映画

感想 08年 07年 06年 05年 04年下期 04年上期 03年下期 03年上期 02年下期 02年上期 01年下期 01年上期 2000年下期 サークル案内 広島映画案内 表紙へ

感想

最近見た映画の感想

日付 映画名 映画館 感想
2008年12月 その土曜日、7時58分 サロンシネマ ニューヨーク郊外にある小さな宝石店に強盗が押し入る。物語の軸となるのは、事件をきっかけに崩壊していく家庭だ。人生にすでに失敗している兄弟は、それを修正しようとしてもすべて裏目に出て、より悪い方にころげ落ちていく…。『12人の怒れる男』『狼たちの午後』など硬派な作品で知られる、シドニー・ルメット監督。今年84歳という高齢だが、彼の創作意欲はとどまる事を知らない。
ニューヨークが田舎に思える地味な作り。家族愛はアメリカにはないのか?と思いたくなる作品。
ザ・ローリング・ストーンズ シャイン・ア・ライト 広島バルト11 言わずと知れたロック界の超ビッグネーム、ザ・ローリング・ストーンズのライブを、映画界の巨匠マーティン・スコセッシが撮り上げるという、夢のような共演が実現した作品。撮影されたライブの会場はNYのコンサートホール、ビーコン・シアター。収容人数2800人とストーンズのライブとしてはかなり小さな会場でのライブだけに、ステージとオーディエンスの一体感がより強調された映像となっている。またミックやキースらストーンズの4人のステージ上での表情を細やかに捉えつつも、ライブならではのダイナミズムもしっかりと映像に表現。ストーンズファンはもちろん、音楽好きならマストで見るべき作品と言えるだろう。
これは映画というよりコンサートです。それにしても、皆さん60歳を越えても元気。
252−生存者あり− 広島バルト11 タイトルにある“252”とは、「生存者あり」を示すレスキュー信号のこと。閉じ込められ、救助を求めるときに、2回、5回、2回の順で壁などを叩くことで生存者がいることを伝える信号になっている。大地震、海面の上昇、巨大台風など、予測をはるかに上回る自然の脅威でパニック状態となった大都会。その状況下で、生存者を助け出すために命を賭けるハイパーレスキュー隊の姿を描いたヒューマンドラマだ。地下鉄内に閉じ込められた元ハイパーレスキュー隊員・篠原祐司を演じるのは伊藤英明。
彼が良い役をこなしている。映画も素晴らしい出来でした。映画を見て、久しぶりに明るい気持ちになった。
ブラインドネス 広島バルト11 とある都会の街角。日本人の男が運転する車が交差点で立ち往生していた。突然目の前が真っ白になり、完全に視力を失っていたのだ。親切な男に助けられ家まで送り届けられるが、そのまま車を持ち去られてしまう。男は妻に付き添われ病院に。医者は、眼球に異常はなく原因はわからないと告げるが、各地では失明者が続出していた。車泥棒も、そして、診察した医者までも。驚異的なスピードで“ブラインドネス”は感染していった…。
突然の失明、怖いものがあります。それが感染するとは?
2008年11月 1408号室 広島バルト11 「呪われた部屋」が舞台という本作は、ホラーでもまさに直球勝負の作品。「幽霊を信じないオカルト作家」という、キング自身を皮肉ったような主人公が、呪われた部屋で恐怖のひと時を過ごす。
娘を亡くして心に痛手を負っているオカルト作家マイク・エンズリンの元に、一通の葉書が届く。それは「ニューヨークのドルフィンホテルの1408号室に入ってはいけない」とだけ書かれたものだった。調査を始めたマイクは、この部屋の宿泊客が次々と自殺を遂げたことを知る。ホテルの支配人の警告を無視し、部屋の宿泊を決めたマイク。しかし、恐るべき超常現象が彼を襲い始める…。
完璧オカルト映画、今頃?
彼が二度愛したS 広島バルト11 ニューヨークのオフィスの片隅で、ひとり黙々と仕事をこなす会計士ジョナサン・マコーリーの退屈で孤独な毎日は、弁護士ワイアット・ボースと出会ったことで一変する。お互いに名前も明かすことなく一夜限りの情事を楽しむエグゼクティブ限定の会員制秘密クラブの存在を知り、甘美でスリリングな夜にはまってゆくのだった。そんな中、名前が“S”で始まる美しい女に心を奪われるが、残忍な殺人事件に巻き込まれてしまう。
推理小説を読んでいるような映画、軽くて楽しめる。
レッドクリフ PartI アルパークシネマ 日本でも高い人気を誇る中国の史伝・英雄譚「三国志」。その中でも最も有名な合戦である「赤壁の戦い」を、名匠ジョン・ウー監督の手で映像化。壮大な戦いと戦の最中に繰り広げられる人間模様を2部構成で描いていく。第1部にあたる本作は周瑜、孔明を中心に「赤壁の戦い」に至るまでの経緯を丁寧な描写で追う。
周瑜が格好よすぎ。「三国志」のファンとしては戦いを一気に見たい。
ブーリン家の姉妹 広島バルト11 女の生きる道は厳しい。しかし、世継ぎとなる男子を産まなければ価値を認められない悲哀はあっても、男だけで歴史は作れない。後のゴールデンエイジを築いたのは女王エリザベス1世、つまり女であるということもまた史実なのだ。国王を離婚させるためにローマ・カトリックと決別させ、自らが王妃となりエリザベス1世を産んだアン・ブーリンと歴史上は無名だった妹メアリーの関係にスポットを当てたフィリッパ・グレゴリーの同名ベストセラー小説を原作に、どちらか一方が日の目を見れば、もう一方は影となる姉妹の愛と葛藤が描かれる。
落下の王国 サロンシネマ

『ザ・セル』のターセム監督が構想26年、撮影に4年の歳月を費やして完成させた、壮大なスケールの叙事詩。映画の撮影で怪我をし、主演俳優に恋人を盗られて生きる希望を失っていたスタントマン青年と、腕を怪我して入院中の少女が青年の「お話」で心を通わせていく。自殺願望のある青年が無垢な少女のために綴った物語は、いつしか青年自身を励ますようになるのだった。その物語は、万華鏡のような鮮やかな色彩で描かれていて、子供の頃胸をときめかせて読んだ絵本を映像に再現したかのよう。ベートーベンの交響曲第7番が締めくくるエンディングは、ラストを盛り上げ、いつまでも余韻を残してくれることだろう。

この道は母へとつづく 映画サークル
例会
広島県立美術館
2005年ロシア映画。
ロシアの貧しい孤児院で育った6歳のワーニャは、幸運にも裕福なイタリア夫婦の養子に選ばれる。しかし、ある日、友達の母親が突然現れたことで、彼の心が大きく揺らぐことになってしまう。「ほんとうのママに会いたい」という気持ちを抑えきれなくなったワーニャは、必死で文字を覚え、資料室の自分の出生記録を盗み読み、自分を捨てた母親を探すために院を脱走する。列車に飛び乗ったワーニャは心優しい人々に助けられながら、ついに母親の家を見つけるのだが・・。
これもロシアの新聞に掲載された実話から生まれています。
ミルコのひかり 今回は2本立てでした。 2005年イタリア映画。
1971年トスカーナ。映画をこよなく愛する10歳の少年ミルコは不慮の事故によって両目の視力を失ってしまう。両親から遠くはなれ全寮制の盲学校へ転校させられ心を閉ざすミルコ。ある日、学校の片隅で古ぼけた一台のテープレコーダーを見つけ、そこから知った音との出会いが彼に新しい世界の扉を開かせる。やがて彼の行動が、閉ざされた世界に留まっていたクラスメイトに夢と希望を与え、周囲の親や庶民を動かしていく。「音の魔術師」ーミルコ。この作品は盲目でもイタリアの映画界の第一線でサウンド・デザイナーとして活躍するミルコ・メンカッチの少年時代の実話に基づいています。
2008年10月 イーグル・アイ スカラ座 予想不可能な展開を繰り広げる未曾有のアクションシーンの連続。二転三転する人間の心の葛藤とストーリー展開。本作は“守るべき大切なもの”のために、命を懸けて立ち向かう男と女の姿を描くアクションドラマ。監督は、スリリングな演出に定評のあるD.J.カルーソ。主人公のジェリーを演じるのは、世界最高のヒットメーカー、スティーヴン・スピルバーグの秘蔵っ子シャイア・ラブーフ。
スリラーという宣伝文句はそぐわないです。アクションと謎解きが楽しい秀作。カメラの目、が主人公たちを追いかけている。これらの監視カメラは全てコンピューターに接続してあり遠隔操作が出来るというスパイ映画が沢山放映されてますね。テレビドラマの「24時」も人工衛星からの映像がスリリングで楽しい。
ホット・ファズ -俺たちスーパーポリスメン!- サロンシネマ

日本では劇場未公開だが、一部で熱烈なファンを生んだ『ショーン・オブ・ザ・デッド』のエドガー・ライト監督の長編2作目。ハリウッドではおなじみのポリス・アクションだが、イギリス映画にはほとんどないという。そこに目を付けた監督はポリスものだけでなく、イギリスの田舎の村に潜む謎やホラー風テイストも取り入れ作り上げた。主人公は優秀な成績だがやや人間味に欠けている、マジメで堅物な警官。そんな彼が、事件とは無縁の村にやってくる。しかし、彼の行くところ、やはり事件は起きる。定番の展開をなぞりつつも随所で微妙に外し、時には過剰な描写で、笑わせてくれる。劇中に流れるキンクスやTレックスといった往年のロックも魅力。
銃をぶっぱなすコメディ。明るい所がいい。

トウキョウソナタ シネツイン 2008年カンヌ国際映画祭「ある視点」部門で審査員賞作品。どこか満たされないところがあるものの、ごく普通の家族が父親のリストラをきっかけに崩れ始める奇妙なコメディ・ドラマ。借り物の価値観に流されて生きてきた男が、会社からオミットされた時、自分に何もないことに気がつく。主演は、『ゆれる』、『鬼がきた!』の香川照之と、近年、女優としての活動が目覚しい小泉今日子。
現在社会の一面です。
宮廷画家ゴヤは見た 広島バルト11 国王から貧しい人々まで、あらゆる人間の真実を描き出す天才画家ゴヤの目を通して、権力に執着することの愚かさと、いつの時代にも逞しく生き続けようとする人間の力強さがスクリーンに映し出される。数奇な運命をたどる架空の人物ロレンソとイネスをを演じるのは、『ノー・カントリー』のオスカー俳優ハビエル・バルデムと、ノーブルな美しさが光るナタリー・ポートマン。
最後の初恋 ワーナーマイカル 自分の夢よりも母親として主婦としての役割を優先してきたヒロインが恋に落ちるのは、人生初の挫折感を味わい苛立っている男だ。この出会いによって、傷心の2人は自分自身にも家族にも逃げずに向き合うことの大切さを知り、それぞれの人生を建て直す。ノースカロライナのアウター・バンクスにある小さな町の海辺で始まる極上のラブストーリーを繰り広げるのは、『コットンクラブ』『運命の女』に続く共演となるダイアン・レインとリチャード・ギアの名コンビ。彼らが見せてくれる大人ならではの抑制と情熱が心にしみる。原作は『きみに読む物語』でもお馴染みのベストセラー作家ニコラス・スパークスの小説。
次郎長三国志 サロンシネマ マキノ雅彦監督が二作目に選んだのは、チャンバラあり、笑いあり、感動ありの本格時代劇だ!叔父・マキノ雅弘監督の“十八番”とも言える『次郎長三国志』に満を持して挑んだ(マキノ雅弘監督は東宝で9部作、東映で4部作を手掛けている)。次郎長に中井貴一、その妻・お蝶に鈴木京香、追分政五郎に北村一輝、森の石松に温水洋一といった豪華な布陣。次郎長とお蝶の夫婦愛を軸に描かれながらも、リーダーの資質とは何かを見せてくれる次郎長の行動力は、時代劇の枠を超えて、現代にも通じるのかも知れない。
2008年9月 ウォンテッド アルパークシネマ 原作はマーク・ミラーとJ.G.ジョーンズによるグラフィックノベル。この独創的なストーリーを『ナイト・ウォッチ:NOCHNOI DOZOR』などで知られるロシアの鬼才ティムール・ベクマンベトフ監督の手で映画化した。ベクマンベトフ監督らしい独特のビジュアル世界の中で、流麗かつ迫力のアクションが繰り広げられる。ジェームズ・マカヴォイは劇中のウェスリー同様に肉体改造を実施。その甲斐あって、力強いアクションを披露している。アンジェリーナ・ジョリーもミステリアスな美女フォックスを魅力的に表現。
でも、アンジェリーナ・ジョリーの格好良さだけ目立つ作品ですなあ。

いつか眠りにつく前に
映画サークル
例会
広島県立美術館
人生の終わりを迎えるとき、あなたが最後に思い出すのは誰の名前だろう?ここでは2人の娘に見守られながらベッドに横になっているアンの脳裏には、過去の過ちと思っていた憧れの男性ハリスの名前だった。
「幸せになろうと努力して、怯えていないで、なぜなら人生に過ちなんてないのだから」
いい言葉です。人生のどんな瞬間も、いい思い出である。それが、例え失敗と思えることであったとしても。そうなのでしょう。
闘茶 tea fight サロンシネマ 中国から伝わり、日本、台湾など、各国で独自の発展を遂げたお茶の文化。お茶の味と技を競う、クロスカルチャーなエンターテイメントが登場。飲むと安らかな気分になる雌黒金茶と、反対に好戦的な気分になる雄黒金茶。タブーとされた雄黒金茶を巡り、日本・台湾の茶のプロフェッショナルがテイスティング対決を繰り広げていく。
お茶は心が落ち着きますね。闘うのは嫌ですが。
20世紀少年 広島宝塚 「ビッグコミックスピリッツ」で約8年間連載された浦沢直樹原作の人気コミックを実写映画化。シリーズ3部作という構成と、邦画では異例の60億円という製作費を投入し、壮大なスケールのストーリーの映像化を実現させたのだ。映画化決定が発表されると、誰がどの役をやるのかという話題がネット上で白熱したが、3作を通して出演する主要キャストは約300名。第1弾となる本作は、ケンヂ役を唐沢寿明、オッチョ役を豊川悦司、ユキジ役を常盤貴子と実力派が揃った。その他、香川照之、宇梶剛士、宮迫博之ら芸達者が並ぶが、特に豊川悦司の存在感は見事。彼が登場することで荒唐無稽なストーリーによりリアリティが。
2008年8月 イースタン・プロミス サロンシネマ 看護師のアンナは、病院で亡くなったロシア人少女の身元を探そうとする。しかし、それは、ロンドンの裏社会に存在するロシアン・マフィアの恐ろしい犯罪組織に繋がっていた。主演は、『ヒストリー・オブ・バイオレンス』に続けてクローネンバーグ監督とタッグを組むヴィゴ・モーテンセン、『キング・コング』のナオミ・ワッツ、『オーシャンズ13』のヴァンサン・カッセルほか。
裏社会の怖さを、刺青で表現。マフィアも2代目はぼんくら。
ハンコック アルパークシネマ

空を飛び、圧倒的な力を持ち、身体は銃弾を弾き、さらには不老不死。しかし性格は粗暴で周りのことなんかお構いなし! 事件は解決するが街は壊し放題――そんな型破りなヒーローの成長を映したアクション・ドラマ。嫌われ者の男が人々から愛される“真のヒーロー”になるために1つずつ学び、行動していく姿を、ユーモアをたっぷりと織り交ぜながら描いていく。主人公のハンコックを演じたウィル・スミスは、傍若無人な振る舞いの中にどこか哀愁を漂わせた演技を披露。その周囲をシャーリーズ・セロン、ジェイソン・ベイトマンらが固める。監督は『キングダム/見えざる敵』のピーター・バーグが務めた。
漫画の中のヒーロー、それもスーパーマン。

ハムナプトラ3 呪われた皇帝の秘宝 広島宝塚 中国を舞台に繰り広げられるハムナプトラシリーズの第3弾。ミイラから復活して世界の征服を目指す皇帝を打ち倒すため、リック、エヴリン、アレックスのオコーネルファミリーらが立ち上がり、戦いの中で親子の絆を深めていく。今作で監督は『ワイルド・スピード』のロブ・コーエン監督にバトンタッチ。CGをふんだんに使用し、雪山の戦闘など、迫力あるテンポのよいアクションを演出した。復活した皇帝を演じたジェット・リーはさすがの存在感を見せ、強敵として立ちはだかる。ブレンダン・フレイザーやジョン・ハナといったおなじみの顔に加え、マリア・ベロ、ルーク・フォードら新たに加わったメンバーが活きのいい演技を見せている。
続編らしい作り、前作を見た方が分かりやすいかも。
告発のとき サロンシネマ 初監督作品『クラッシュ』でアカデミー作品賞を受賞したポール・ハギスだが、その前年には『ミリオンダラー・ベイビー』で脚本賞を受賞している実力派。その後も『父親たちの星条旗』『硫黄島からの手紙』などの脚本を書き上げている。本作は、息子を失った父親が真実を探っていくというミステリー仕立てだが、他のハギス作品同様に派手さを廃した重厚な人間ドラマになっている。物語がラストに近づいた時、我々はこの物語が単なる謎解きではなく、重々しいテーマを含んだものであることを知るのだ。そしてそれは主人公ハンクの、今までの価値観をくつがえす結末であることも。父親ハンクを演じるトミー・リー・ジョーンズの演技がすばらしい。
缶コーヒーのコマーシャルで、宇宙人、ジョーンズ役で面白い彼が、今回の主人公、トミー・リー・ジョーンズ。毎朝流れるこのコマーシャル、楽しみしています。今回はイラク戦争、戦士の若者が国に戻っても、人間性が壊れていく。それを通して、戦争を訴えている。
ドラゴン・キングダム 広島ルーブル 中国をモチーフとした世界で繰り広げられるファンタジーアドベンチャー。孫悟空を解放して世界を救うため、如意棒を手に旅をする青年の戦いと成長を描いていく。主人公はあくまでマイケル・アンガラーノ演じる青年なのだが、それ以上に注目を集めてしまうのが当代きってのカンフーの達人、ジェット・リーとジャッキー・チェン。アクション俳優としてもカリスマ的存在である2人の初共演が実現とあっては、他がかすむのは致し方ない。かたや『少林寺』のような僧衣姿で、方や酔拳の使い手として臨む2人のバトルシーンは、スピード、テンポ、技のキレともに別次元。その見事さは瞬きすることすらもったいなく感じるほどだ。
孫悟空に指輪物語、何でもありか?
2008年7月 サン・ジャックへの道 映画サークル
第334回例会
広島県立美術館
ル・ピュイから始まる巡礼路は聖都サンティアゴまで千五百キロ。それはフランスとスペインを歩く二ヶ月に及ぶ長い道のり。そんな巡礼路を年間約8万人が歩いている。今、フランスではサンティアゴ巡礼が密かなブームとなり、バカンスや週末の休暇を利用して数日間だけ歩きに来る人も多い。
旅は人の心を結び付けてくれる。
崖の上のポニョ 広島宝塚 宮崎駿監督が自ら原作を手がけて描くのは、海辺の町と海そのものを舞台にした、少年と少女の物語。2人が出会い、冒険し、絆を育んでいく姿を、生き生きと映し出す。作画は全編においてCGを廃し、手書きでの表現にこだわった。中でも荒れた海のシークエンスでは、手書き故のダイナミックさが十分に発揮されている。海に沈んだ街の上を宗介とポニョの乗った船が走っていくシーンも印象的だ。
宗介とポニョの冒険に夢を見たいですね。
歩いても 歩いても シネツイン 『ワンダフルライフ』や『誰も知らない』など、国内外で高い評価を受けている是枝裕和監督の新作は、成長して巣立った子供たちと老夫婦の、ある一日をたどるホームドラマ。人生の黄昏期を迎えた老夫婦に原田芳雄と樹木希林、息子夫婦に阿部寛と夏川結衣、長女にYOUと、観終わればその見事な役者のアンサンブルに舌を巻くはず。料理する台所の様子、家族そろっての食卓の風景、墓参りへ向かう歩道――そんな何気ない場面で交わされる会話のひとつひとつから、お互いの微妙な関係が判明していくところに、脚本の素晴らしさがある。
樹木希林とYOUの味が何ともいえなく、良いですね。
奇跡のシンフォニー 広島バルト11 天才的な音楽の才能を持つ孤児の少年エヴァン、彼と意図せず離れ離れとなってしまったチェリストの母ライラと、元ミュージシャンの父ルイス。それぞれがそれぞれの想いを抱きながら、運命の再会を果たすために奔走するドラマ。音楽を愛し、信じる3人が、その音楽によって奇跡のように引き寄せられていく姿を感動的に描いていく。
音楽で親が見つかる。確かに奇跡ですね。
ザ・マジックアワー ワーナーマイカル 「マジックアワー」とは夕暮れ時のほんの一瞬、世界が一番美しく見える瞬間のこと。映画のセットのような港町を舞台に、ウソの映画撮影を交えながら登場人物それぞれの崖っぷちの葛藤が展開する本作は、これが監督第4作となる三谷幸喜の映画愛に溢れたノンストップコメディだ。主演はこれまでにないお茶目な一面を発揮し新境地を開いた佐藤浩市。日本を代表する美術監督・種田陽平が手がけた見事な「つくりものの街」で、降って湧いた主演映画に飛びつく売れない俳優に扮し、一世一代の大芝居となる「マジックアワー」を見せてくれる。中井貴一、唐沢寿明ら主演級の豪華な役者陣がワンポイントで登場する劇中映画の数々も楽しい。
楽しい楽しい舞台を見ているよう。三谷監督の得意技。
2008年6月 ナルニア国物語/第2章:カスピアン王子の角笛 スカラ座 映像化不可能と言われていたC.S.ルイスが遺した壮大なファンタジーの名作を映画化し、全世界で社会現象を巻き起こした『ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女』。その偉業を成し遂げたスタッフとキャストが再結集して贈る本作は、構想、スケール、ドラマ性において前作を遥かに凌いでいる。また、新たなる主人公、美しき悲劇の王子・カスピアン役に英国俳優ベン・バーンズを抜擢。時空を超越した美しさと気品は映画史に新たなる伝説を生むだろう。ちなみに、「ナルニア」シリーズでも最も人気の高いキャラクターの一人、ネズミのリーピチープも映像化され登場するというから、原作ファンもお楽しみに。
何作作るのでしょうか?
インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国 広島宝塚 言わずと知れたアドベンチャームービーの金字塔的シリーズの第4弾。伝説の神殿に納めることで神秘のパワーを得られるという幻の秘宝“クリスタル・スカル”を巡って、インディたちとソ連工作員との激しい争奪戦が繰り広げられる。このシリーズらしいテンポのよいトレジャーハントやアクションは健在で、伝説の都市探しや密林のカーチェイスなどで、ぐいぐい観客を引き込んでいく。インディを演じるハリソン・フォードはさすがに老いを隠せないものの、圧倒的な覇気と存在感はさすが。
テレビでの前作は、ハリソン・フォードの若さを感じますね。
ラスベガスをぶっつぶせ 広島バルト11

マサチューセッツ工科大学に通うベンは夢のハーバード大学医学部進学資格を得ながら、30万ドルの学費を捻出できずに頭を痛めていた。そんな時、ミッキー・ローザ教授から秘密の研究チームに誘われる。彼は優秀な学生たちにブラックジャックの必勝法であるカード・カウンティングを習得させ、ラスベガスに乗り込んでは大金を稼いでいたのだった。学費のためにチーム入りを決めたベンは天才的な数学力を発揮する。
MITの秀才学生チームによるラスベガス攻略というこの展開、実話を元にしている。
このラスベガスの話はよく似た映画を見た記憶がある。その時はブラックジャックだったのかどうか覚えていない。秀才学生チームがラスベガスで大勝するものであった。このようなカード勝負は目の前のディーラーと勝負をすることが原則である。知力がいるのはもちろんだが、体力も必要ですね。

オフサイド・ガールズ 広島映画サークル例会 2006年イラン映画。ドイツW杯への出場をかけたバーレーン戦が、テヘランのアザヂ・スタジアムで開かれようとしていた。そこへ男装をして何とかもぐりこもうとしている少女たちがいた。イランでは法律で女性のサッカー観戦が禁止されているのだ。厳重なチェックの中、スタジアムの外に作られた仮設留置所に、あえなく捕まった少女たちが次々に集めれてくる。やがて試合が始まり、中から熱狂の声が聞こえてくる。
「何故サッカーを見てはいけないか?」という少女の質問に、兵士が、「女性に、汚い、怒声を聞かせてはいけないから」と答える。面白いセリフである。
88ミニッツ サロンシネマ タイトルの「88ミニッツ」とは、主人公のジャック・グラムに宣告された“死までの時間”。その限られた時間に脅迫されながら猟奇殺人犯の正体を追う男の姿を描いたがこの作品だ。この88分が映画の中でもほぼリアルタイムに進んでいくため、より一層の緊迫感を味わえるサスペンスアクションに仕上がった。主演は言わずと知れた名優アル・パチーノ。
今回は教授の役だが、F日のバッチを出す。最近の当たり役は、刑事者が多い、というイメージ。日本では、年寄りの雰囲気でも、違うなあ。
相棒 広島ルーブル 気刑事ドラマが満を持しての映画化。警視庁の窓際部署・特命係に所属する2人――切れすぎる頭脳を持つ杉下右京と熱血正義感の亀山薫が、巨大マラソンを巻き込んだ陰謀に挑む。ドラマ版のテンポの良さと緻密に練られたストーリーという長所はそのままに、アクションや舞台をスケールアップ。ドラマ以上の緊迫感を味わえる。セミレギュラーキャラが次々と登場したり、ドラマ版ではめったに見られない右京のアクションシーンが見られたりするなど、ドラマファンには垂涎の内容。もちろんそちらを全く知らない人でも問題なく楽しめる。謎解きと追跡の連続に魅せられて、あっという間に上映時間が終わってしまう作品だ。
水谷豊のイメージがこのヒット作で昔とは違っていますね。
2008年5月 最高の人生の見つけ方 ワーナーマイカル タージマハル、ピラミッド、ヒマラヤを周り、レーシングカーでの対決やスカイダイビングにも挑戦し、人生のグランド・フィナーレを豪勢に飾るのは、これが初共演となるジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマン。言わずと知れた当代切っての名優2人、最高に贅沢な配役である。彼らはニコルソン演じる富豪エドワードの資金力で次々に“棺おけリスト”をクリアしつつ、かけがえのない友情を築いてゆく。そして、それぞれが心から求めていたものを見出し、一番大切なことを再確認するのだ。
いま、今、欲しい物は、やりたいことは、その人の年代で変わりますなあ。
若いとき、年取ったとき、死ぬ前。む、む、む。
ハンティング・パーティ サロンシネマ 1990年代、深刻な内戦を引き起こし、多くの死者を出したボスニア紛争。その中で国際的にも大きな問題になったのが8000人が殺害された「スレブレニツァの虐殺」。虐殺の首謀者カラジッチは国際法廷で有罪判決を受けたが、いまだに捕まっていない。本作はそのカラジッチをモデルにしたフォックスという男を、スクープを狙うジャーナリストたちが追う社会派エンタテインメントだ。
いちジャーナリストとカメラマンが戦争犯罪人を追いかけることが出来るのかな?
ヒトラーの贋札 サロンシネマ 「ナチスによるユダヤ人収容所もの」はたびたび映画化されているが、本作は一般にはあまり知られていない、紙幣偽造作戦に携わっていたユダヤ人技術者たちを描いた異色作だ。苛酷な環境下に置かれ、死がそこまで迫っている一般収容所に比べ、この秘密工場での待遇は破格といえるほどいい。しかしその裏には、死んでいく家族や同胞がいる。ナチスへの協力の負い目と、「生きたい」という思いの矛盾の中で、男たちはさまざまな行動をとる。孤高の犯罪者が仲間を救うために完璧な贋札を作ろうとする一方、正義感から仲間を危険な目に陥れてしまう技師もいる。究極の選択を迫られる人間たちを描き、自分ならどうするかを観客に考えさせる作品だ。
芸は身を助ける?
大いなる陰謀 ワーナーマイカル ベテラン・ジャーナリスト、ジャニーン・ロスは、未来の大統領候補と目されるジャスパー・アーヴィング上院議員の独占インタビューに赴き、対テロ戦争の新作戦について知らされる。同じ時刻、カリフォルニア大学の歴史学教授マレーは、優秀であるのに勉学に身が入らない学生トッドを呼び出し、志願兵となった教え子2人の話を始める。そして、アフガニスタンでは志し高い2人の若き兵士が最前線に送られていた。
無関心でいることは罪悪?
机上の作戦、今の日本政府のだらしなさと一緒。
ゼロ時間の謎 シネツイン 仮面の下に隠された欲望、結果としての殺人。莫大な遺産、執着、嫉妬、恐怖で複雑に絡み合う人間模様。ミステリーの女王アガサ・クリスティーが自ら生涯のベスト10の一本と認める傑作「ゼロ時間へ」を原作。
アガサらしいドラマだね。
2008年4月 王妃の紋章 広島バルト11 中国、五代十国、後唐の時代。重陽節を前に王家の人々は王宮に帰って来ていた。王と王妃の間は冷え切り、王妃は継子の皇太子と不義の関係を続けていた。しかし、皇太子には、付き合っている娘がおり、王妃は二人を裂こうとしていた。王妃は、密偵を放ち、王が王妃の健康のために毎日運んでくる“薬”の中身を突き止める。密偵を務めた侍医の妻もまた、悲しい過去があり、王に恨みを抱いていたのだった。
『HERO』『LOVERS』などのヒットを生み出したチャン・イーモウ監督だから映像が綺麗。ドラマは中国の宮廷で繰り広げられる愛憎劇。昔から裏切りの歴史です。
ヒットマン 広島宝塚 エージェント47は、遺伝子操作によってエリート暗殺者となり、コードネームでのみ世に知られている。彼のトレードマークは、命取りにもなる優雅さと揺るぎない精巧さ、そして仕事への確固たるプライドだ。そんなエージェント47でも、自らの人生の“予定調和の乱れ”を予測出来なかった。理由は、自分でも思いがけない良心という感情の目覚めと、謎のロシア人女性に抱いた、初めて経験する感情だった…。
ゴルゴ13のような、ヒットマン。人気ステルスゲームをもとにしてるところが似てくるのかも。
ブラックサイト 広島バルト11 今やニュースや専門知識などの多種情報や、音楽、動画などの娯楽をスピーディーに提供する場として、テレビ以上に生活に欠かせないアイテムとなっているインターネット。しかし、同時にそこは匿名性に乗じた多くの悪意が横行する無法地帯でもあり、ネット犯罪は増加の一途をたどっているが、そんな現状をタイムリーに反映し、全米で一大センセーションを巻き起こした本作。巧妙に立ち回る頭脳明晰な犯人と、捜査に躍起となるネット犯罪専門のFBI捜査官によるサイバー戦がスリリングに展開する。
日本の政府はこんな危機意識は無いようだ。
フィクサー TOHO緑井 NYの大手弁護士事務所に勤めるマイケル・クレイトンの専門は不始末をもみ消すこと。そんな仕事に嫌気が差していた時、大規模集団訴訟を担当中の同僚弁護士アーサー・イーデンスが、依頼人の農薬会社U・ノース社を裏切る行動に出る。マイケルは事態の収拾に乗り出すが、アーサーは訴訟を覆す恐るべき秘密を握っていた。一方、U・ノース社の法務部本部長カレン・クラウダーは追い詰められ非情な手段に出るのだった…。
「オーシャン11」をどうしても思い出す、ジョージ・クルーニー。
余りにも有名になった作品があると、イメージも出来てしまいますね。
ライラの冒険 黄金の羅針盤 スカラ座 フィリップ・プルマンによる傑作ファンタジー小説の第一部「黄金の羅針盤」を映画化。“ダイモン”と呼ばれる守護精霊が人に寄り添う科学と魔法が融合したパラレルワールドを舞台に、少女ライラが運命の冒険へと旅立つ姿を描いていく。
ファンタジー世界に思いっきり浸らせてくれる作品です。
出だしから、三部作のコマーシャルがあり、ビックリ。
春が来れば 映サ例会 2004年韓国映画。
トランペッターのヒョヌの夢は、交響楽団に入って名声を得ること。だが、その夢も実現しないまま、気がつけば中年の年齢になっていた。愛する人を幸せにする自信もない。いつの間にか不機嫌で頑なな人間になっていたヒョヌだが、ソウルから遠く離れた炭鉱町の中学校で吹奏楽部の指導をするうちに、人の心の温かさに触れ、ゆっくりと自分自身も成長していく。
最後のシーン。主人公が桜の下で横になるところがあります。ほのぼのとするシーンです。
2008年3月 再会の街で サロンシネマ ニューヨークの歯科医アランは美しい妻と二人の娘に恵まれ、さらに仕事は順調、他人もうらやむ生活を送っていた。ある日アランは大学時代のルームメイト、チャーリーを街で見かける。彼は“9.11”で妻子を亡くして以来、消息がわからなくなっていたのだ。
“あの悲劇”で心に傷を負い、時間が止まってしまった者と、方や仕事も家庭も順風満帆の男。“9.11”を起点にしながらも、2人の男の普遍的な友情の物語へと昇華していく感動の物語だ。
素晴らしい友情ですね。
カフカ 田舎医者 サロンシネマ フランツ・カフカの短編小説「田舎医者」を、山村浩二がアニメ化。1万枚以上の原画で綴られた本作は、オタワ国際アニメーション映画祭のグランプリ受賞という、日本人初の快挙を成し遂げた。
極端にデフォルメされて、難解。
同時上映の、「頭山」が楽しい。
ケチな男がサクランボの種を食べたために、頭に桜が生えて、トラブルに巻き込まれる。落語「あたま山」、新解釈を試みたアニメーション作品。