・デルジョンさん(56)は
「被爆しなくても、毎晩空爆が続く街が怖くてたまらなかった」。自宅のドアが空爆の揺れで崩れ、
パキスタン行きを決心した。
国境でパキスタン当局者に2000ルピー(約3500円)を払えば入国が認められると聞いたが、
山岳部を2日間、徒歩とバスで越える道を選んだ。
空爆の最中は周囲が明るくなり、地揺れが続く。米軍機は見えないが、タリバーン側は対空射撃で
応戦。市民の存在に米軍が気づけば空爆はやむかと広場に集まったが、効果はなかったという。

ゾルマイ・アカジョンさん(33)は「タリバーンの兵士たちは頻繁に居場所を移したり、山岳部
に避難したりした。空爆で彼らを倒すのは無理だ。近所の家族も次々にカブールを離れ始めた」と話す。
ペシャワルには難民キャンプもあるが、ここで知り合ったアフガン人のじゅうたん職人の家に家族
7人で居候している。
娘(6)は今も空爆を思いだし、夜中に突然泣き出す。
「早く終わって欲しい。空爆が終わればすぐ故郷に帰る」とつぶやいた。(10/30)
http://miiref00.asahi.com/international/kougeki/K2001103000323.html


[朝日新聞10月31日]
スリランカ沖でタンカーに攻撃 タミルゲリラのテロか

AFP通信によると、スリランカ北部のジャフナ半島の沖合で、石油タンカーにボートが衝突、
爆発が起きた。国防省は、同国北部などでゲリラ活動を展開する「タミル・イーラム解放のトラ
(LTTE)」が、ボートに爆発物を積んでタンカーに体当たりした「自爆テロ」とみている。
現地からの報道によると、海軍の巡視船が乗組員ら25人を救助したが、3人が行方不明になっ
ている模様。石油が流出したかどうかなど詳しい状況は分からない。
タンカーは同国の企業が保有する「シルク・プライド」で、護衛兵10人も乗っていたという。
同国では、9月中旬にもジャフナ半島沖で政府軍兵士1200人を運ぶ輸送船に同様の自爆テロ
攻撃があった。また、10月29日には、ウィクラマナヤケ首相を狙ったとみられる自爆テロが
あり、5人が死亡した。(01:00)
http://www.asahi.com/international/update/1030/022.html


[朝日新聞10月31日]
米軍空爆で民間人ら1500人犠牲 タリバーン側声明

アフガニスタン・タリバーン政権の在パキスタン大使館は31日、米軍の空爆でこれまでに民間
人を中心に1500人の犠牲者が出たとする声明文を発表した。
「米軍は明らかに民間人のいる居住地域を狙っている」として米国を激しく非難した。
記者会見したザイーフ大使は「勇気あるアフガン人が自国のことでだれかが干渉するのを許すこ
とはない」と述べ、国連を中心に関係国の間で「タリバーン後」の政権の枠組み協議が重ねられ
ていることに強く反発した。(23:28)
http://www.asahi.com/international/update/1031/019.html


[朝日新聞10月31日]
米軍が「赤新月」の診療所?爆撃、13人死亡 AFP

アフガニスタン南部のカンダハル近郊で31日未明、赤新月社(イスラム教国の赤十字社に当たる
組織)の診療所とされる建物が米軍機に爆撃され、13人が死亡した。
診療所の医師の話としてカンダハルからAFP通信が伝えた。
首都カブール近郊のタリバーン側と反タリバーン勢力がにらみ合う前線でも同日、米軍機が攻撃を
加え、バグラム空軍基地近くの二つのタリバーン側の陣地に対して激しい爆撃が行われた。
目撃者の話によると、B52爆撃機による攻撃とみられ、それぞれの陣地に30〜50回の爆撃を
行ったという。
診療所への爆撃について、タリバーン側に招待された記者団に負傷した医師が語ったところによる
と、31日午前4時30分に爆撃があった。死亡した13人の中には患者や診療所のスタッフが含
まれていた。医師自身空爆で負傷したと話し、頭や右手、左足に包帯をまいていたという。(20:37)
http://www.asahi.com/international/update/1031/015.html


[朝日新聞10月31日]
同じ黄色の食糧と爆弾間違えないで 米軍、ラジオで警告

「アフガニスタンの皆さん、ご注意下さい。我々が落としている黄色い四角の包みは食糧ですが、
黄色い缶の方は爆弾です」――対アフガン空爆と並行し「人道支援」を掲げた食糧投下作戦を続け
ている米軍が、上空を飛ぶ電子作戦機からのラジオ放送で、こんな警告を流し始めた。
米軍はアフガン空爆でタリバーン部隊を攻撃するため、「クラスター(集束)爆弾」を使っている。
その表面が黄色に塗られているため、同じように目立つ黄色の食糧パックと勘違いした住民が不発
弾を拾おうとして起爆、犠牲になりかねない、という。
米国防総省が30日、朝日新聞に対し、警告放送の内容を明らかにした。
「黄色い1日分の人道食糧を投下しています。プラスチックで四角く包装され、中には栄養のある、
イスラム教の律法にのっとった食べ物が入っています」
「食糧を投下しているのとは別の地域に、我々は集束爆弾を落としています。着弾しても爆発して
いない可能性があります。黄色ですが缶状をしています」
「最近空爆された地域で、正体不明の黄色い物体に近づく時には注意して下さい」
食糧投下作戦は、飢餓が心配されるアフガンの民衆に、「合衆国国民からの贈り物」(包装紙の表書き)
を届けるためだったが、自軍の爆弾との塗り分けまでは考えていなかったようだ。(10/31)
http://miiref00.asahi.com/international/kougeki/K2001103102596.html


[朝日新聞10月31日]
赤ちゃんに「オサマ」「ビンラディン」名流行 タイ南部

イスラム教徒の多いタイ南部で、赤ちゃんに「オサマ」や「ビンラディン」と名付ける親が増えて
いるという。マレーシア国境にあるヤラー県では、出生届を受け付ける職員が
「男の子にも女の子にも多く、流行になっている」と話す。
仏教国・タイのイスラム教徒は全人口の約4%。米国によるアフガニスタンへの攻撃で市民が犠牲
になっていることに抗議して米国製品の不買運動を呼びかけるなど、対米感情は悪化している。
ヤラー県職員によると、イラクのサダム・フセイン大統領や、リビアの最高導者カダフィ氏にち
なんだ名前も目立つという。(10/31)
http://miiref00.asahi.com/international/kougeki/K2001103102433.html


[朝日新聞11月 1日]
国連特別代表、タリバーンと極秘に会談

イスラマバードのアフガニスタン関係筋によると、パキスタンを訪問中のブラヒミ国連事務総長
特別代表は30日夜、アフガニスタン・タリバーン政権のザイーフ駐パキスタン大使と、極秘に
イスラマバードで会談した。ブラヒミ氏は、タリバーン最高指導者のオマール師にあてたアナン
国連事務総長の親書を手渡した模様だ。
しかし、両者は会談の事実を公式には否定している。会談の内容は明らかでないが、ブラヒミ氏は、
国連がアフガン国内の人道支援を重視しており、米国の軍事行動の早期終結を望んでいることを訴え、
タリバーン側に理解と対話による打開を求めたものとみられる。
会談について、ザイーフ大使は31日、「国連から打診があったが、オマール師の指示で断った」と述べた。
国連関係者も「タリバーンから会談の要請があったが、日程調整がつかなかった」としている。
国連に対して強硬姿勢をとっているタリバーンの立場から、会談は極秘の扱いにしている模様だ。(11/01)
http://miiref00.asahi.com/international/kougeki/K2001103103063.html


[朝日新聞11月 1日]
アフガン最大のダムが空爆被害 タリバーン発表

アフガニスタンのタリバーン政権は1日、同日未明の米軍の空爆で、南部ヘルマンド州にある同国最大のダムが決壊寸前になる被害を受けたと語った。アフガン・イスラム通信(AIP)が伝えた。政権報道官は「これ以上爆撃を受ければダムは決壊し、数千人が命を落とす危険性がある」と述べ、米国を非難した。タリバーンの拠点カンダハルなどへ電力を供給していた水力発電施設も破壊された模様だ。
一方、米軍は1日未明にかけて、パキスタンへ抜ける東部の拠点ジャララバード近郊を攻撃、約20人が病院へ運ばれた。このなかには先月11日に多数の民間人犠牲者が出たクラム村も含まれている。(11/01)
http://miiref00.asahi.com/international/kougeki/K2001110103332.html


[朝日新聞11月 1日]
地上戦での徹底抗戦、準備できている タリバーン外相

アフガニスタンからの報道によると、タリバーン政権のムタワキル外相は10月31日に拠点のカンダハルで記者会見し、米軍が本格的な地上戦に出た時には徹底抗戦する方針を明らかにするとともに、すでにその準備が整っていると述べた。
地上戦をにらんだタリバーンの動きとしては、国連の援助機関が大がかりな徴兵を報告している。また、国境付近で待機するパキスタンの義勇兵について「今は空爆の標的になるだけだから必要ない」(ザイーフ駐パキスタン大使)としており、時期をみて合流させる考えを示している。
ムタワキル外相はまた、最高指導者オマール師が安全な所に避難していると述べた。タリバーン内部に対立があるとする見方については否定した。外相は穏健派の代表格で、動向が注目されている。(11/01)
http://miiref00.asahi.com/international/kougeki/K2001110100254.html


[朝日新聞11月 1日]
「ターゲット探しに難航」 アフガン空爆で米側

1日に開かれた日米安保高級事務レベル協議(SSC)の審議官級会合で、米側がアフガニスタン空爆について「航空優勢は確立したが、攻撃するターゲットを見いだすことが非常に難しくなっている」と述べた。タリバーンに対する制空権は米軍が握ったものの、主力部隊や最高指導者オマール師らの行方がつかめず、軍事行動が手詰まりになっている状況を説明したものだ。
そのうえで米側は「航空、宇宙など様々な手段で情報収集にあたっている」と説明した。(11/01)
http://miiref00.asahi.com/international/kougeki/K2001110103424.html


[朝日新聞11月 2日]
アフガン、90万人餓死の可能性 ブラヒミ特別代表訴え

国連でアフガニスタン問題を担当するブラヒミ事務総長特別代表は1日、訪問先のパキスタンで記者会見し、アフガンへの緊急援助が再開されなければこの冬で90万人の餓死者が出る可能性があると強調し、米国に空爆の即時停止を訴えた。
国連が主導しようとしているアフガン問題の解決策についてブラヒミ氏は「アフガンは他者を傷つけ脅迫するのに使われている」「国連がタリバーンと敵対することはない」と述べ、オサマ・ビンラディン氏の引き渡しを前提に、協議にタリバーンを加える可能性に初めて言及した。
また「今ある政府がそのまま(和平後の)暫定政府になることはないだろう」と述べ、多数派のパシュトゥン人を排除した「北部同盟政権」について否定的な見方を示した。ブラヒミ氏は国際社会がアフガニスタンの問題にこれまで無関心だったことを強く批判。食糧や越冬用品を配布する緊急支援や、インフラ整備などの復興支援に「すべての国が本気で取り組んでもらいたい」と述べた。(11/02)
http://miiref00.asahi.com/international/kougeki/K2001110200016.html


[朝日新聞11月 2日]
「反戦クラブ」結成計画の米女子高生を停学処分

米軍のアフガニスタン攻撃に心を痛めた米国の高校2年の少女が、校内で反戦クラブを組織しようとして、停学処分を受けた。処分を取り消すよう求めて提訴したが、「この時期の反政府活動は教育現場を混乱させる」と裁判官も停学を支持した。
ウェストバージニア州チャールストンにあるシソンビル高校に通うケイティ・シエラさん(15)。10月中旬から「アフガンで死んでいく子供たちをテレビで見て、国家安全保障の新しい意味に気付いた」と手書きしたTシャツを着て登校。戦争中止を求める「無政府主義クラブ」を結成しようとビラを配布し、約20人の賛同者を集めた。
これを知った校長は「この難局下に反政府主義を標ぼうするのは、真珠湾攻撃の直後の米国で日の丸を振りかざすようなものだ」と3日間の停学処分にした。教育委員会も全面的に支持した。シエラさんの祖父はベトナム戦争に出征し、おじは湾岸戦争に従軍したという軍人家庭。それでもシエラさんは「学校に表現の自由を侵害された」と30日に提訴した。
審理では原告として自ら陳述し、「米国がアフガンの人々に対して今やっていることは、テロリストが米国民に対してしたことと同じ。どちらも間違い。戦争中止のメッセージを学校の仲間に伝えたかった」と訴えた。11月1日に言い渡された判決は「学校教育を混乱させる」という理由で、反戦Tシャツを着用すること、無政府主義クラブを旗揚げすることの両方をシエラさんに禁じた。(11/02)
http://miiref00.asahi.com/international/kougeki/K2001110201046.html


[朝日新聞11月 2日]
パキスタンのイスラム教徒に決起促す ビンラディン氏

英BBC放送やカタールの衛星テレビ局アルジャジーラなどに1日、米国へのテロの首謀者とされるオサマ・ビンラディン氏の署名入りの声明が送られた。内容はパキスタンのイスラム教徒に向けて、アフガニスタン攻撃を続ける米国に対する闘争に立ち上がるよう呼びかけたものだ。
声明は、米軍などを中世の十字軍に例え、世界はキリスト教を象徴する十字架のもとに集まる陣営と、イスラムのもとに集まる陣営に二分されたと説明。
「パキスタン政府は十字架のもとに走った」として、「イスラムを支える者たちは、今こそイスラムを守るために立ち上がれ」と訴えている。ビンラディン氏の声明とされるものは、これまでにも、米英軍の攻撃開始直後に流された本人のビデオ映像や、署名入りの手紙などがある。いずれもアルジャジーラだけが報じたが、同テレビ局の報道が同氏側の宣伝になるのを懸念する米政府が、規制を試みたことがある。今回の声明は、複数のメディアに連絡したことが注目される。(11/02)
http://miiref00.asahi.com/international/kougeki/K2001110200317.html


[朝日新聞11月 2日]
米軍、投下食糧パックの色を「青」に変更 爆弾混同問題

米軍のアフガニスタン空爆で使われている「集束爆弾」の不発弾と、空中投下される食糧パックが同じ黄色に塗られている問題で、マイヤーズ統合参謀本部議長は1日、食糧パックの色を今後、青に変えると明らかにした。
国防総省での記者会見で明らかにした。同議長によると、デザインも変更する。すでに発送してしまった食糧も多いため、実際にいつから青色に変更できるのかは不明だという。ただし、集束爆弾自体が、地雷禁止運動団体などから「大量の不発弾が戦後も残り、地雷と同じような問題を残す非人道的な兵器だ」と使用停止を求められている問題については、「使う時は慎重に検討している」(マイヤーズ議長)として、考慮しない方針を示した。
集束爆弾は1発の大きな爆弾の中に、数百個の小弾頭が含まれている。敵の野戦部隊を殺傷するのが目的だが、小弾頭の数が多く、大量の不発弾が残る。99年のユーゴスラビア空爆では、缶状の小弾頭を拾おうとした子供らが死亡した。(11/02)
http://miiref00.asahi.com/international/kougeki/K2001110202512.html


[朝日新聞11月 2日]
米軍の投下食糧、難民に届かず 市場の店頭に

北部同盟が支配するアフガニスタン北東の町・ホジャバルディンの市場で、米軍が人道支援として投下している食糧が売られていた。ホジャバルディン周辺ではこの1週間で少なくとも4回、米軍の食糧投下があったという。うち2回は商店主など比較的豊かな層の多い、村中心部に投下された。商店を営む男性(70)宅には1週間前の深夜、「ザー」と雨のような音とともに40個ほど降ってきた。縦30センチ、横20センチほどの黄色い袋に、英語で「米国民からの贈り物」、英仏西の3カ国語で「1人が1日に必要な食糧が入っています」と書いてあった。中には野菜の煮物や豆のサラダ、ピーナツバター、クラッカーなどのパックが約10個。スプーンも入っている。商店主は自分の店の隅に積み、一つ3万アフガニ(約50円)で売りに出した。「みんな同じものを拾ってるから売れないね」と話す。あとの2回は砂漠地帯に落下。車でないと取りにいけない。ホジャバルディンから東に約3キロいくと難民キャンプがある。食べ物に困っている約1000世帯、6000人が暮らす。が、この付近に食糧が投下されたことはないという。グーラム・ラスールさん(35)は「アメリカの食糧? 街と砂漠にしか落ちないから。拾いに行く車もない」。妻と5人の子を抱え、冬をどう越すかで頭の中はいっぱい。「食糧を落とす場所を選んでほしい」と話す。(11/02)
http://miiref00.asahi.com/international/kougeki/K2001110202873.html


[朝日新聞11月 2日]
アフガンに潜入した元国王派指導者をタリバーン追撃

アフガン・イスラム通信(AIP)の報道によると、反タリバーン勢力のアフガニスタン人指導者が工作のため、アフガン国内に潜入し、タリバーン軍の追撃を受けている。米軍がヘリコプターで救出を試みているが、成功していないようだ。潜入したのは、ハミド・カルザイ氏。ザヒル・シャー元国王の復帰を支持するパシュトゥン民族の指導者の一人だ。
反タリバーン工作のため、10月上旬に部隊を連れて、パキスタンからアフガン内に潜入したが、南東部のウルズガン州デラワド地区に潜んでいるのをタリバーン軍に見つかり、攻撃を受けたらしい。激しい銃撃戦となり、カルザイ氏側の4人が死亡した模様だ。米軍のヘリコプター4機が救援に出動。カルザイ氏は銃撃をかいくぐって脱出を試みているようだが、タリバーンに阻まれ、ヘリもカルザイ氏に近づけない状態になっているという。反タリバーン勢力の動きでは、10月下旬に元司令官のアブドゥル・ハク氏がアフガン国内でつかまり、タリバーンに処刑された。(11/02)
http://miiref00.asahi.com/international/kougeki/K2001110200707.html


[朝日新聞11月 3日]
元難民の女性、米からアフガンに向け放送

米国の政府系ラジオ放送「アメリカの声」(VOA)がアフガニスタンに向けて現地の言葉パシュトゥー語で放送している。責任者は、元アフガン難民の女性だ。宣伝機関とみられがちなVOAだが、同時多発テロ後、タリバーン最高指導者との単独インタビューを、国務省の反対を押し切って放送する気骨も見せた。
午前9時半、ワシントンのVOA本部のスタジオ。「ようこそ『アメリカの声』パシュトゥー語放送へ」とアナウンスが流れ、放送が始まった。アフガニスタン時間で午後7時にあたる。9月11日の同時多発テロ以来、特別の番組編成に切り替わり、ほとんどニュース一色になった。1日2回だった放送が4回に倍増された。パシュトゥー語放送部門長のスポジャマイ・マイワンディさん(50)は自らアナウンサー役も務める。カブール大学で英文学を学んだ後、米国の援助機関や大使館に勤めていた。82年、ソ連軍の侵攻にあった故国からパキスタンに逃れ、米国へ。VOAのパシュトゥー語放送の創立からかかわった。アフガンに残ったきょうだいもいる。「空爆が私の心に影響していないと言えば、うそになる。我々はあのころソ連の空爆を伝えたのに、今度は米国が空爆する。多くのアフガン人が『なぜ味方がそんなことをする』と混乱している。空爆を歓迎したのは、政治的な動機のある一部の人だけ」という。「でも、私は職場の建物に入る時、その思いは捨てる」
マイワンディさんは9月中旬、VOA英語放送の記者がインタビューを申し込んでいたタリバーン政権の閣僚を探して電話をかけていて、偶然、「最高指導者のオマール師とならいま話せる」と持ちかけられた。上司と相談して取材したが、国務省の横やりが入り、放送は数日遅れた。「オマール師本人が、『どうせVOAは私のインタビューなど放送しないんだろう』と言っていたので、それは違うと示すことができた」。タリバーンについては「彼らには多くの悪い点があるが、治安を良くしたことは事実だ」と冷静にみている。空爆が始まった後の10月12日、アフガン・タリバーン支配地域のジャララバードから、聴取者参加番組に電話が入った。その男性は「米国はタリバーンやアルカイダしか空爆しないと言っているが、うそだろう。この近くの村がやられた」とまくしたてた。アナウンサーが「どこの村か正確に教えて下さい」と問いかけると、電話は切れてしまった。タリバーンが、「ジャララバード近くの村で民間人被害が出た」と主張して外国人ジャーナリストに公開したのは、その数日後のことだった。(11/03)
http://miiref00.asahi.com/international/kougeki/K2001110301589.html


[朝日新聞11月 3日]
ラマダン中も徹底抗戦 タリバーンがアルジャジーラに

アフガニスタン・タリバーン政権の高官は3日、カタールの衛星テレビ局アルジャジーラに対し、「米国の攻撃が続く限り、ラマダン(断食月)中も戦闘は続く」と語った。
高官は「すべては米国の出方しだいだ」と指摘。そのうえで、今月中旬から始まるイスラム教の神聖月ラマダン中の戦闘について、「攻撃に対する抗戦はイスラム教徒の義務であり、ラマダンに背かない。アフガン人はその準備ができている」と述べた。
さらに、米国での同時多発テロの首謀者とされるオサマ・ビンラディン氏についてふれ、「彼を守ることは宗教的義務だ」と話した。
(11/03)
http://miiref00.asahi.com/international/kougeki/K2001110301625.html


[朝日新聞11月 4日]
「国連は犯罪のための道具」ビンラディン氏がビデオ声明

カタールの衛星テレビ局アルジャジーラは3日、オサマ・ビンラディン氏が声明を発表する様子を収めた映像を放映した。ビンラディン氏は国連を「イスラム教徒に対する犯罪行為を支えるための道具と化している」と激しく非難した。
同氏は米英軍がアフガン攻撃を正当化するための証拠は何もない、としたうえで、国連の対応を批判。パレスチナやカシミール帰属問題なども挙げ、「国連は傍観しているだけ」とし、イスラム教徒の抱える問題を国連の場で解決しようというのは「偽善だ」と批判した。さらに「国連に手を貸すアラブ諸国のリーダーたちは、不信心者に成り下がっている」とも述べた。声明はアフガン国内で収録されたとみられるが、撮影日時、場所については明らかになっていない。(11/04)
http://miiref00.asahi.com/international/kougeki/K2001110301633.html


[朝日新聞11月 4日]
アフガンの市場に「駐ロバ場」 逃げないように番人

アフガン北部・ホジャバルディンのバザール(市場)に数百頭のロバが並ぶ。この村で週2回ある恒例の市を訪れる買い物客や商人のための「駐ロバ場」だ。
逃げないよう番人が見張る。料金は1頭1万アフガニ(約15円)。続く戦乱で平均収入が低いうえ道路の整備が遅れているため、市民にとって交通の主役は車ではなくロバだ。近くに家畜を売る青空市場もある。自動車は「放っておいても逃げない」(村人)ため、駐車場はない。(11/04)
http://miiref00.asahi.com/international/kougeki/K2001110401621.html


[朝日新聞11月 7日]
アフガン空爆1ヵ月で民間人の死者633人 AIP集計

アフガン・イスラム通信(AIP)が6日午後に行った集計によると、10月7日に始まった米軍の攻撃によってアフガニスタン国内では計633人の民間人が死亡し、1000人近い負傷者が出た。
民間人の死者は全国30州のうち12州で確認され、タリバーン政権の本拠地、カンダハル州で204人と最多の死者が出たという。次いでナンガハル州163人▽カブール州92人▽ヘラート州79人▽バルク州32人▽パルワン州22人▽カピサ州18人▽クンドゥーズ州、ヘルマンド州各5人▽ファラ州、パクティア州各2人−−など、広域にわたっている。カブールの死者の中には、地雷除去活動をしていた非政府組織(NGO)の職員4人が含まれている。パルワン州では米軍の攻撃が標的からそれ、反タリバーン勢力である北部同盟の支配地域にある村が爆撃を受けたと、AIPは伝えた。(11/07)
http://miiref00.asahi.com/international/kougeki/K2001110603035.html


[朝日新聞11月 7日]
元国王派のカルザイ氏、パキスタンに脱出 米軍が手助け

パシュトゥン人指導者ハミド・カルザイ氏がアフガニスタン国内で反タリバーン工作に失敗したと伝えられたが、ラムズフェルド米国防長官は6日の会見で、同氏が米軍のヘリでパキスタンに脱出したことを明らかにした。
長官は「一時国外に脱出する要請を受け、米軍がそれに協力した。軍事的な意味での救出作戦ではない」と述べた。カルザイ氏はパキスタンに一定期間滞在したあと、アフガニスタンに戻る計画だという。同氏は元国王派。アフガニスタン南部へ戻すことも米軍が協力するつもりだと同長官は述べた。(11/07)
http://miiref00.asahi.com/international/kougeki/K2001110700824.html


[朝日新聞11月 9日]
米軍の空爆でパキスタンのイスラム過激派85人死亡

パキスタンの複数の宗教筋によれば、タリバーンといっしょに北部同盟軍と戦っていたパキスタンのイスラム過激派「ハラカト・ジハード・イスラミ」の戦士85人が8日、北部マザリシャリフ南方90キロの激戦地サマンガン州ダライスフ付近で米軍の空爆を受けて死亡した。
北部同盟が攻略を目指しているマザリシャリフの近郊州では、タリバーンに交じってアラブ人やパキスタン人兵士らが戦っていると伝えられる。空爆によってパキスタンの過激派の死亡が明るみに出たのは先月、カブールへの攻撃でカシミールの武装過激派が爆死したのに次ぐものだ。(11/09)
http://miiref00.asahi.com/international/kougeki/K2001110902240.html


[朝日新聞11月 9日]
踏まれても強い「オサマ靴下」が人気 パキスタン

米国が同時多発テロの首謀者とするオサマ・ビンラディン氏の名前をつけた「USAMA」靴下がパキスタンで売り出され、人気を呼んでいる。
米国のアフガニスタンへの軍事行動に、隣のイスラム教国パキスタンでは反発が強まっている。空爆が始まった10月7日ごろから店頭に並び始め、飛ぶように売れているという。ひとつ15ルピー(約30円)。パンティーストッキングのような生地だが、バザールの商店主は「踏まれても強い。丈夫で長持ちなところがうけている」。(11/09)
http://miiref00.asahi.com/international/kougeki/K2001110901000.html


[朝日新聞11月 9日]
英皇太子にカーネーションで一撃 報復攻撃反対の女性

英国のチャールズ皇太子が8日、訪問中のラトビアで、英国が参加するアフガニスタンへの攻撃に反対する若い女性から赤いカーネーションで顔に「一撃」をくらった。皇太子にけがはなく、女性はまもなく警官に取り押さえられた。皇太子はバルト諸国を訪問中で、ラトビア独立記念碑の近くで子どもたちに話しかけようと立ち止まったところだったという。(11/09)
http://miiref00.asahi.com/international/kougeki/K2001110900009.html


[朝日新聞11月 10日]
北部同盟がマザリシャリフ制圧 タリバーン当局認める

アフガニスタン北部の要衝マザリシャリフが10日、米軍の支援空爆を受けた反タリバーン勢力北部同盟軍によって制圧された。タリバーン当局が同日認めた。98年以来、同市を支配し、空爆前までアフガン全土の9割まで支配してきたタリバーン政権にとっては軍事的にも政治的にも大きな痛手になった。
マザリシャリフ市内ではウズベク人の民兵らが銃を持ってパトロールしている。アフガン・イスラム通信は同市内は完全に北部同盟に制圧されたとしている。タリバーン兵士らは10日未明から郊外に敗走を始め、同市内では、残っていたタリバーン兵が拘束されているという。
マザリシャリフは本来ウズベク人を主体にした土地で、歴史的にもウズベキスタンとの交流が親密だった。現在の人口は約20万。今後、北部同盟軍は約70キロ北方に国境を接するウズベキスタンやロシアなどから陸路伝いに容易に武器弾薬の補給を受けることができることになり、劣勢だった北部同盟はマザリシャリフを拠点に首都カブール攻略へ大きな弾みがつく。ウズベキスタンやタジキスタンに複数の作戦基地を確保している米軍も、アフガン国内の拠点都市マザリシャリフの空港確保により、この地からタリバーン支配地への攻撃の前進基地として本格使用できることになった。北部同盟は、パンジシール渓谷の西端に近いジャブルサラジ方面からカブールを攻略する構えを見せているが、バーミヤンが北部同盟の手に奪還されれば、マザリシャリフからバーミヤン経由の進撃ルートも確保できることになり、タリバーンは窮地に立たされることになる。
一方、マザリシャリフが米軍の支援を受けた北部同盟によって陥落したことで北部同盟は空爆前まで全土の1割足らずの2州(バダクシャン州とタカール州)しか支配していなかった苦境から一気に脱し、北部の主要7州を奪還した。特に97年までマザリシャリフの支配者だった北部同盟のドスタム将軍はこの機会に再び失地回復をめざしており、今後、北部同盟の中のタジク民族系ラバニ派などとの主導権をめぐる確執が表面化してくる恐れもある。(11/10)
http://miiref00.asahi.com/international/kougeki/K2001111000255.html


[朝日新聞11月 10日]
ビンラディン氏が核兵器保有明言 パキスタン紙報道

パキスタンの有力紙ドーンは10日付朝刊で、アフガニスタンに潜伏するオサマ・ビンラディン氏が核兵器と化学兵器を保有していると述べた、と報じた。同氏は、9月11日の米国での同時多発テロについて「攻撃は女性や子どもを標的にしたものではなく、本当の標的は米国の軍事力、経済力の象徴だった」と語って正当化し、テロへの関与を否定しなかった。
インタビューは、11月7日にカブール近郊の極秘の場所で、同紙グループのハミッド・ミール編集局長によって行われたとしている。その中で、ビンラディン氏は、米国のブッシュ大統領の演説を聞いたことを指摘しながら「彼は、ビンラディンが大量破壊兵器として核を使いたがっていると言い、欧州諸国を怖がらせている」「もし米国がわれわれに対して用いれば、報復に使う権利があることを宣言する。抑止力として保有している」と述べたという。「これらの兵器をどこで得たか」という質問には答えなかった。(11/10)
http://miiref00.asahi.com/international/kougeki/K2001111000344.html


[朝日新聞11月 10日]
前米大統領の娘、チェルシーさんが反戦集会に乱入 英国

クリントン前米大統領の一人娘、チェルシーさん(21)が、留学先の英オックスフォードであった反戦集会に押しかけ、「ニューヨークのテロの犠牲者を忘れるな」などと激しくやじり、参加者のひんしゅくを買った。チェルシーさんは日ごろ大学内の反米ムードに不満や孤立感を感じていたといわれ、それが爆発したようだ。
英タイムズ紙のインターネット版によると、チェルシーさんはオックスフォード大学の大学院で国際関係論を学んでいるが、8日夜、約500人が集まった反戦集会が始まった直後、米国人の友人十数人と愛国主義的なスローガンを叫びながら会場に押しかけ、数人が司会者に近づいて星条旗を振りかざし、集会の進行を妨害した。英紙「モーニング・スター」の編集者が、アフガニスタン国民の受けた空爆被害とメディア論を述べ始めると、チェルシーさんらはニューヨークのテロの犠牲者のことを忘れるなと叫んだという。チェルシーさんはボディガードに守られてほどなく会場を離れた。演説した学生のひとりは「平和的な議論を妨害するなんて、恥ずかしいことです」と話している(11/10)
http://miiref00.asahi.com/international/kougeki/K2001111000628.html


[朝日新聞11月 11日]
米パ首脳、北部同盟の首都制圧認めず

ブッシュ米大統領は、パキスタンのムシャラフ大統領と10日、ニューヨークで会談した。会談後の共同記者会見でブッシュ氏は、アフガニスタンの北部同盟は首都カブールには進撃しないよう求める考えを示し、首都制圧をしなくとも「軍事目的は達成できる」と述べた。ブッシュ氏は、パキスタンに対し総額10億ドル以上の支援を与える方針も示した。ブッシュ氏は、アフガンの安定化には「各民族を代表する政権形成が必要だ」とし、そのために「首都カブールをどう扱うかがカギとなる」と指摘。北部の要衝マザリシャリフを制圧した北部同盟について「さらに南進するよう求めるが、カブールは別だ」と述べた。
北部同盟の首都制圧に反対しているムシャラフ氏は会見で「旧ソ連が撤退した後のカブールでは虐殺など惨劇が起きた。北部同盟が進攻すれば、同じことが起きる」と語った。ブッシュ氏は、パキスタンの強い要請を受けて北部同盟に首都を制圧させない方針を決めたとみられる。ムシャラフ氏は、米国が会談で「パキスタンの懸念に対し最大限の援助を確約した」と評価し、「両国関係の新しい夜明けだ」と述べた。米側はパキスタンの国境管理強化、難民対策のための資金供与や、債務返済の繰り延べなどで大規模な経済支援を提供。軍事交流の強化の方針も示し、パキスタンへの協力を再強化したとみられる。ブッシュ氏は10、11両日、国連を舞台にパキスタンや、アフリカ、南米など10カ国の首脳と会談し、テロ対策への協力を中心に協議した。(11/11)
http://miiref00.asahi.com/international/kougeki/K2001111100138.html


[朝日新聞11月 11日]
ビンラディン氏のアフガン滞在裏付け パキスタン紙会見

パキスタンの有力紙ドーンが7日、国外逃亡説も出ていたオサマ・ビンラディン氏と単独会見したのは、首都カブール近郊だった。会見したハミッド・ミール編集局長によれば、夜中に目隠しをされ、カブールで小型四輪駆動車に乗せられて、近くの会見場所に連れて行かれた。とても寒く、(タリバーンの)対空砲火の音が遠くで聞こえたという。首都近辺の地形から考えてカブール北部の前線からそう遠くない山間部だった可能性もある。
車から降りて秘密の会見場で待っていると、ビンラディン氏が十数人のボディーガードとともに姿を現したという。ビンラディン氏は米国同時多発テロが起きて間もなく、カンダハルの家を出て、馬でウルズガン州方面に姿を消したとされていたが、先月にはカブール近辺で姿を見かけたという情報が流れたこともあった。(11/11)
http://miiref00.asahi.com/international/kougeki/K2001111100383.html


[朝日新聞11月 12日]
北部同盟がバーミヤンも制圧、北部全域に支配広げる

アフガニスタンからの報道によると、北部の要衝マザリシャリフを制圧した反タリバーンの北部同盟は11日、中部の拠点バーミヤンも奪回した。さらに西のバドギス州から東のタカール州まで北部全域に支配地域を拡大しつつある。カブールの北部にはすでに急襲部隊を待機させており、首都奪回の態勢も整えつつある。
戦線のこう着が予想されるラマダン(イスラム教の断食月)や冬季の訪れを前に、北部同盟が、首都攻略を含めてどこまで支配地域を広げるかが、焦点になってきた。アフガン・イスラム通信(AIP)によると、北部同盟軍はバドギス州の中心都市カレイナウを陥落させ、さらに西部の拠点ヘラートに向かっている。バーミヤンでは、タリバーンの知事と兵士約300人が投降したと伝えられ、タリバーン側の一部には士気の低下もみられる。
米軍は、タカール州やカブール周辺などで、北部同盟を支援するようにタリバーン軍前線への空爆を続けている。タリバーン軍は、いずれの拠点も大きな抵抗をせずに放棄しており、山岳地帯で戦線を再整備したうえ、いずれかの時期にゲリラ的な抵抗を試みる可能性もある。
首都攻略を実行するかどうかについては、米国や隣国パキスタンが反対していることもあり、微妙な情勢だ。ただ北部同盟は首都への進撃に備えて、マザリシャリフからカブールに至る補給路の確保を進めている。(11/12)
http://www2.asahi.com/international/kougeki/K2001111200299.html


[朝日新聞11月 12日]
アルカイダのテロ実行、ビンラディン氏認める 英紙

11日付の英日曜紙サンデー・テレグラフは、米同時多発テロの主要容疑者とされるオサマ・ビンラディン氏が先月末にアフガニスタンの山岳地帯で撮影された支持者向けの極秘ビデオで、自分の率いる組織「アルカイダ」がテロを実行したと初めて認めた、と1面トップで報じた。
同紙によると、ビンラディン氏は「我々の仲間を殺害することに復しゅうすることがテロならば、歴史は我々がテロリストであることの目撃者となる」と述べ、世界貿易センターは「世界を害する米国経済を支える」正当な攻撃目標であり、突入した旅客機のハイジャック犯はアラーの神に祝福された、と主張した。また、ブッシュ米大統領とブレア英首相は「力しか理解できない」と非難、「彼らが我々を殺害する都度、我々が報復することで恐怖の均衡が保たれる」と述べた。さらに日本、オーストラリア、ドイツなどに対し、テロの対象となることをほのめかし、米英の攻撃に関与しないよう求めているという。(11/12)
http://miiref00.asahi.com/international/kougeki/K2001111100183.html


[朝日新聞11月 12日]
「中立逸脱」と冊子回収 JETROアジア経済研

経済産業省所管の特殊法人である日本貿易振興会(JETRO)アジア経済研究所が、米国同時多発テロ事件とその後の空爆などに関してアジア各国の新聞論調をまとめたリポートが、印刷後に回収されていたことが分かった。日本政府や米国の外交姿勢への批判と受け取れる記述が含まれていたためとみられる。リポートは「同時多発テロをアジアはどう見たか−各国の新聞論調から」という題で、約100ページの小冊子。10月24日に2千部発行される予定だった。アジア各国の専門家である同所の研究員がアジア19カ国・地域の主要新聞の論調について、米国との関係や政府の対応などを交え紹介していた。同研究所賛助会員の企業や研究者などに配られる予定だったが、印刷後に研究所の上層部から配布にストップがかかり、回収されたという。また、内容は同研究所のホームページにいったん掲載されたが削除された。関係者によると、特に問題になったのは、冊子の冒頭で、執筆した研究者側がリポートの目的や手法を説明した部分。
「日本政府はいかに素早くかつ顕示的に、アメリカへの支援を打ち出すか腐心した」などの記述が客観的で中立的ではないとされた。テロ事件への反響の記述で「タイやインドネシアでは新聞の社説、論評などでアメリカのごう慢な外交姿勢を批判する見解が紹介されている」といった表現があったことも適切でないとされたという。研究所内部には「社会科学の研究機関でそこまで自粛するべきではない」「政府に批判的な内容とまでは言えない」との声があがっているという。同研究所では「中立的、客観的でない部分を修正するよう執筆者側に求めたが応じなかったので、結果的に発行を取りやめた。リポートは研究所内で所定の審査を経て発行される決まりで、今回はその手続きを踏まずに印刷された」と説明している。同研究所は60年に、当時の通産省所管の特殊法人として、開発途上国の経済、政治、社会問題の研究のために設立され、98年に特殊法人改革の一環でJETROと統合された。(11/12)
http://www2.asahi.com/international/kougeki/K2001111200015.html


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