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最近見た映画の感想

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2014年12月


グォさんの仮装大賞 映サ例会 グォさんと老人ホームのみんなでテレビ番組の仮装大賞に出るという冒険談。歳を取ってもチャレンジ出来る勇気と、老人の悲哀が胸を打つ。
2012年、中国映画。中国の老人ホームも世界中の現代の姿です。ホームの老人は親子関係や病気や認知症など様々な問題を抱えています。そんな老人がテレビの仮装大賞に出場しようとする。コメディタッチで笑いが盛り込まれているが、人生の終末の迎え方を考えさせられる感動作品に仕上がっています。



天才スピヴェット サロンシネマ 天才的な発明をする少年は牧場でおおらかに育つ。授賞式に出るためにの冒険はアメリカを横断すること。行動が自由で楽しい。
『アメリ』などのジャン=ピエール・ジュネが、ライフ・ラーセンの小説「T・S・スピヴェット君 傑作集」を実写化したアドベンチャー。発明家を対象とした権威ある学術賞に輝いた10歳の天才少年が、授賞式出席のためにモンタナからワシントンへと向かう中で体験する冒険を映す。『英国王のスピーチ』などのヘレナ・ボナム=カーターをはじめ、ロバート・メイレット、ジュディ・デイヴィスらが出演。



ゴーン・ガール 八丁座 推理小説を読んでいるような謎解きのドラマに浸りました。映画紹介のリリコが映画の筋を語れない、と言っていた訳が分かります。惜しむらくは、最後がコメディになっていることが残念。
結婚5周年に突如姿を消した妻を捜す男が警察の捜査やメディア報道に追い込まれ、さらに妻殺害の疑いを掛けられてしまう物語を描くスリラー。アメリカの女性作家ギリアン・フリンのベストセラーをベースに、理想の夫婦が抱える秘密を暴く。監督は、『ソーシャル・ネットワーク』などの鬼才デヴィッド・フィンチャー。主演はオスカー受賞作『アルゴ』など監督業でも活躍するベン・アフレック、妻には『アウトロー』などのロザムンド・パイクがふんする。


オズの魔法使い バルト11 ジュディ・ガーランドの夢見る少女がとにかく可愛い。「虹の彼方にOver The Rainbow」の挿入歌が、今でも色褪せない名曲で、聴いていて楽しくなる。
1939年アメリカ映画。童話作家ライアン・フランク・ボームの児童小説『オズの魔法使い』を原作とする傑作ミュージカル映画。監督は、同年に公開された『風と共に去りぬ』のヴィクター・フレミング。「Over The Rainbow」など、現在も歌い継がれる名曲を生み出し、第12回アカデミー作曲賞、歌曲賞を受賞している。



インターステラー 109シネマズ 久々に往年のSFらしい映画を見た。地球の代わりになる星を捜す途中、五次元に迷い込み未来と過去の旅をする。世界観が楽しい。
『インセプション』などのクリストファー・ノーラン監督が放つSFドラマ。食糧不足や環境の変化によって人類滅亡が迫る中、それを回避するミッションに挑む男の姿を見つめていく。主演を務める『ダラス・バイヤーズクラブ』などのマシュー・マコノヒーを筆頭に、『レ・ミゼラブル』などのアン・ハサウェイ、『ゼロ・ダーク・サーティ』などのジェシカ・チャステインら演技派スターが結集する。深遠なテーマをはらんだ物語に加え、最先端VFXで壮大かつリアルに創造された宇宙空間の描写にも圧倒される。
2014年11月

マダム・マロリーと魔法のスパイス サロンシネマ 料理は楽しい。南フランスで、フランス・レストランの真ん前にインド料理の店を出す。天才料理人ハッサンがミシュランの星を捨てるところが格好いい。
『サイダーハウス・ルール』などの名匠ラッセ・ハルストレムが監督を務め、リチャード・C・モライスの小説を映画化した心温まるヒューマンドラマ。南フランスを舞台に、格式あるフレンチレストランと新勢力のインド料理店のバトルを絶妙なさじ加減で描写する。高慢なフレンチマダムを名女優ヘレン・ミレンが演じ、その宿敵をインドのベテラン俳優オム・プリが好演。


ザ・ゲスト バルト11 息子の戦友が、いきなり殺し屋に変わる。人体実験被験者とはいえ、その男は撃たれても死なないとは。いきなりのスーパーマンには恐怖を越えて笑ってしまった。
『サプライズ』や『V/H/S』シリーズなどのアダム・ウィンガードが放つサスペンスミステリー。戦地で命を落とした息子の戦友を名乗る男の訪問を受けた家族が、思いも寄らぬ正体と抱えていた彼の秘密を知っていくさまを追い掛ける。テレビドラマ「ダウントン・アビー」シリーズなどのダン・スティーヴンスが、快活ながらも不気味なものを内に秘めたミステリアスな男を演じる。

蜩ノ記(ひぐらしのき) バルト11 武士の生き様、一面では美化をし、家族愛を語る。武士は身勝手なものです。村で起こる、いざこざの解決方法は少々疑問がのこる。
直木賞作家の葉室麟のベストセラー小説を、『雨あがる』『博士の愛した数式』の小泉堯史監督が映画化した人間ドラマ。無実の罪で3年後に切腹を控える武士の監視を命じられた青年武士が、その崇高な生きざまを知り成長していく姿を師弟の絆や家族愛、夫婦愛を交えて描き出す。過酷な運命を背負いながらもりんとした主人公に役所広司、その監視役の青年には『SP』シリーズの岡田准一。


リスボンに誘われて シネツイン 夜汽車に乗って旅に出る。そんなノスタルジーに惹かれる現代。一冊の本でスイスからリスボンまで列車に乗った主人公。そこには魅力的な女性と冒険の日々。夢の世界です。
パスカル・メルシエのベストセラー小説「リスボンへの夜行列車」を、名匠ビレ・アウグスト監督が映画化。偶然手に入れた本のとりこになった高校教師が著者に会うためリスボンへ旅立ち、著者の家族や友人を訪ね回り彼の人生に触れるにつれ、自らの人生を見つめ直していく。主演はオスカー俳優ジェレミー・アイアンズ。


セラフィーヌの庭 映サ例会 自分が描いた絵が人に認められた時の喜び、それは誰でも有頂天になる。家政婦からだから、お金による勘違いも起きるというもの。ただ、その絵は狂気に見えた。
2008年フランス・ベルギー・ドイツ合作。1912年パリの郊外サンリス。家政婦として生計を立てていたセラフィーヌ・ルイは黙々働く。絵具を手作りして絵を描く平凡な毎日。ある日、画商にその絵を認められ、パトロンとなってくれる。しかし、29年の世界恐慌のあおりを受け、援助が止まると、純粋な心が壊れる。
2014年10月

チャイナタウン バルト11 1974年のアメリカ映画。1930年代のロサンゼルスに、ジャック・ニコルソンとフェイ・ダナウェイが暴れ回る。やはり、その時代の雰囲気が良いのだろう。
1930年代の退廃的なロサンゼルスの雰囲気を忠実に再現した、ミステリー映画の傑作。「チャイナタウン」の脚本を書いたロバート・タウンは同時期に「華麗なるギャッツビー」の脚本をオファーされ、しかしクラシックな小説の脚色よりも自分のオリジナル脚本にこだわり、ギャラが5分の1だった「チャイナタウン」を書くことに。第47回アカデミー賞では、『ゴッドファーザーPARTII』という強力なライバルの存在ゆえ脚本賞のみの受賞となったが、同年のゴールデングローブ賞では作品賞、主演男優賞、監督賞、脚本賞を独占した。



フランシス・ハ サロンシネマ ダンサーを夢見るフランシスも27歳。ニューヨークで生きる彼女の現実は甘くない。熱い本人の頑張りと、冷静な映画のタッチが良い。なぜにモノクロか?
『イカとクジラ』などで知られるノア・バームバックが監督を務め、自身のホームグラウンドであるニューヨークを舞台にモノクロの映像で描く一風変わった人間ドラマ。不器用な主人公が、彼女を取り巻く個性的な友人たちを巻き込みながら自分探しをする日々を生き生きと映し出す。『ローマでアモーレ』などのグレタ・ガーウィグがヒロインを好演。


誰よりも狙われた男 サロンシネマ アクションのないスパイ映画、ジョン・ル・カレの小説が原作になった。そのために出だしは退屈だったが、途中からはホフマンの演技に引き込まれた。ドイツでの諜報活動も興味深かった。
2014年2月に急逝したフィリップ・シーモア・ホフマン最後の主演作となった、ジョン・ル・カレの小説を実写化したスパイサスペンス。ドイツのハンブルクを舞台に、対テロ諜報(ちょうほう)チームを率いる男がテロリストの資金源となっている者の正体をつかんでいく。監督は『ラスト・ターゲット』などのアントン・コービン。



ジャージー・ボーイズ 109シネマズ ザ・フォー・シーズンズの成功と挫折。成功は才能、挫折は絵に描いたような金の使い込みの失敗からの仲間割れ。それでも60年代の音楽に心が弾みました。
『グラン・トリノ』などの名匠クリント・イーストウッドが監督を務め、ブロードウェイの大ヒットミュージカルを基に描くドラマ。1960年代にザ・ビートルズと並ぶほどの人気を誇ったアメリカのポップスグループ、ザ・フォー・シーズンズの光と影を数々の名曲と共に映し出す。グループの宿命でもあるメンバーの友情と不和、栄光と転落の物語が胸に響く。

アンダー・ザ・スキン 種の捕食 バルト11 スカーレット・ヨハンソンのエイリアンは可愛いのだが、何のために地球人を捕まえていくのか、その狙いが見えないまま物語が進んでいく。スコットランドの田舎の風景がその不気味さとマッチしている。
妖艶な容姿を武器に誘惑した男たちを餌食にする美しきエイリアンの運命を描いたSFスリラー。『マッチポイント』などの人気女優スカーレット・ヨハンソンが、初めてフルヌードに挑む体当たり演技を見せる。共演は『天使の分け前』などのポール・プラニガンら。「記憶の棘」以来の長編映画となるジョナサン・グレイザー監督。
2014年9月



アバウト・タイム 〜愛おしい時間について〜 TOHO緑井 タイムトラベル物は奇想天外なことばかりだが、ここでは人の生き方を教えてくれる素晴らしいお話に仕上がっている。失敗しながら成長する青年に心を打たれる。
タイムトラベルの能力を持つ家系に生まれた青年が意中の女性との関係を進展させようと奮闘する中で、愛や幸せの本当の意味に気付くヒューマンコメディー。『ラブ・アクチュアリー』などで知られるラブコメに定評のあるリチャード・カーティス監督が、恋人や友人、家族と育む何げない日常の大切さを描く。


記憶探偵と鍵のかかった少女 バルト11 人の記憶に入るという不思議な能力。それも探偵と言う。今回は相手のIQの高い少女に翻弄される。最後の謎解きの映像は見事。
他人の記憶に入り込める特殊能力を持つ探偵が、謎めいた依頼人の少女の記憶に隠された謎に迫るミステリー。スペインのホルヘ・ドラド監督が、巧妙な伏線がいくつも存在する不穏な空気漂うドラマを構築。『ビトレイヤー』などで存在感を放つマーク・ストロングが初めて単独で映画主演を果たす。



めぐり逢わせのお弁当 八丁座 間違った配達弁当相手と文通を始めてしまう。主婦の淡い恋の相手は定年前のおっさん。インドの現在の忙しい生活を画面にとらえ、人の心の触れ合いが素晴らしい。
本作で長編デビューを飾るインドの新鋭リテーシュ・バトラが監督と脚本を務め、インドの弁当配達システムを題材に描くドラマ。間違えて届けられた弁当が取り持つ孤独な男女の出会いと心に染みる交流を映し出す。『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』などのイルファン・カーンが主人公を好演。

ニューヨーク 冬物語 サロンシネマ フタバ・プレミア映画試写会。
1900年代のニューヨークで恋に落ちた彼女が病気で亡くなる。その男が100年の時を超えて現代で再会するのは果たして彼女か?この男、不死身?
余命が残り少ない令嬢と恋に落ちた男が100年の時を超えてたどる数奇な運命を、コリン・ファレル主演で描いた壮大なラブストーリー。マーク・ヘルプリンのベストセラー小説を、『ビューティフル・マインド』でアカデミー賞脚色賞を受賞したアキヴァ・ゴールズマン監督が映画化。ヒロインには美貌のジェシカ・ブラウン・フィンドレイがふんするほか、ラッセル・クロウ、ジェニファー・コネリー、ウィリアム・ハートなどオスカー俳優らが共演する。


フライト・ゲーム 109シネマズ 飛行機の中での殺人予告。スピードのあるアクションでハラハラする。犯人が不明と言う設定も面白い。保安官が犯人にされるところが少々無理筋か?
『エスター』などのジャウマ・コレット=セラ監督、主演に『96時間』シリーズなどのリーアム・ニーソンと『アンノウン』のコンビが再度手を組んだサスペンスアクション。ニューヨークからロンドンへ向けて飛び立った旅客機内で起きる連続殺人に立ち向かう機内警備担当の連邦保安官が、その意外な犯人と真相にたどり着くさまが描かれる。


駆ける少年 映サ例会 1985年イラン映画。
波止場に孤児で生きる少年。それでも元気いっぱいに走り回る。私の子供時代も島で走り回っていたことを思い出す。
場所はペルシャ湾沿岸の港町。少年アミルは浜辺の廃船に一人暮らす。ビン集め、水兵の靴磨きなどで生計を立てている。親もなく過酷な環境でありながらも、一人での生活を楽しんでいる。好きなもの、白い船、飛行機、外国の写真、友達、それと走ることだ。アミール・ナデリ監督の代表作。


チャップリン、ロイド、キートン サロンシネマ サロンシネマ開館の前夜祭の催しに出掛けました(抽選で当たり)。活動弁士:澤登翠さんによる楽しい語らいの中での上映会でした。「チャップリンの放浪者、豪勇ロイド、キートンの探偵学入門」。大いに笑いました。


ケープタウン バルト11 南アフリカでの刑事の執念のドラマだが、街の深い差別と貧困の闇を見事に表していました。現代だから余計に怖い。
オーランド・ブルームと、『大統領の執事の涙』などのフォレスト・ウィテカーが共演を果たしたサスペンスアクション。南アフリカの大都会ケープタウンを舞台に、そこに巣食う深い闇の世界をあぶり出す。キャリル・フェリーの推理小説「ZULU」を基に、『ラルゴ・ウィンチ 裏切りと陰謀』などのジェローム・サルがメガホンを取る。


あなただけ今晩は バルト11 午前十時の映画祭。アメリカ1963年。ハリウッド得意の舞台セット。ジャック・レモンのコメディが楽しい。
ハリウッド黄金期の大巨匠ビリー・ワイルダーの脚本・監督作品。60年の『アパートの鍵貸します』以来となるジャック・レモンとシャーリー・マクレーンのコンビが復活し、パリを舞台に瀟洒なラブコメディが展開される。
ワイルダー監督は、娼婦イルマの役に『お熱いのがお好き』('59年)でジャック・レモンとも共演したマリリン・モンローを起用するつもりであったようだが、残念ながら彼女は'62年8月に帰らぬ人となった。続いて白羽の矢が立てられたのが『アパートの鍵貸します』('60)のシャーリー・マクレーンであったが、マクレーンは「ワイルダー監督とレモンなら信頼できる」と、脚本も読まずにそのオファーを快諾した。



イントゥ・ザ・ストーム 109シネマズ 竜巻の恐怖。50年、100年に一度の異常気象が毎年起きている現代。アメリカでも日本でもその災害の恐怖がある。竜巻の映像の臨場感に感心し、生き残る人の知恵にも目を向けたい。
ジャンボジェット機も簡単に飲み込む直径3,200メートル、秒速135メートルもの巨大竜巻が襲来するさまを、臨場感あふれる映像で映し出す。メガホンを取るのは、『タイタニック』『アバター』などに携り、ジェームズ・キャメロン監督からの信頼も厚い『ファイナル・デッドブリッジ』などのスティーヴン・クォーレ。出演は『ホビット』シリーズなどのリチャード・アーミティッジら。



マダム・イン・ニューヨーク 八丁座 インドの主婦がアメリカに来て自由と英語に目覚める。幸せと思っていた日頃の生活の疑問。誰にもある中年女性の目覚めが、インドの女優の魅力で感動します。
英語ができず苦悩する主婦が一念発起して英会話学校に通い、コンプレックスを克服し生きがいを見いだしていく女性賛歌。英会話という小さなきっかけを通して人生の喜びを発見するヒロインの日々を、アクションやミュージカルといったこれまでのインド映画とは異なる語り口で描く。本作で長編デビューを飾る新鋭女性監督ガウリ・シンデーがメガホンを取り、数多くの出演作があるインドの女優シュリーデヴィが主演。



LUCY/ルーシー 109シネマズ 脳機能が100%に向かって覚醒したらどうなるか?このSF的発想が単純で楽しい。超能力からタイムマシンまで。ちょっと飛躍しすぎか?スカーレット・ヨハンソンが乗っている。
『レオン』や『ニキータ』などクールなヒロイン像を打ち出してきたリュック・ベッソン監督と、スカーレット・ヨハンソンが初めて組んだアクションスリラー。体内に埋め込まれた特殊な薬が漏れたことで脳機能が驚異的に覚醒し、人間離れした能力を発揮し始めるヒロインの暴走を描く。通常は10パーセント程度しか機能していない脳が、100パーセントへ向かって覚醒していくヒロインを見守る脳科学者役に、オスカー俳優モーガン・フリーマンがふんする。


もういちど イオンシネマ 江戸時代の落語家の生活、想像できない。落語は楽しいのだが、長屋の生活はあくまでも話の中。八やん、熊さんはそこにはいない。林家たい平のチャレンジには賛同は出来る。
「笑点」の出演でも知られる落語家の林家たい平が、企画と主演を務めた時代劇。江戸時代末期の深川を舞台に、落語の夢に破れて長屋に流れ着いた男が、そこに暮らす親子との触れ合いを通して前を向いていこうと決意する。メガホンを取るのは、人気アーティストのPVやライブ映像を手掛けてきた板屋宏幸。『もらとりあむタマ子』などの富田靖子、『南の島のフリムン』などのゴリが共演する。
2014年8月
エスケイプ・フロム・トゥモロー 109シネマズ ディズニーランドでの妄想。願望、現実逃避を夢の世界で実験したら?「無許可での撮影」は本当?だったら、もう少し面白く出来るだろうに?
世界的に著名なアメリカのテーマパーク、ディズニーランドなどの敷地で無許可で撮影を敢行したという異色作。仕事をクビになったさえない中年男が家族と一緒に訪れたテーマパークで遭遇する、現実と妄想の入り交じるシュールな体験を活写。悪夢的な内容や、夢と魔法のファンタジックワールドを、グロテスクな光景として映した世界観が衝撃的。監督、ランディ・ムーア。


あなたと私の合言葉 さようなら、今日は サロンシネマ 1959年大映、市川崑監督。京マチ子と若尾文子のホームドラマ。当時の大映の映画の楽しさがある。それにしても、京マチ子を除いて、役者みんなが大根のセリフ。笑える。
平凡連載の久里子亭の原作を、原作者自身と「ごめん遊ばせ花婿先生」の舟橋和郎が脚色、「炎上」の市川崑が監督した風刺喜劇。撮影は「軍国酒場」の小林節雄。音楽は塚原晢夫。京マチ子・野添ひとみ・若尾文子・川口浩・菅原謙二・佐分利信らのオールスター・キャスト。

複製された男 サロンシネマ 自分とそっくりな男を見つけた時の反応には驚く。普通は似ているね、でおしまいである。それをコピーされたと発想するドラマ。それも彼女、妻まで。不思議。また、最後の映像には唖然?
ノーベル文学賞作家でポルトガル出身のジョゼ・サラマーゴの小説を実写化したミステリー。至って普通の日々を送ってきた教師が、ある映画に自分と酷似した男が出ているのを見つけたことから思わぬ運命をたどっていく。メガホンを取るのは、『灼熱の魂』『プリズナーズ』などのドゥニ・ヴィルヌーヴ。



超高速!参勤交代 八丁座 笑えた〜。莫大な費用を要する参勤交代をわずか5日で行うという無理難題を知恵と根性で乗り切る。佐々木蔵之介の方言がまた素晴らしくて、笑い。
通常でも8日かかる参勤交代を5日で行うよう幕府から無理難題を押し付けられた小藩が、奇想天外な作戦の数々でピンチを切り抜けようとする時代劇。第37回城戸賞の入選作を、『鴨川ホルモー』などの本木克英監督が映画化した。資金も人数もない中、藩と領民を守るため奮闘する藩主には佐々木蔵之介、ヒロインを深田恭子が演じる。


パークランド ケネディ暗殺、真実の4日間 サロンシネマ 1963年(日本でのオリンピックの前年)の一番ショッキングな事件。この映像がお茶の間のテレビに流れたのです。映画は容疑者オズワルドの視点で描かれている。事件から半世紀だからの注目か?
世界中に衝撃を与えたジョン・F・ケネディ大統領暗殺事件直後の人間模様を描く群像劇。大統領が搬送された病院の医師やシークレットサービス、銃撃の瞬間を偶然撮影した一般市民など、さまざまな形で事件に遭遇した人々の視点で真実に迫る。名優トム・ハンクスと『羊たちの沈黙』『マンマ・ミーア!』などに携ってきたゲイリー・ゴーツマンが製作を務める。



頭山 広島2014
国際アニメーションフェスティバル
2014年アニメーションフェスティバル。久しぶりに山村浩二のアニメを見る。相変わらず楽しい。落語の楽しさと彼のアニメの手腕による。
大同生命のCM用アニメなども手がける作家・山村浩二のシュール短編。落語の「あたま山」を現代の東京に翻案し、色鉛筆やマーカーなどを駆使して通常のアニメと異なる技法で製作した(構想から完成までの期間は6年)。アニメーション映画祭の最高峰アヌシー2003で日本人初のグランプリも獲得している。さくらんぼの種まで食べたケチなひとりの男。頭から毛が伸びると思ったら、そのてっぺんに生えたのは何と桜の木だった。男に見物人が押し寄せる。



しゃべれども しゃべれども 映サ例会 映画では生徒の三人が話し方が下手、ということで話を進めますが、私には話を上手く想像できないことに理由の一つがあるのかもしれない、と思いました。しゃべりが下手でも、一生懸命しゃべれば思いは伝わります。素人が落語をすることは大変です。国分太一のその一生懸命振りが十分伝わりました。


るろうに剣心 京都大火編 バルト11 チャンバラ映画です。前作で慣れたからか、前編だからか、剣心の殺陣のスピード感がなかった。佐藤健のキャラクターは成功。
和月伸宏原作の人気コミックを基にした2012年の前作に続き、原作のクライマックスともいうべき「京都編」を前後編で実写映画化したアクション大作の前編。日本制圧をたくらむ強敵を倒すべく京都へと向かう、人斬り抜刀斎こと緋村剣心の活躍を描く。主演の佐藤健やヒロインの武井咲らが引き続き出演。


バトルフロント バルト11 ジェイソン・ステイサムらしいアクションを堪能する。麻薬潜入捜査官が引退をして田舎に暮らす、ということは多いのかもしれないが、アメリカの田舎は未だによそ者を受け付けないのだろうか?
シルヴェスター・スタローンが製作と脚本を手掛けたアクションサスペンス。この世を去った妻の故郷で一人娘と静かに暮らしていこうと決意した麻薬潜入捜査官だった男が、自分たちを執拗(しつよう)につけ狙う麻薬密売人を相手に壮絶な戦いを挑んでいく。主演に数多くのアクション作を誇るジェイソン・ステイサム、彼と対峙(たいじ)する密売人に『127時間』などのジェームズ・フランコ。その脇をウィノナ・ライダーやケイト・ボスワースら実力派女優が固める。



ブラジルに生きるヒバクシャ サロンシネマ 上映前ゲストトーク・日本公開版演出・編集 有原誠治さん、足立修一さん(広島公開を応援する会代表)
たった一晩限りですが、原爆が投下された8月6日、平和祈念の前夜という位置づけです。
被爆者でも、国内にいないと被爆者と認められなかった人たちの声です。
広島で21歳のときに被爆した森田隆は、1956年に妻子とともにブラジルに渡る。サンパウロでスーパーマーケット「すきやき」が成功。そこを拠点に、ブラジル在住の被爆者たちに呼びかけて、日本政府に対し援護を求める活動を開始。02年、在外被爆者の援護を求める裁判に参加し、健康管理手当支給の控訴審勝訴をした。




あいときぼうのまち サロンシネマ 4世代を上手く表現して福島を見つめている。素晴らしい出来である。その時代に生きた人の思いはその時代によって異なるが、人としてはみんな同じ。福島を忘れないことは大切です。
日本の原子力政策に翻弄(ほんろう)された一家の4世代70年にわたる葛藤を、四つの時代を交錯させて描く人間ドラマ。福島県出身の菅乃廣監督の父親が生前に発した「この奇病は昔原発で浴びた放射能が原因かもしれない」という一言をきっかけに企画され、脚本を若松孝二監督の弟子で、『戦争と一人の女』で長編初監督を務めた井上淳一が手掛ける。キャストには夏樹陽子、勝野洋、大谷亮介、千葉美紅が名を連ねている。

マイフィセント 109シネマズ まさにディズニーのおとぎ話そのもの。アンジェリーナ・ジョリーのメークには笑えたが、それ以上でも、それ以下でもない。子供向けのファンタジーです。「アナと雪の女王」はたまたま歌で流行ったが、こちらは無理でしょうね。
ディズニーアニメ『眠れる森の美女』ではオーロラ姫に呪いをかけた悪役だった、邪悪な妖精マレフィセントを主人公とするダークファンタジー。マレフィセントをアンジェリーナ・ジョリーが演じ、彼女の封印された過去とオーロラ姫を永遠の眠りにつかせる呪いをかけた理由が明かされる。監督は、『アバター』などのプロダクションデザインを手掛けたロバート・ストロンバーグ。
2014年7月



インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌 サロンシネマ フォークソングで育った年代としては、余りにも懐かしくて音楽に聞き惚れました。猫の映画、となっていますが、それは情けない。音楽に目を向けて欲しい。
第66回カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞したジョエル、イーサン・コーエン監督によるドラマ。フォークソングで有名な1960年代のニューヨークはグリニッジビレッジを舞台に、音楽活動に奔走しながらも苦闘するシンガー・ソングライターが過ごす1週間を見つめる。コーエン兄弟ならではのユーモラスな語り口に加え、詳細に再現された1960年代フォークシーンの描写も見もの。



グランド・ブダペスト・ホテル シネツイン 戦中での高級ホテルのコメディ。既に、この写真を見ただけで笑えそうな雰囲気が漂っている。独特の世界観がある。チャップリンの映画を見ているようでした。
『ダージリン急行』などのウェス・アンダーソン監督が、格式高い高級ホテルを取り仕切るコンシェルジュと、彼を慕うベルボーイが繰り広げる冒険を描いた群像ミステリー。常連客をめぐる殺人事件と遺産争いに巻き込まれた二人が、ホテルの威信のためにヨーロッパ中を駆け巡り事件解明に奔走する。主演のレイフ・ファインズをはじめ、エドワード・ノートン、エイドリアン・ブロディ、ジュード・ロウなど豪華キャストがそろう。


オールド・ボーイ バルト11 20年も監禁された暴力男の復讐劇。ジョシュ・ブローリンの演技には目を見張るが、犯人は同級生だった?にはちょっとねえ。
日本のコミックを韓国の鬼才パク・チャヌク監督が映画化したクライムサスペンスを、『マルコムX』などのスパイク・リー監督がリメイク。理由も一切不明なまま20年間も監禁され突然解放された男の壮絶な復讐(ふくしゅう)劇を、原作コミック、韓国版のベースを生かしつつ新解釈を織り交ぜて描く。『ミルク』などのジョシュ・ブローリンを主演に、『マーサ、あるいはマーシー・メイ』などのエリザベス・オルセン、そのほかシャールト・コプリー、サミュエル・L・ジャクソンらが共演。


ダイバージェント 109シネマズ 近未来では五つの共同体で社会が構成されているという。いずれにも該当しない異端者。その主人公の活躍は楽しいものがあるが、設定そのもが無理筋かもしれない。
アメリカでベストセラーを記録した、ベロニカ・ロスの小説「ダイバージェント 異端者」を実写化したSFアクション。軍事や警察を統括するドーントレスを筆頭に、五つの共同体で社会が構成された未来を舞台に、いずれにも該当しない異端者と判断された少女が自身の宿命をめぐる戦いに身を投じる。監督は『リミットレス』などのニール・バーガー。キャストには『ファミリー・ツリー』などのシェイリーン・ウッドリー、『M:i:III』などマギー・Q、『愛を読むひと』などのケイト・ウィンスレットら。



her/世界でひとつの彼女 八丁座 近未来、セオドアは人工知能サマンサと恋に落ちた。全てを理解してくれる相手との恋愛は理想かもしれないが、実際にはあり得ない。結局、人は変わらないが、コンピューターは進化してしまった。なかなか楽しい世界でした。
『かいじゅうたちのいるところ』などの鬼才スパイク・ジョーンズが監督と脚本を手掛けたSFラブストーリー。人工知能型OSの声に惹(ひ)かれる主人公と、生身の女性よりも魅力的なシステムとの恋のてん末を描く。『ザ・マスター』などのホアキン・フェニックスが主演を務め、彼が恋心を抱く声の主を『マッチポイント』などの女優スカーレット・ヨハンソンが好演。



ラストミッション バルト11 CIAエージェントをケヴィン・コスナーが演じる。アクションもセリフもウイットに飛んで楽しい。彼だと007シリーズにも負けない格好良さがある。
『ターミネーター4』などのマックGが監督を務め、『ダンス・ウィズ・ウルブズ』などのケヴィン・コスナーを主演に迎えたアクション。病に倒れた腕利きCIAエージェントが、パリを舞台に極悪非道なテロリストとの最後の戦いに挑む姿を活写する。脚本を担当するのは、数多くのヒット作に携ってきたリュック・ベッソンら。


オール・ユー・ニード・イズ・キル 109シネマズ 死んでも生き返って、戦場で同じ体験をすることを、「ループ」と呼んでいる。経験により強くなるのはゲームの世界。戦う相手は宇宙人。最後の謎解きはアイデアが良い。
作家・桜坂洋のライトノベルを、トム・クルーズ主演で映画化したSFアクション。近未来の地球を舞台に、ある兵士が戦闘と死をループしながら、幾度も戦闘するうちに技術を身に付けていくさまを描く。監督は、『ボーン・アイデンティティー』『Mr.&Mrs. スミス』などのダグ・リーマン。主人公と共闘する特殊部隊の女兵士には、『プラダを着た悪魔』などのエミリー・ブラントがふんする。
2014年6月

ハミングバード バルト11 戦場から逃げ出した元特殊部隊の男が、何故かロンドンでギャングになっているという。ジェイソン・ステイサムのアクションは相変わらず面白いが、少し無理筋かも。
戦場で犯した罪を背負い身を潜めて生きてきた元特殊部隊の男が、ある出来事を機に復讐(ふくしゅう)の鬼と化していくクライムアクション。イギリス社会の暗部に迫る緊迫感あふれるストーリーを構築したのは、『イースタン・プロミス』などの脚本家で本作が初監督作となるスティーヴン・ナイト。『トランスポーター』シリーズなどで絶大な人気を誇るジェイソン・ステイサムがスタントなしで肉弾アクションを繰り広げる。


ポンペイ 109シネマズ 以前に神戸博物館で見た、ポンペイ石膏像を思い出す。人体があった空洞に石膏を流し込むという手法で掘り出した像だからリアルであった。そのポンペイとグラディエーターを合体したドラマ。歴史を見た気がする。
火山の噴火で埋没した街ポンペイを舞台に、愛する人に全てをささげる主人公の奮闘を描く。ヒロインを『エンジェル ウォーズ』などのエミリー・ブラウニングが好演。ポール・W・S・アンダーソン監督がメガホンを取って放つ歴史アクション大作。


春を背負って 109シネマズ 原作の笹本稜平の山のドラマは相変わらず素晴らしい。立山の山小屋の映像と、松山ケンイチと蒼井優が上手く味を出している。
日本映画界を代表する名カメラマンであり初監督作『劔岳 点の記』が絶賛された木村大作による人間ドラマ。笹本稜平の小説を原作に、これまでの生活を捨て亡き父が遺(のこ)した山小屋を継いだ青年と、それぞれに居場所を求め小屋に集う人々との交流や家族の絆を描く。



世界の果ての通学路 サロンシネマ 世界の子供には過酷な通学路があった。それぞれの何十キロもの道には野獣がいたり、崖や川、砂漠がある。それでも学校に通う子供たちの目はいきいきしている。学校から子供の夢の実現に乾杯したい。
『MASAI マサイ』のパスカル・プリッソンが監督を担当し、四つの異なる地域で長時間かけて通学する子どもたちの姿を追ったドキュメンタリー。学校で勉強するため、それぞれ何十キロもの困難な道のりをひたすら進む児童たちの日常を追い掛ける。登場するのは、ケニアをはじめ、それぞれの地域の個性豊かな子どもたち。


トカレフ バルト11 ニコラス・ケイジの魅力たっぷりのサスペンスです。愛する娘のためにの復讐劇、犯人を捜していくと、何故か元ギャングの自分に戻ってくる。凶器のトカレフは自分のものだったのが分かった時の演技はさすが。
愛する娘を殺された元ギャングの男が、その犯人を探し出すと同時に事件に関わったロシアマフィアに復讐(ふくしゅう)を果たしていく。メガホンを取るのは、『恋するリストランテ』などの脚本を担当してきたパコ・カベサス。『リーサル・ウェポン』シリーズなどのダニー・グローヴァー、『ファーゴ』などのピーター・ストーメアら、実力派が脇を固める。


アクト・オブ・キリング サロンシネマ 50年以上の前のこととはいえ、当時のインドネシアの虐殺を映像にできたことに感心した。虐殺をした実行者は現在でも国民的英雄としてたたえられていると言う。ここではその当事者が自分たちの行為を映画にする、という手法。本当なのかなあ?と疑いながら見ていた。映像そのものは、筋書きも映像も幼稚で、醜いホームビデオのようではあった。
インドネシアで行われた大量虐殺を題材にし、ベルリン国際映画祭観客賞受賞、アカデミー賞にもノミネートされたドキュメンタリー。1960年代にインドネシアで繰り広げられた大量虐殺の加害者たちに、その再現をさせながら彼らの胸中や虐殺の実態に迫る。鬼才ヴェルナー・ヘルツォーク、エロール・モリス監督が製作総指揮を担当。
2014年5月


ラスト・ベガス バルト11 おやじ版「ハングオーバー」なのに、おしゃれだなあ。役者が違うとここまで違うものか?年を重ねた演技に感心。マイケル・ダグラス、ロバート・デ・ニーロ、モーガン・フリーマン、ケヴィン・クライン。
大物オスカー俳優たちが豪華共演を果たしたドラマ。老いても気持ちだけは子ども時代から変化のない友人たちが、ラスベガスを舞台に大騒ぎする一夜を描き出す。監督は『ナショナル・トレジャー』シリーズなどのジョン・タートルトーブ。友情に夫婦愛に恋愛などさまざまな要素が絡み合う極上の物語に引き込まれる。


WOOD JOB!(ウッジョブ)〜神去なあなあ日常〜 109シネマズ 「都会の若者が林業に目覚める」というドラマ、田舎の生活を笑えるタッチに良く仕上げている。主人公が感じる「木の香り」は良いものです。祭りの御柱の上に主人公を乗せるのはやり過ぎ。
『ウォーターボーイズ』など数々のヒット作を送り出してきた矢口史靖監督が、人気作家・三浦しをんのベストセラー小説「神去なあなあ日常」を映画化した青春ドラマ。あるきっかけで山奥の村で林業に従事することになった都会育ちの若者が、先輩の厳しい指導や危険と隣り合わせの過酷な林業の現場に悪戦苦闘しながら、村人たちや自然と触れ合い成長していく姿を描く。『ヒミズ』などの染谷将太をはじめ、長澤まさみ、伊藤英明、ベテラン柄本明らが共演する。



チョコレートドーナツ サロンシネマ ダウン症の少年を助けようとするゲイのカップル。あらゆる障害を乗り越える戦いには頭が下がる。少年の最後の姿には涙が止まらなかった。アラン・カミングの歌声にも心が洗われる。
1970年代アメリカの実話を基に、母親に見捨てられたダウン症の少年と一緒に暮らすため、司法や周囲の偏見と闘うゲイカップルの姿を描いた人間ドラマ。ゲイであるがゆえに法の壁に阻まれる苦悩を、テレビドラマ「グッド・ワイフ」シリーズなどアラン・カミングと、『LOOPER/ルーパー』などのギャレット・ディラハントが熱演する。




スタンリーのお弁当箱 映サ例会 2012年インド映画。子供の表情に笑顔で一杯になる。笑える授業風景、困った友達を知恵で先生を惑わせる同級生、お弁当箱のバライティな楽しさ。最後はインドの貧困の現実を見せる。
低予算で脚本なし、スター不在、子どもとお弁当箱が主役というこの映画は、従来のインド映画では考えらない撮影スタイルだが、批評家からも観客からも高い評価を得てヒットした。


8月の家族たち 八丁座 メリル・ストリープとジュリア・ロバーツの母娘の罵り合いの喧嘩は迫力一杯でした。アメリカの片田舎も「あんなものかもしれない」と思える家族模様。その中でも救える話は無いのかなあ?
メリル・ストリープが病を患うも個性的な母親を演じ、一筋縄ではいかない家族の姿がつづられたヒューマンドラマ。 ピュリツァー賞とトニー賞を受賞した傑作舞台を基に、一家の主の失踪(しっそう)を機に数年ぶりに再会した家族が本音を明かし、秘密がつまびらかになる様子を通し、さまざまな問題を抱える家族のあり方を描く。長女役のジュリア・ロバーツをはじめ、ユアン・マクレガーやクリス・クーパーほか豪華キャストが集結。



ワン チャンス サロンシネマ にっこり映画館から帰ることが出来る心温まるドラマです。恥ずかしがり屋で本番で上がって失敗をするオペラ志望の若者が、最後のワン チャンスでテレビ番組に優勝をするサクセスストーリーです。
イギリスの人気オーディション番組での優勝をきっかけに、一夜にして携帯電話の販売員から世界的オペラ歌手となったポール・ポッツの半生を映画化。恥ずかしがりやでパッとしない容姿、不運続きの彼がオペラ歌手になるという長年の夢をかなえるまでを描く。監督は、『プラダを着た悪魔』などのデヴィッド・フランケル、主演は『人生は、時々晴れ』などのジェームズ・コーデン。



ブルージャスミン シネツイン セレブ生活の失敗から、転落したジャスミンの不幸のドラマだが、人間の欲という見方も出来る。ケイト・ブランシェットの演技に引き込まれる。
ウディ・アレン監督がケイト・ブランシェットをヒロインに迎え、サンフランシスコを舞台に転落人生の中でもがき、精神を病んでいく姿を描くドラマ。ニューヨークでセレブ生活を送っていたものの夫も財産も失ったヒロインが妹を頼りにサンフランシスコに引っ越し、再生しようとする過程で、彼女の過去や心の闇を浮き彫りにしていく。


オール・イズ・ロスト 〜最後の手紙〜 シネツイン ヨット航海の自由と海の美しい映像、それに海の驚異。引き込まれます。ただ、LOSTというより、実体は遭難です。サバイバルキットが全て新品ということに目が行き過ぎでした。
インド洋で遭難してしまいたった一人で孤独や命の危険との闘いを強いられた男を、名優ロバート・レッドフォードが演じるヒューマンドラマ。自家製ヨットでの気ままな航海の旅が事故により一転、大自然の猛威にさらされる中で、それでも生きようとする人間の強さを感動的に描く。
2014年4月

テルマエ・ロマエII 109シネマズ 相変わらず笑える続編です。お風呂を話題にここまでのドラマを作れることに感心。相撲にバスクリン、大いに楽しみました。
古代ローマの浴場設計技師が現代の日本へタイムスリップするヤマザキマリの人気コミックを実写映画化した『テルマエ・ロマエ』の続編。新たな浴場建設を命じられアイデアに煮詰まったルシウスが、再度日本と古代ローマを行き交うさまを描く。主演の阿部寛や上戸彩、市村正親ら主要キャストが続投し、ブルガリアに実物大のコロッセオを建設するなど大規模なロケを敢行。また、曙や琴欧洲ら現役、元力士も出演。

ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う サロンシネマ ひと晩に12軒のハシゴ酒、それだけを聞くと単なる呑み助のドラマと思っていたら、いきなり異星人が出てくるSFでした。中身がなく残念。
『ホットファズ 俺たちスーパーポリスメン!』などのエドガー・ライト監督、サイモン・ペッグ、ニック・フロスト主演という黄金トリオが放つSFコメディー。故郷の街でパブのはしごをする中年男性5人組が、いつしか世界存亡を懸けた戦いに身を投じるはめに。


ウォルト・ディズニーの約束 109シネマズ 「ウォルト・ディズニーの約束」と言うより、「児童文学者パメラの思い出」にして欲しかった。残念ながら、「メリー・ポピンズ」誕生秘話は見当たらず、彼女のトラウマが良く分かりました。
エマ・トンプソンとトム・ハンクスという英米のオスカー俳優が共演を果たし、傑作ミュージカル映画『メリー・ポピンズ』誕生秘話に迫る感動のヒューマンドラマ。ウォルト・ディズニーの映画製作の舞台裏を初めて描き、原作者と映画製作者の激しい攻防を情感豊かに映し出す。



コーヒーをめぐる冒険 サロンシネマ コーヒーは単なる小道具なので、原題の「OH BOY 」の方がぴったりするかも。映像はベルリンの現代を上手く表現していて楽しい。ドイツ人気質が興味深い。モノクロの意味は不明。
ドイツ出身のヤン・オーレ・ゲルスター監督が初めて長編のメガホンを取り、『素粒子』などのトム・シリングが等身大の主人公を好演するチャーミングな自分探しの物語。ベルリンの街を舞台に、不運な青年と一風変わった人々との出会いと別れの一日を描き出す。


ローン・サバイバー バルト11 ネイビーシールズの作戦と救出劇。戦場の過酷さは良く表現されていたが、明らかに作戦ミス。そのミスを映画化出来るアメリカのタフさはある意味いい面と言えるかも。
アメリカ海軍の特殊部隊ネイビーシールズ史上最悪の惨事と呼ばれるレッドウィング作戦の全貌を映画化した戦場アクション。実際に作戦に参加し唯一生還した兵士の回顧録を原作に、極限状況下の戦場の真実をリアルに描く。監督は、『ハンコック』などのピーター・バーグ。『ディパーテッド』などのマーク・ウォールバーグを主演。
2014年3月



アンコール! 映サ例会 2012年イギリス映画。
昨年の夏から二度目の鑑賞ですが、それでも感動と涙でした。亡くなる妻マリオンの愛と歌もいいのに、その上に、頑固じいさんアーサーの歌に愛を感じました。それで、また涙です。
舞台はロンドン。アーサーとマリオンは、性格が正反対だが仲の良い夫婦。マリオンの趣味は仲間との合唱。「年金ズ」と名を付けた合唱団は合唱コンクールに出るためのオーディションに出場。そん時は彼女はソロで歌えたが、病で亡くなる。その遺志で頑固者のじいさんが歌の稽古を始めた。さて合唱コンクールはどうなるか?歌声が聞こえます。

アナと雪の女王 バルト11 姉妹の「真実の愛」で締めくくる仕上げは流石のディズニー映画。ただ、それだけ?という感じで、物語の内容が薄いです。
アンデルセンの童話「雪の女王」をヒントに、王家の姉妹が繰り広げる真実の愛を描いたディズニーミュージカル。触れた途端にそのものを凍結させてしまう秘密の力を持つ姉エルサが、真夏の王国を冬の世界に変えてしまったことから、姉と王国を救うべく妹アナが雪山の奥深くへと旅に出る。



LIFE! 109シネマズ 空想の上、ついにそのまま旅に出た、という肩の凝らない話。映像がまた美しい。ベン・スティラーの飄々とした雰囲気が良いです。
凡庸で空想癖のある主人公が未知なる土地への旅を経て変化していくさまを、ベン・スティラー監督・主演で描くヒューマンドラマ。夢を諦め、写真雑誌の写真管理部で働く地味な中年男性が、ひょんなことからニューヨークをたち世界中を巡る旅を繰り広げる様子をファンタジックに映し出す。物語の鍵を握るカメラマン役で『ミルク』などのショーン・ペン、主人公の母親役で『愛と追憶の日々』などのシャーリー・マクレーンが共演。


それでも夜は明ける 八丁座 虐げられた黒人の奴隷制度。つい最近まであった差別のアメリカの歴史。訴えは心に響きましたが、残酷性を強調しすぎて、表現に物足りなさを感じました。オスカーの作品賞にしては?
奴隷制度がはびこっていたアメリカを舞台に、自由の身でありながら拉致され、南部の綿花農園で12年間も奴隷生活を強いられた黒人男性の実話を映画化した伝記ドラマ。監督は『SHAME -シェイム-』のスティーヴ・マックィーン、黒人男性を『2012』などのキウェテル・イジョフォーが演じる。共演には、マイケル・ファスベンダー、ベネディクト・カンバーバッチ、ブラッド・ピットら豪華キャストがそろう。


あなたを抱きしめる日まで シネツイン 50年前の息子を探す旅と聞いて、お涙ちょうだい映画と思いきや、ユーモアも交えたミステリーでした。修道院の信じ難い営利行為とその宗教に怒りですね。
10代で未婚の母となり幼い息子と強制的に引き離された女性の奇跡の実話を、『クィーン』などのスティーヴン・フリアーズ監督が名女優ジュディ・デンチを主演に迎えて映画化。ジャーナリストのマーティン・シックススミスによる「The Lost Child of Philomena Lee」を基に、50年前に生き別れた息子との再会を願う母親フィロミナの姿を描く。



大統領の執事の涙 八丁座 7人の大統領に仕えた、ホワイトハウスで働く黒人の執事の生涯は、アメリカの歴史そのものでした。黒人の解放の物語は見事でしたが、そのために執事の仕事が少し表現が足りなかった。
在したホワイトハウスの黒人執事の人生をモデルにしたドラマ。奴隷から大統領執事となり、7人の大統領に仕えた男の波乱に満ちた軌跡を追う。主演を務める『ラストキング・オブ・スコットランド』などのフォレスト・ウィテカーを筆頭に、ジョン・キューザック、ジェーン・フォンダ、テレンス・ハワードなどの実力派が結集。



ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅 シネツイン 当たってもいない宝くじを受け取りに、親子で車で旅をするという。その出版社が父親の故郷だから過去への旅にもなる。ゆっくりと流れる時間に心が洗われる。
『ファミリー・ツリー』などのアレクサンダー・ペインがメガホンを取り、頑固な父と息子が旅を通して家族の絆を取り戻す様子を描くロードムービー。大金が当選したという通知を信じる父とそれを怪しむ息子が、モンタナからネブラスカまで車で旅する途中に立ち寄った父の故郷で、父の意外な真実に遭遇しながらつながりを深めていく様子を映し出す。父と息子の役には、『帰郷』などのブルース・ダーンと『最凶家族計画』などのウィル・フォーテ。



ダラス・バイヤーズクラブ サロンシネマ HIVと薬害と製薬会社と国との戦いに拍手と感動。マシュー・マコノヒーの減量と鬼気迫る演技に圧倒される。
1980年代当時無認可だったHIV代替治療薬を密輸販売し、アメリカのHIV患者が特効薬を手にできるよう奔走した実在のカウボーイの半生を映画化した人間ドラマ。HIV陽性と診断されたカウボーイを『マジック・マイク』などのマシュー・マコノヒーが演じ、21キロも減量しエイズ患者という難役に挑んだ。『チャプター27』などのジャレッド・レトー、『JUNO/ジュノ』などのジェニファー・ガーナーが共演。監督を『ヴィクトリア女王 世紀の愛』のジャン=マルク・ヴァレが務める。



アメリカン・ハッスル シネツイン 70年代の悪徳政治家を罠にかける爽快さはギャグを沢山盛り込み、楽しい。スターも勢揃いだが、ブラッドリー・クーパーがハングオーバーの笑いとダブり困った。
1970年代後半のアメリカを揺るがした政治家などの収賄スキャンダル、アブスキャム事件を題材にしたサスペンスドラマ。自由と引き換えに、FBIが仕掛ける悪徳政治家検挙を狙ったおとり捜査に協力させられる詐欺師たちの姿を、スリリングに映し出していく。メガホンを取るのは、『世界にひとつのプレイブック』などのデヴィッド・O・ラッセル。『ザ・ファイター』などのクリスチャン・ベイルを筆頭に、ブラッドリー・クーパー、エイミー・アダムス、ジェニファー・ローレンスら、実力派スターが結集してクセのある登場人物たちを熱演する。


カッコーの巣の上で バルト11 1975年アメリカ映画。精神病院でのジャック・ニコルソンの熱演に当時はショックを受けたが、今見直すとロボトミー以外は平和なおおらかな病錬と見えた。
70年代初めから、『ファイブ・イージー・ピーセス』『チャイナタウン』といった主演作で数々の名演を披露してきたJ・ニコルソンが、ついにアカデミー主演男優賞に輝き、同時に作品賞ほか主要5部門を獲得したヒューマン・ドラマ。1960年代オレゴンの精神病院を舞台に、刑務所の強制労働から逃れるため精神異常を装って入院してきた男の、病院内の非人間的な管理体制に反逆し続ける姿を通し、人間の尊厳と社会の不条理を問う問題作。ちなみに「cuckoos」には鳥のカッコーの他に「気が狂った」という意味もある。つまり「カッコーの巣(Cuckoo's Nest)」とは精神病院を指しているのだ。

マチェーテ・キルズ バルト11 欧米でのギャグが我々は残念ながら笑えない。レディー・ガガ、メル・ギブソン等の豪華な脇役が可哀想か?喜んでいるのか?
鬼才ロバート・ロドリゲスと個性派俳優ダニー・トレホがタッグを組んだ、バイオレンスアクションの第2弾。メキシコ最凶の悪人と世界屈指の武器商人を相手に、大型ナイフの名手である元捜査官マチェーテが世界存亡の危機も絡んだ戦いに挑む。ミシェル・ロドリゲスやジェシカ・アルバをはじめとする前作のメンバーに加え、レディー・ガガ、メル・ギブソン、カルロス・エステベスことチャーリー・シーンといった豪華な面々が新参加。
2014年2月


小さいおうち 八丁座 人の生活、昭和の時代、織りなすドラマが細やかな作品に仕上がり、山田洋次監督の最近の作品の一番の出来になっています。黒木華さんは良かったですが、彼女だけがベルリン最優秀女優賞を取れたのは不思議?
第143回直木賞を受賞した中島京子の小説を、名匠・山田洋次が実写化したラブストーリー。とある屋敷でお手伝いさんだった親類が残した大学ノートを手にした青年が、そこにつづられていた恋愛模様とその裏に秘められた意外な真実を知る姿をハートウオーミングかつノスタルジックに描き出す。松たか子、黒木華、吉岡秀隆、妻夫木聡、倍賞千恵子ら、実力派やベテランが結集。


エージェント:ライアン 109シネマズ スパイ映画の王道を行く作品で、スピード感あるドラマが面白い。何処でも出てくるケヴィン・コスナーも年を取りました。
『レッド・オクトーバーを追え!』などの原作で知られる、トム・クランシーの人気小説「ジャック・ライアン」シリーズを新たに実写化した。投資銀行員という表向きの顔を持つCIA情報分析アナリストのジャック・ライアンが、世界恐慌勃発を狙う巨大な陰謀に立ち向かう。主演は『スター・トレック』のクリス・パイン。共演には、監督も務めるケネス・ブラナーに『プライドと偏見』などのキーラ・ナイトレイ、ベテランのケヴィン・コスナーと、実力派が結集する。



ゲノムハザード ある天才科学者の5日間 109シネマズ 自分探しの謎解きがスピーディで面白い。記憶を上書きするという奇想天外な設定には少々無理っぽかったが、原作がいいのだろう。
意欲的に海外の監督作品にも出演している西島秀俊が、『美しき野獣』のキム・ソンス監督と手を組んだサスペンスアクション。司城志朗原作のミステリー小説「ゲノムハザード」を映画化し、妻の死と奪われた記憶の謎を追う主人公が体験する驚きのてん末を描き出す。共演は、キム・ヒョジンと真木よう子。


ウルフ・オブ・ウォールストリート 109シネマズ 80年代のウォール街のベルフォートはこんなブローカーだった、というハチャメチャ男を演じたディカプリオ。笑えましたが、長すぎる映画です。
実在の株式ブローカー、ジョーダン・ベルフォートの回想録を映画化した実録ドラマ。1980年代から1990年代のウォール街で、若くして大金を稼ぎ、その後証券詐欺の容疑で逮捕された彼の栄枯盛衰を見つめていく。監督と主演は、マーティン・スコセッシとレオナルド・ディカプリオ。事実とは思えないほどのジョーダンのエピソードもさることながら、ジョナ・ヒルやマシュー・マコノヒーら、実力派の共演にも注目。



ハナ 奇跡の46日間 映サ例会 若い選手に国境はない。感動の卓球大会に引き込まれました。ただ、エンディングが長すぎて感動が薄れました。
2012年韓国映画。1991年に千葉県で開催された世界卓球大会に初めて南北統一チームとして参加した韓国選手の熱い友情と試合の様子を描いた映画。かつて韓国で空前の卓球ブームを巻き起こしたスター選手、ヒョン・ジョンファ(ハ・ジウオン)だが、中国の壁にぶつかり、銀メダル止まりであった。そこに統一チームの知らせが舞い込んだ。


リオ・ブラボー 109シネマズ マカロニ・ウエスタン映画の醍醐味です。ジョン・ウェインの西部劇スタイルは懐かしい。出演者が劇中に歌を歌う、のんびりとした作品でほんわかとしました。
J・ウェイン主演作が「午前十時」に初登場!『赤い河』『ハタリ!』などでも名コンビぶりを発揮したH・ホークス監督による痛快ウエスタン。メキシコ国境に近いテキサスの町を舞台に、迫真のガン・ファイトが炸裂する。J・ウェイン以下、D・マーティン、がんこジジイのウォルター・ブレナンが叩き合う、減らず口の応酬がまた面白さ抜群。脚本を書いた女性、リー・ブラケットは『スター・ウォーズ/帝国の逆襲』を執筆したことでも有名。




ラッシュ/プライドと友情 バルト11 これぞF1、サーキットのエンジン音、体に響く音。これを聞いたとたんに20年前のセナとプロストのバトルが浮かびました(94年にセナが亡くなりましたが)。この映画はそれだけで成功しています。ここでは76年のラウダとハントのバトルです。
F1レーサー、ニキ・ラウダとジェームス・ハントが壮絶なタイトル争いを繰り広げたドラマを映画化。事故で大けがを負いながらもシーズン中に復帰したラウダと、性格もドライビングスタイルも正反対なハントの死闘とライバル関係を、臨場感あふれるレースシーンと共に描く。監督は、『ビューティフル・マインド』などの名匠ロン・ハワード。陽気なハントをクリス・ヘムズワース、冷静沈着なラウダをダニエル・ブリュールが演じる。
2014年1月

エンダーのゲーム 109シネマズ エンダー少年がコンピューターゲームに勝利する喜びと、本当のロボット戦争に苦悩する姿はSFとして素晴らしい。29年も前の原作とは思えない斬新さがある。
1985年に出版された、オースン・スコット・カードによるSF小説の名作を実写化。昆虫型生命体と人類の戦争を終息させる能力と宿命を背負った少年の成長と苦悩が描かれる。監督は、『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』などのギャヴィン・フッド。『ヒューゴの不思議な発明』で注目を浴びたエイサ・バターフィールドが主人公のエンダーを好演、名優ハリソン・フォードやベン・キングズレーなどの実力派が脇を固める。


武士の献立 八丁座 城の料理方の生き様が幾分は目に浮かんだが、途中から加賀藩のお家騒動になり、料理が尻切れトンボになってしまった。加賀らしい料理を数点でも見たかった。
釣りバカ日誌』シリーズの朝原雄三が監督を務め、江戸時代に包丁侍として料理の腕を振るった武家に嫁いだ主人公の紆余曲折を描く人間ドラマ。加賀藩に実際に存在した料理担当武士・舟木伝内と息子が残したレシピ集「料理無言抄」を題材に、当時の台所事情に迫る。気の強いヒロインを上戸彩、年下の夫を高良健吾が好演。




鑑定士と顔のない依頼人 シネツイン ベテランの鑑定士が、顔を見せない美術依頼人の謎に惹かれていく。病んだ彼女に会えた時の絶妙な仕掛け。素晴らしいどんでん返しに感心。(原題:THE BEST OFFER )
名匠ジュゼッペ・トルナトーレ監督が、刺激的な謎をちりばめて紡ぐミステリー。天才鑑定士が姿を見せない女性からの謎めいた鑑定依頼に翻弄されていくさまを、映画音楽の巨匠エンニオ・モリコーネの音楽に乗せて描く。鑑定士には、『シャイン』などのジェフリー・ラッシュ。共演には『アップサイドダウン 重力の恋人』などのジム・スタージェス、ベテランのドナルド・サザーランドらが名を連ねる。


マイヤーリング TOHO緑井 オードリー・ヘプバーンの日本未公開作品を堪能しました。懐かしい顔。ポニーテールにうっとりでした。
『ローマの休日』などのオードリー・ヘプバーンが主演を務めた、長らく日本未公開だった幻の恋愛ドラマ。フランスの小説を基に、オーストリア=ハンガリー帝国の皇太子と男爵家出身の美しい娘の許されぬ恋と悲しい結末を描く。17歳のヒロインをオードリーが演じ、相手役を『戦争と平和』の共演者でオードリーの当時の夫でもあったメル・ファーラー。メガホンを取るのは、『蛇の穴』などのアナトール・リトヴァク。




永遠の0 109シネマズ 感動のゼロ戦。「風立ちぬ」とは一味違う反戦ドラマです。特攻隊員であった祖父の反戦は家族の愛を願う一人の父親なのです。
零戦搭乗員の悲劇を描いた百田尚樹のベストセラーを、『ALWAYS』シリーズなどの監督・山崎貴が映画化した戦争ドラマ。祖父の歴史を調べる孫の視点から、“海軍一の臆病者”と呼ばれたパイロットの真実の姿を、現代と過去を交錯させながらつづっていく。主人公の特攻隊員役に、岡田准一。現代に生きる孫に三浦春馬がふんするほか、井上真央や夏八木勲など。生と死を描く奥深い物語はもちろん、サザンオールスターズによる心にしみる主題歌にも注目。