2000年ティスティングノート
もどる


4月例会のティスティング 2000.4.15.

VOLNAY PREMIER CRU , 1994
LES SANTENOTS
DOMAINE VINCENT

(黒田晴樹氏によるブラインドテスト)

色はややレンガ色を帯びた透明なルビー色。 華やかなサクランボの香りや、甘い香りが立ちのぼり、 上質で適度に熟成していることが期待できる。 口に含むと口中に甘味とベリーの香りが広がり、かつ しっかりした酸とタンニンが力強さと繊細さを与えている。 濃縮したサクランボの香りが素晴らしく、 また滑らかでビロードのような感触が幸福感を増してくれる。 ピノのフレッシュさを味わうちょうど飲み頃であり、 さらに数年たてばまた異なった複雑な風味を楽しませてくれるだろう。  コメント:三吉研一

VIRGINIE DE VALANDRAUD , 1996
SAINT-EMILION GRAND CRU

(萩原正芳氏によるブラインドテスト)

色はかなり濃いめというか黒っぽささえある。 香りは強くアルコールを感じる。開栓後時間がたつがまだまだ元気。 アルコールの中にも甘さを感じる。 ぬめりを感じるしっとりとした味はメルローの多さを示している。 やわらかさと新しい強さが共存し、口の中で美味しさがいっぱいに広がる。 料理に合わせるのは難しい。フィレ・ド・ブフを焼いただけのものに合わせたり、 パンだけでワインそのものの味を楽しむ方がよさそう。  コメント:中西健二

BOURGOGNE ALIGOTE , 1998
DIDIER MONTCHOVET

30〜70年の古木。アリゴテ種独特の酸味と、微発泡性がうまくバランスしている。 樽香もなく色も浅く深みもないが、喉にぐっとくるアタックとフレッシュな レタスを思わせるような香りは、寿司や夏の料理にはベストマッチ。  コメント:高橋正浩

TURSAN , 1995
BARON DE BACHEN
MICHEL GUERARD

バロック種60%、セミヨン・ソーヴィニョンB種30%、グロマンサン種10%
最初注がれた時のウォッ!と言ってしまうほどの濃い黄金色は、 ムルソーの様に強いフュメ香樽香を想像してしまうが、 意外とフルーティで、ハチミツの香り少しレモンの香りも感じながら 飲むとアルコールもそこそこあり酸味タンニンもバランスよく大変ウマイ! 地中海からランクドック、ジュランソン、カルカッソンヌの風景を 思いうかべながら素敵な気分にさせてくれる一品! ベシャメルソース系、ニンニクたっぷりの地中海料理など幅広く料理とも合いそう。  コメント:黒田晴樹

CHATEAU GAZIN , 1972
GRAND CRU , POMEROL

(中西健二氏のパリのおみやげ)

かすかにレンガ色を含んだ輝く薄めのルビー色。 香りをかぐとベリーの砂糖漬けの香りが圧倒的で、これに絡むなめし革などの香り。 口に含むと甘味を強く感じ、酸が素晴らしく生きていて繊細な感じ。 30年近く経っているなんて思えないし、パワーも十分。 やはりバラ、サクランボなどの香りが押し寄せ、たばこ、葉巻の香りもし、 複雑だが上品な引き締まった素晴らしいワイン。 日本ではこうは熟成しないね。  コメント:三吉研一

MADIRAN
CHATEAU BOUSCASSE , 1992

タナ種100%。すべて50年以上の古木。100%新樽。ノンフィルター。
深みのある黒みを帯びたクリスタルなルビー色。 とても輝きがあり健全なワイン。 ディスクは普通、ラルム優しくゆっくりとしたたる。 香りの芳香性はやや閉じ気味。濃縮した黒色のベリー。 グラスを廻すとさらにコーヒー、土。 アタックは、なめらかなタンニン、やわらかい酸、アルコールともバランスが良く、 まだまだ若い様である。 今後2〜3年、ないし〜10年が、それぞれ楽しめる。 合わせる料理は、フィレドブッフの赤ワイントリュフ添えその肉のジュを詰める、 又はジビエ、ピジョン、シベでもおもしろい。  コメント:長田康二

CHATEAU TALBOT , 1989

透明感があり輝きがある。レックはしっかりとして、黒みを帯びた紫色で 健全なワインである。 第一の香りは深い山の杉の香り、ベリー系のたっぷりした香りで、 グラスを廻すと同じ香りが増し、湿った山の土の香りとほんのり化学的な香りも感じる。 そして動物臭(なめし革)の香りもする。 口に含むとしっかりとした果実を感じ、苦みもあり渋みもしっかりとし、 そのバランスも良く、酸味も程々のフルボディの辛口ワインで、 アフターテイストはとても長い。 まだまだ若さを感じる'89のワインである。 3ヶ月前に'95を飲む機会があったのですが、とてもかたいイメージがあった。 比較すると少しは柔らかくなったが、そのイメージは維持していてまだかたく、 もっと年をとったタルボを飲みたい衝動にかられる。 料理を合わすなら、血の香りを感じる鴨や鹿と、しっかりとしたソースで 合わせてみたい。気になるワインである。  コメント:東博子


2000年ティスティングノート
|1月|2月|3月 |4月|5月|6月 |7月|9月 |10月|11月|12月|

|1996年 |1997年 |1998年 |1999年|